2018/04/24
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」4月23日号より抜粋
IMFの新たな成長率見通しは前回1月から大きな変更はなく、2月以降に警戒感が高まった貿易摩擦による実体経済への影響は今のところ限定的です。先週はNY原油先物が上昇し、インフレ懸念が意識され、米10年債利回りは2月以来の2.9%台へと上昇しました。今後の原油価格は、米シェール企業の生産やOPEC協調減産の出口戦略等(2018年12月以降)により、上値は抑えられるとみています。
ゴールデン・ウィーク明けとなる5月7日までには、26日のユーロ圏、26-27日の日本、5月1-2日の米国と主要国の金融政策決定会合が続きます。各中銀会合で、政策の見直しが行われる可能性は低いとみていますが、原油価格の上昇に伴うインフレ懸念についてどのような見方が示されるかが注目されます。北朝鮮情勢は27日の南北首脳会談がありますが、市場への影響は限定的とみています。
◆米国:3月の小売売上高は前月比+0.6%と4ヵ月ぶりにプラスに転じました。4月の消費者信頼感指数は、ミシガン大学調査(速報)は3月より上昇しており、コンファレンスボード調査でも上昇が確認されれば(予想は低下)、不安は一部和らぐとみています。企業景況感は、ISM製造業(5月1日)、ISM非製造業(5月3日)で引き続き鈍化が予想されていますが、依然高水準の見通しです。また雇用統計は、平均時給が前月比+0.3%と3月に続き高水準が維持される見込みです。
◆日本:2017年度の決算発表が本格化します。日経平均は2万2,000円台を回復していますが、ドル円は未だ108円を下回る円高水準です。企業業績は堅調とみられていますが、企業が想定為替レートを見直し、割安とみられていた株価水準の評価が修正されるリスクに注意が必要です。日銀は、黒田総裁の新体制で初の会合・展望レポートとなりますが、大きな変更はないとみています。
◆ユーロ圏:経済指標は予想を下回るものもみられますが、通貨ユーロは堅調です。同通貨高がインフレ加速の重石になっている面もあり、30日のドイツ、3日のユーロ圏CPIではECBが利上げを急ぐ結果にはならないとみています。
◆その他:金融政策決定会合では、トルコが利上げ、ロシアと豪州が据え置きの見通しです。トルコでは2019年の大統領選が2018年6月24日に前倒しが決定されました。現政権は選挙対策もあり、緩和的な金融政策を維持するよう中銀に圧力をかけていたともみられ、選挙が前倒しされ政治意的にも利上げがしやすい環境となることはポジティブです。利下げを行っているロシアでは、欧米の経済制裁が嫌気され通貨が下落。下落幅は縮めているものの、今会合では据え置きが多数を占めています(24人中16人) 。豪州では、会合前後に予定される、1-3月期の消費者物価(24日)、四半期金融政策報告(4日)にも注目です。(永峯)
※次回の投資環境ウィークリーは5月8日発刊です。
今週の主要経済指標と政治スケジュール
4/23(月) |
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(欧)4月 製造業PMI(マークイット) |
4/24(火) |
(米)4月 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード) |
4/25(水) |
(他)トルコ 金融政策決定会合 |
4/26(木) |
(日)日銀金融政策決定会合(〜27日) |
4/27(金) |
(日)黒田日銀総裁記者会見 |
4/30(月) |
(米)3月 個人所得・消費(消費、前月比) |
5/1(火) |
(米)4月 米供給管理協会(ISM)製造業景気指数 |
5/2(水) |
(米)4月 ADP雇用統計(民間部門雇用者数、前月差) |
5/3(木) |
(米)4月 米供給管理協会(ISM) 非製造業景気指数 |
5/4(金) |
(米)4月 雇用統計 |
注)上記の日程及び内容は変更される可能性があります。
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