2017/12/12
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」12月11日号より抜粋
先週は2日に米上院で税制改革法案の可決を受け、リスク選好姿勢が強まりドル高・米株高にふれるも、6日にはトランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定するとの報道を材料にリスク回避の動きが強まりました。また同日には銅先物価格の急落に象徴される中国経済への不安で、アジア株が大きく調整する局面もありました。今後も金融市場はリスク要因に敏感な動きが予想されます。
今週は米国のFOMCが最大の注目です。市場は0.25%の追加利上げを既に織り込んでいるため、来年以降の政策金利見通しが焦点です。前回9月は来年3回の追加利上げ(毎回0.25%の場合)が予想中央値であり、見通しを引き上げるメンバーが現れればドル高が加速する可能性があります。また、税制改革法案の上下院一本化も注目です。暫定予算期限は22日まで延長、同法案はクリスマス休暇前に上院に配慮した形でまとまる可能性があり、改革実現の期待は高まっています。
海外投資家による日本株の売買動向は、11月第5週に現物・先物合計で4週連続の売り越しとなりました。海外投資家の買いが縮小するなか日本株は不安定な動きもみられますが、日経平均の予想PERは先週末14.99倍と過熱感はありません。米長期金利が上昇すれば金融株が買い優勢となる可能性が高く、円安ドル高が進めば輸出関連株が買われるなど、株価は全体的に堅調な推移が予想されます。
◆米国:12-13日のFOMCで政策金利は1.25-1.50%へ0.25%引き上げられる見通しです。金融市場の織り込む12月利上げ確率は100%(OISベース)と利上げは確実視されています。焦点は来年以降の追加利上げペースとなり、政策金利見通し並びに13日の11月消費者物価、14日の11月小売売上高の伸びが加速しているかが市場を左右する見込みです。また14日には下院、15日には上院の議会会期末を控え、両院協議会で上下院の税制改革法案一本化が波乱なく進むのか注目です。
◆日本:7-9月期の実質GDPは前期比年率+2.5%に上方修正され高成長を示しました。要因は設備投資や在庫投資の上振れなど企業部門の好調です。15日の12月日銀短観は全般的に業況判断DIが改善する見通しです。特に輸出関連は製造業中心に改善幅は大きくなるでしょう。また、2017年度設備投資計画は上方修正されると考えられ、GDP成長率と同様に企業部門の好調さが示される見通しです。
◆ユーロ圏:14日のECB理事会は前回10月に来年の量的緩和減額・延長を決めたため大きな変更はなく、社債購入割合の増額等が検討される見込みです。また成長見通しが上方修正される一方で、物価見通しは据え置かれるとみています。
◆英国:14日の金融政策は前回利上げを決定したばかりで変更はない見込みです。14-15日のEU首脳会議でEU離脱交渉が通商協議等に進むとみられます。(向吉)
今週・来週の主要経済指標と政治スケジュール
12/11(月) |
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(日)10-12月期 法人企業景気予測調査 |
12/12(火) |
(米)連邦公開市場委員会(FOMC)(〜13日) |
12/13(水) |
(日)黒田日銀総裁 あいさつ |
12/14(木) |
(米)11月 小売売上高(前月比) |
12/15(金) |
(日)日銀短観(12月調査) |
注)上記の日程及び内容は変更される可能性があります。
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