2018/9/11
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」9月10日号より抜粋
政治不透明感で「期待」を買えない株式市場
新興国株式市場には苦しい局面続く
■ 慎重になる材料に溢れた一週間
先週は新興国通貨の下落を皮切りにリスク資産市場は軟調な滑り出し、市場参加者は米加のNAFTA(北米自由貿易協定)交渉を見守りたいと慎重姿勢を貫きました。また米国による$2,000億の対中制裁関税発動への警戒感や6日未明発生の北海道地震も市場を慎重化させました。
■ 政治不透明感で二の足踏む「期待の買い」
楽観的な景気見通しの持続性との戦い
今週は各国の金融政策会合が集中、新興国ではトルコ中銀が一段の通貨下落阻止のため5%超の利上げを断行するとみています。一方先進国はECB(欧州中銀)とBOE(英中銀)が開催、共に政策金利を維持する見込みですが、ECBは既に目標に達した物価の見通しを上方修正するか、後者はカーニー総裁の去就が注目されます。
そして政治面では今週の米NY民主党予備選(13日)をこなし大詰め、いよいよトランプ大統領も共和党と共に中間選挙(11月6日)モードに突入します。この他本邦では20日に自民党総裁選、ブラジルは10月7日に大統領選を控えます。世界には政治的不透明要素が溢れています。
米中2大国の景気強弱感と好調な企業業績が世界景気見通しに底堅さを醸成する一方、政治不透明感が株式の「先行きの上昇期待」を買う動きを封じ株式市場の膠着を生んでいます。世界景気の楽観論が維持されている間に政治不透明感が払拭され株式市場に期待を買う動きが戻るか、「時間」との戦いになりそうです。(徳岡)
今週の主要経済指標と政治スケジュール
9/10(月) |
---|
|
9/11(火) |
|
9/12(水) |
|
9/13(木) |
|
9/14(金) |
|
注)★は特に注目度の高いイベント
(日)日本、(米)米国、(欧)ユーロ圏、(独)ドイツ、(英)英国、(仏)フランス、(伊)イタリア、(加)カナダ、(豪)オーストラリア、(中)中国、(伯)ブラジル、(印)インド、(墨)メキシコ、を指します。
NAはデータなし。日程および内容は変更される可能性があります。
出所) 各種情報、Bloombergより当社経済調査室作成
注) MSCI WORLD、MSCI EMは現地通貨ベース。
騰落幅、騰落率ともに2018年8月31日対比。
出所) MSCI、Bloombergより当社経済調査室作成
注) 上記3図の直近値は2018年9月7日時点。
出所) Bloombergより当社経済調査室作成
当資料に関してご留意頂きたい事項
- 当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定はお客さまご自身の判断でなさるようお願いいたします。
- 当資料に示す意見等は、特に断りのない限り当資料作成日現在の三菱UFJ国際投信経済調査部の見解です。また、三菱UFJ国際投信が設定・運用するファンドにおける投資判断がこれらの見解に基づくものとは限りません。
- 当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
- 本資料は当社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。