2017/12/05
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」12月4日号より抜粋
先週も株高基調が持続、米国上院が税制改革法案(下院と別案)を可決、産油国が協調減産期間を延長(2018年3月→12月末まで)と、リスク選好の流れを阻害しかねない問題が一つ一つ解消されたことも好感された模様です。北朝鮮問題が再び俎上に載せられた感はありますが、米国中心に良好な景気を素直に好感する流れが続くとみます。ただし、次週12・13日のFOMC(連邦公開市場委員会)、14日のECB(欧州中銀)理事会を控え、徐々に様子見姿勢も強まる見通しです。
◆日本:日経平均株価が11月9日のザラバ高値23,382円15銭を試す展開を予想します。米国税制改革法案が成立に向け前進、中国PMIなども底堅い水準を維持、円高リスクも後退するなど、日本株の好条件は揃っている模様です。法人企業統計(7-9月期)で設備投資が予想を上回る伸びとなったため、8日の実質GDP(7-9月期、2次速報)で成長率が上方修正され、投資家心理好転に寄与する見込みです。
◆米国:8日に2018年度暫定予算と政府債務上限引き上げの期限が迫っていますが、税制改革法案審議を優先すべく、短期延長などで議論の先送りを図る見込みです。5日のISM非製造業景気指数、8日の雇用統計(11月)から良好な景気が確認されれば、株式一段高の材料になると思われます。ただし、雇用者増加数や平均時給が想定以上に伸びれば、利上げ加速観測で株価が押される懸念もあります。
◆ユーロ圏:域内景気は絶好調、ユーロ高圧力が強まるも、ドイツ政治動向がやや重石となっています。メルケル同国首相(第1党のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)所属)は第4期政権樹立に向け再び第2党の社会民主党(SPD)との大連立を模索、SPDも協議に応じる姿勢を見せていますが、SPD内では連立参加による独自色埋没懸念や政策面の隔たり(SPDは移民制限や緊縮財政に反対)から支持は高まっておらず、楽観視は禁物です。7-9日のSPD党大会に注目です。
◆オーストラリア(豪):5日の金融政策決定会合は政策金利を1.5%で据え置く見込みです。豪中銀の利上げ観測後退(市場は2018年末開始と予想)もあり、豪ドルは9月上旬から対米ドルで下落基調にあります。ただし、足元の鉄鉱石など資源価格上昇に加え、5日の小売売上高(10月)、6日の実質GDP(7-9月期)が予想通りの底堅い内容であれば、豪ドルは徐々に落ち着きを取り戻すとみます。
◆ブラジル:5-6日のCOPOM(金融政策委員会)で利下げ休止の見方が大勢ですが、追加利下げ可能性を示せば景気浮揚期待が高まるとみます。年金改革法案(上下院で各2回の承認が必要)は、来年の大統領選挙をにらみ与党第2党PSDB(民主社会党)の次期党首とされるアウキミン氏(現サンパウロ州知事)が連立離脱を示唆、年内成立が危ぶまれておりレアル相場に逆風といえます。(瀧澤)
今週・来週の主要経済指標と政治スケジュール
12/4(月) |
---|
(日)11月 消費者態度指数 |
12/5(火) |
(米)11月 米供給管理協会(ISM) 非製造業景気指数 |
12/6(水) |
(米)11月 ADP雇用統計 |
12/7(木) |
(独)社会民主党(SPD)党大会(〜9日) |
12/8(金) |
(日)7-9月期 実質GDP(2次速報、前期比年率) |
注)上記の日程及び内容は変更される可能性があります。
当資料に関してご留意頂きたい事項
- 当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定はお客さまご自身の判断でなさるようお願いいたします。
- 当資料に示す意見等は、特に断りのない限り当資料作成日現在の三菱UFJ国際投信経済調査部の見解です。また、三菱UFJ国際投信が設定・運用するファンドにおける投資判断がこれらの見解に基づくものとは限りません。
- 当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
- 本資料は当社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。