2019/4/2
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」4月1日号より抜粋
主要新興国通貨は足元で軟調に推移
■ 低下する米独長期金利、低迷する新興国通貨
先週は主要国の10年国債利回りが低下。ドイツの利回りは、一時▲0.093%まで下がりました。先週28日までは米10年金利が3ヵ月金利を下回る状況が継続。「長短金利逆転は景気後退の前触れ」との考えも根強く、市場心理が悪化。もっとも市場の変動性が低く長期金利が低下しやすい現在でも過去の経験則が適用できるかは疑問です。
為替市場ではアルゼンチン(対米ドル▲3.5%)やメキシコ(同▲1.7%)等の通貨が軟調。先々週22日に急落したトルコ・リラを巡る懸念が重石でした。同国の外貨準備の減少や、国内銀行による外国人向けリラ資金供与を当局が禁じたためとみられる翌日物為替先物金利の急騰(一時1,350%へ)を投資家は懸念。もっとも、混乱の根源は、同国の対外収支の弱さ、政治リスクの高さ、経済運営の質の低さ等です。相対的に健全な他の新興国にも危機が波及すると考えるのは悲観的過ぎると思われます。
■ 今週は雇用統計など米景気指標に注目
米長短金利の逆転等に伴う米景気悲観論が後退するのか、今週は主要景気指標に注目。1日の米ISM製造業景気指数(3月)は54.5と前月の54.2より上昇、1日の米小売売上高(2月)は前月比+0.3%と前月の+0.2%より改善、5日の米雇用統計(3月)では非農業部門雇用者数が前月差+17.5万人と前月の+2.0万人より回復、失業率は3.8%と前月並みの低位、平均時給の前年比は+3.4%と前月と同水準となり、米景気の底堅さが確認されるでしょう。(入村)
今週の主要経済指標と政治スケジュール
4/1(月) |
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4/2(火) |
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4/3(水) |
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4/4(木) |
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4/5(金) |
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注)★は特に注目度の高いイベント
(日)は日本、(米)は米国、(欧)はユーロ圏、(英)は英国、(独)はドイツ、(仏)はフランス、(伊)はイタリア、(豪)はオーストラリア、(中)は中国、(伯)はブラジルを指します。日程および内容は変更される可能性があります。
出所) 各種情報、Bloombergより当社経済調査室作成
注)MSCI WORLD、MSCI EMは現地通貨ベース
騰落幅、騰落率ともに2019年3月22日対比
出所) MSCI、Bloombergより当社経済調査室作成
注)上記3図の直近値は2019年3月29日時点。
出所) Bloombergより当社経済調査室作成
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