2018/11/20
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」11月19日号より抜粋
企業等の民間経済主体は好調な経済活動を維持
■ 崖の上に果実あるも、落石怖くて登れず
米中間選挙を波乱なく消化後も、①欧州ではBREXIT(英国のEU(欧州連合)離脱)やイタリア財政問題、②中東ではイラン経済制裁や原油過剰供給懸念、③中国では景気減速懸念や貿易問題と世界には今、金融市場を横断的に震撼させる恐れのあるリスクであふれています。
一方、米国を中心に総じて世界の個人消費や企業業績は好調を維持するなど経済活動に大きな変化なく、景気減速の兆候がみえるのは中国など一部に限定されます。また足元軟化を示す世界景気の先行指数も出来過ぎだったこれまでの反動、景気はあくまで巡航速度に落ち着く最中で、景気拡大という果実はまだ旬とみています。
こうした状況を岩登りで例えると、崖の上に生る果実を落石が怖く登れない様子に似ています。イベント(落石)リスクが多く、将来の景気拡大期待(果実)を買えない状態です。しかし落ちない程大きい石、落ちても自らに当らない石だと分ればさほど怖くもないでしょう。
とはいえ、上述①〜③はいずれも政治家が操る石、予測は困難です。当面は上述③の米中貿易問題という最も大きい石が落ちない事を月末の米中首脳会談で確認せねば、崖を登るのは難しいようです。また米FRB(連邦準備理事会)議長らによる緩和的発言等の株価下支え策、所謂パウエル・プットも先週の発言から見込み薄です。
今週は上述①の石がぐらつく中、米国中心に果実はまだ食べ頃という事を経済指標で確認する週、株式相場も一進一退とみています。米中貿易問題(石)が膠着する間に企業の投資需要(果実)が萎まぬよう、まずは来年初の25%関税が回避される事が重要でしょう。(徳岡)
今週の主要経済指標と政治スケジュール
11/19(月) |
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11/20(火) |
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11/21(水) |
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11/22(木) |
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11/23(金) |
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11/25(日) |
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注)★は特に注目度の高いイベント
(日)は日本、(米)は米国、(欧)はユーロ圏、(英)は英国、(独)はドイツ、(仏)はフランス、(伊)はイタリア、(豪)はオーストラリア、(中)は中国、(伯)はブラジルを指します。日程および内容は変更される可能性があります。
出所) 各種情報、Bloombergより当社経済調査室作成
注) MSCI WORLD、MSCI EMは現地通貨ベース。
騰落幅、騰落率ともに2018年11月9日対比。
出所) MSCI、Bloombergより当社経済調査室作成
注) 上記3図の直近値は2018年11月16日時点。
出所) Bloombergより当社経済調査室作成
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