2019/10/16
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」10月15日号より抜粋
期待を買えるか
■ 今週は3つの嵐に備える
中国国慶節開けの先週、世界の株式市場の週間騰落率は概ねプラス、月初に米企業景況感悪化で急速に高まった世界景気の後退懸念の嵐は、少し収まりをみせました。
その嵐を鎮めたのは政治と金融政策、米中通商協議では右往左往あるも中国の米農産物購入という小さな出口を見つけ、15日からの関税導入も延期となりました。かたや、米FRB(連邦準備理事会)は量的金融緩和と同様、市場に流動性を与える短期国債の購入を表明しました。
もっとも、嵐は過ぎ去っていません。注目は3つ、まずは16日の米9月小売売上高、消費者信頼感軟化の影響が如実に現れれば、景気後退懸念に再び火が付きそうです。
2つ目は英国のEU(欧州連合)離脱です。同国は今月初め、10月31日の離脱期限に向け妥協案を提示、当初難色示したEUも合意に向け態度を柔和との報道もあります。17日からのEU首脳会談で合意できれば、英国の秩序ある離脱の可能性がグンと高まり金融市場も好感しましょう。
そして最後は18日の中国7-9月期GDPです。共産党指導部が象徴的に掲げる6.0%成長を下回れば、世界の外需を支える同国の内需鈍化が鮮明化し嵐を呼びそうです。但し、市場は景気対策の呼び水と評価するかも知れません。
連休明けの15日、米国では7-9月期企業決算が本格化します。目下S&P500構成企業の7-9月期1株当り利益は前年同期比▲3.1%(10日)、約3年ぶりのマイナス成長との予想です。株価上昇には、利益成長より成長への期待(株価収益率)を高めることが依然必要な様です。(徳岡)
今週の主要経済指標と政治スケジュール
10/14(月) |
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10/15(火) |
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10/16(水) |
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10/17(木) |
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10/18(金) |
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注)(日)日本、(米)米国、(欧)ユーロ圏、
(中)中国を指します。
日程および内容は変更される可能性があります。
出所) 各種情報、Bloombergより当社経済調査室作成
注)MSCI WORLD、MSCI EMは現地通貨、S&P先進国REIT指数は米ドルベース。
原油は1バレル当たり、金は1オンス当たりの価格。
騰落幅、騰落率ともに2019年10月4日対比。
日本の株式・リート・10年国債利回りの直近値は2019年10月11日時点。
出所) MSCI、Bloombergより当社経済調査室作成
注)上記3図の直近値は2019年10月14日時点。
日経平均株価と日本10年国債利回りのみ
同年10月11日時点。
出所)Bloombergより当社経済調査室作成
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