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マーケット > レポート > 投資環境ウィークリー > 今週も米貿易政策とトルコ等新興国の動向が相場を左右か

今週も米貿易政策とトルコ等新興国の動向が相場を左右か

2018/9/4
提供:三菱UFJ国際投信

荒武 秀至の今週の注目ポイント!

  • 先週前半は米・メキシコのNAFTA再交渉仮合意でリスク選好型相場
  • 先週後半は、米国の貿易にかかわる強硬姿勢や新興国通貨下落でリスク回避型相場
  • 今週も米貿易政策、アルゼンチンやトルコ等新興国を巡る懸念が市場の重石か

「投資環境ウィークリー」9月3日号より抜粋

PDFです。新しいウィンドウで開きます。 「投資環境ウィークリー」全文はこちら(PDF)

トルコ等の新興国通貨の下落が加速

■ 先週後半には米大統領発言で米株価が反落
先週前半は米国とメキシコがNAFTA再交渉で基本合意し、米株価が堅調に上昇。しかし、30日には米トランプ大統領の発言を受けて同株価は反落。(a)中国向け追加関税(対象2,000億ドル)の適用を今週にも検討、(b)中国は為替相場を操作、(c)EUは貿易に関して中国と同じくらい悪い、(d)自動車関税ゼロのEU提案は不十分、(e)米国のWTO脱退も検討などの発言が報じられました。
11月に中間選挙を控え、関税発動も辞さず貿易相手から妥協を引出そうとする強引な姿勢は健在。今週も同大統領による予測不能な発言が市場を揺さぶるでしょう。

■ トルコ等新興国の通貨危機は未だ収束せず
先週は、アルゼンチン・ペソが対米ドルで▲16.3%、トルコ・リラが同▲8.2%下落と、両国の通貨危機は収束せず。リラの対ドル相場下落率は7-8月に同▲30.0%下落。輸入インフレから今週3日公表の8月の消費者物価は+17.6%と前月の+15.8%を超過し、実質金利とリラ相場を押下げるでしょう。ブラジルでは先週31日からの大統領候補の政見放送で選挙戦が本格化。市場の信認は厚いが支持率が不振なアルキミン候補(元サンパウロ州知事)が同放送を支持率上昇につなげられるかが注目されます。
一方、今週の米景気指標(4日: ISM製造業景気指数、7日: 雇用統計)は堅調な景気拡大を示唆する見込みです。米貿易政策や新興国を巡る懸念が再燃しなければ、世界的に株価は堅調に推移すると予想されます。(入村)

今週の主要経済指標と政治スケジュール

9/3(月)
  • (日) 4-6月期 法人企業統計(設備投資、前年比)
    1-3月期:+3.4%、4-6月期:+12.8%
  • (中) 8月 製造業PMI(財新)
    7月:50.8、8月:50.6
  • (他) トルコ 8月 消費者物価(前年比)
    7月:+15.85%、8月:(予)+17.60%
9/4(火)
  • (米) 8月 ISM製造業景気指数
    7月:58.1、8月:(予)57.6
  • (米) 上下院議会再開
  • (豪) 金融政策決定会合
    キャッシュレート:1.5%→(予)1.5%
9/5(水)
  • (米) 7月 貿易収支(通関ベース)
    6月:▲463億米ドル、7月:(予)▲500億米ドル
  • (米) カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 講演
  • (他) 米国・カナダ
     NAFTA(北米自由貿易協定)再交渉を再開
9/6(木)
  • (米) 8月 ADP雇用統計
    (民間部門雇用者数、前月差)
    7月:+21.9万人、8月:(予)+19.0万人
  • (米) 8月 ISM非製造業景気指数
    7月:55.7、8月:(予)56.6
  • (米) USTR(米通商代表部)が
    対中制裁関税(2,000億米ドル規模)に対する
    企業側の意見締め切り
  • (米) ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁 講演
9/7(金)
  • (日) 自民党総裁選挙告示(投開票は20日)
  • (米) ローゼングレン・ボストン連銀総裁 講演
  • (米) メスター・クリーブランド連銀総裁 講演
  • (米) カプラン・ダラス連銀総裁 講演
  • (米) 8月 労働省雇用統計
    非農業部門雇用者数(前月差)
    7月:+15.7万人、8月:(予)+19.3万人
    平均時給(前年比)
    7月:+2.7%、8月:(予)+2.7%
    失業率 7月:3.9%、8月:(予)3.8%
9/8(土)
  • (中) 8月 貿易統計
9/9(日)
  • (他) スウェーデン 総選挙
  • (他) 北朝鮮 建国70周年
  • (中) 習近平国家主席が訪朝

注)★は特に注目度の高いイベント
(日)日本、(米)米国、(欧)ユーロ圏、(独)ドイツ、(英)英国、(仏)フランス、(伊)イタリア、(加)カナダ、(豪)オーストラリア、(中)中国、(伯)ブラジル、(印)インド、(墨)メキシコ、を指します。
NAはデータなし。日程および内容は変更される可能性があります。
出所) 各種情報、Bloombergより当社経済調査室作成

注) MSCI WORLD、MSCI EMは現地通貨ベース。
騰落幅、騰落率ともに2018年8月24日対比。
出所) MSCI、Bloombergより当社経済調査室作成

注) 上記3図の直近値は2018年8月31日時点。
出所) Bloombergより当社経済調査室作成

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