2019/5/28
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」5月27日号より抜粋
主要国1-3月期景気は見通しを上回るペース
■ 米中の衝突という雨雲はどうしたら晴れるか?
先週も前週に続き米中貿易摩擦を主因に世界の金融市場は株安、金利低下、リスクマネーはドル回帰を強め、円買いも進行するなど典型的リスクオフの展開でした。
この展開を煽ったのがOECD(経済協力開発機構)で、今年の世界経済見通しを+3.2%へ下方修正しました。やはり米中の衝突が背景です。しかし、米国など主要国の1-3月期実質GDPは好調、足元の世界経済は+3.3%成長と(当社推計)、OECD見通しを僅かに上回るペースで走っています。4月の中国経済指標の軟化は気がかりですが、米中の衝突という市場を覆う厚い雨雲がなければ、主要国株式市場は高値を試していたかも知れません。
しかしこの雨雲は厄介です。米国は関税という輸入制限から禁輸措置へ、需要を直接締め付け始めたためです。目下、両国は譲歩するインセンティブを持ちえておらず、衝突のリセットも既に困難です。現状維持という不拡散条約を結び、終わりなき対話路線を牛歩するのが米中双方、また世界経済にとっての最適解でしょう。
ではどうしたら両国は不拡散条約を結ぶ気になるか?米国は比較的明快、大統領は支持率が低下すれば早期の幕引きを望むでしょう。一方中国側は難解です。また第3国らの仲介、例えば6月末のG20(20ヵ国・地域)議長国でもある日本の仲裁を快諾する可能性も低いでしょう。
米中貿易問題は雨雲として停滞、しかし地上の世界景気はまだ土砂崩れを起こしていません。雨雲が晴れる時(=両国の歩み寄り)、特に中国の動きをいち早く捉えた人が、今次局面の勝者になるとみています。(徳岡)
今週の主要経済指標と政治スケジュール
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注)★は特に注目度の高いイベント
(日)は日本、(米)は米国、(欧)はユーロ圏、(独)はドイツ、(加)はカナダ、(中)は中国、(伯)はブラジル、(他)はその他を指します。日程および内容は変更される可能性があります。
出所) 各種情報、Bloombergより当社経済調査室作成
注)MSCI WORLD、MSCI EMは現地通貨ベース。
騰落幅、騰落率ともに2019年5月17日対比。
出所)MSCI、Bloombergより当社経済調査室作成
注)上記3図の直近値は2019年5月24日時点。
出所)Bloombergより当社経済調査室作成
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