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2021-03-02 03:43:37

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【そうだったのか!ETF徹底解剖】第8回 ETFの市場価格はどのように決まるのか?

2018/02/22

投資信託が上場されていることでいつでも取引できるETFは、投資信託の「基準価額(NAV)」とは別に「市場価格」が存在します。この市場価格とNAVを比較して、そのETFの市場価格が割高または割安であるという議論がされていることがよくあります。しかし、この表現は必ずしも正しくありません。この乖離(プレミアム・ディスカウント)がなぜ発生するのかを理解するためには、ETFの価格形成メカニズムを知る必要があります。本稿では、上場市場(流通市場)におけるETFの価格形成メカニズムを解説します。

ETFの価格形成メカニズム

ETFが設定・交換という仕組みにより、保有しているバスケットとETFの受益権を交換できることで、ETFの価格がバスケットの価格と関連付けられているということは皆さんご存知のことかも知れません。そのため、ETFの市場価格=バスケットの市場価格であるべきだという誤解が生じているのもまた事実です。なぜそうならないのか、またはそうならなくてもよいという理由は、原資産のバスケットとETFにそれぞれスプレッド(売買の(気配)価格の差)というものが存在しているからです。
図表1は、株式のETFとその原資産バスケットのスプレッドのイメージを示したものです。
左側の長い青い矢印は、ETFの原資産バスケットのスプレッドを示しています。ETFの保有銘柄のバスケット(正確にはクリエーションユニットのバスケット)を今この瞬間に売買するときの平均スプレッドだと考えてください。当然それには買値と売値としてビッドとアスクが存在します。そのスプレッドに取引にかかる諸費用(上下の短い青い矢印)を加えた領域がETFの市場価格が存在する領域となります。もしこの領域をETFの価格が超えると、上方の場合はETFが(買い集めるコストを加味しても)バスケットよりも割高になっているため、裁定取引が可能(割高なETFを借りて市場で空売りする一方で、バスケットを買い集めてETFを設定して返却する)であり、下方の場合はその逆の裁定取引が可能です。この裁定取引によって両者のスプレッドの関係は修正されるため、図表1の裁定取引領域にETFの価格が存在することは理論的にはありません。そのため、流通市場の流動性が乏しいETFでも、最大のスプレッド(オレンジの長い矢印)はこのバスケット+コストの領域に納まるはずです。
流通市場の流動性の高いETFの場合、そのスプレッドはどうなるでしょうか?右側のオレンジの矢印で表された狭い領域がそれに該当します。流動性が高いためETFのスプレッド自体は非常に狭くなっています。このとき、バスケットのスプレッドはETFのスプレッドよりもかなり広いため、ETFのスプレッドは市場参加者の動向によって、バスケットのスプレッド領域の中を上下することになります(青い点線の矢印)。
このとき、ETFの純資産価額である基準価額(NAV)はどう決まっているのでしょうか?株式ETFの場合は、保有銘柄のバスケットの価格は平均としてミッド(中値)の価格であり、この価格でNAVが決まると考えられます。(個々の銘柄の直近の取引価格はビッドまたはアスクのどちらかであるとしても、平均すればミッドであると仮定することができます。)このミッド価格でNAV(リアルタイムの場合で考えればiNAV)が存在しているとすると、ETFのビッド・アスクであるスプレッドは必ずしもNAVと同じであるとは限りません。ETFのスプレッドは最大でバスケットのスプレッド、もしくはその中のどこかにより幅の狭いスプレッドで存在しているはずです。この乖離がNAVと市場価格の乖離であるプレミアム・ディスカウントの正体です。
そのため、一般的に株式のETFはプレミアムまたはディスカウントのどちらにもなる可能性があります。

図表1:株式ETFの価格形成メカニズム

債券ETFの場合

株式の場合はミッド価格でNAVが決定されると仮定できるため、プレミアム・ディスカウントのどちらにもなると考えられますが、債券ETFの場合は異なります。図表2は債券ETFの価格形成のメカニズムを示していますが、株式との違いは債券ETFのNAVは一般的にビッド価格を用いて算出されるということです。これによって何が起こるかというと、基本的に債券ETFはプレミアムの状態が普通であるということです。図表1の株式ETFの場合と比較するとよくわかるかと思います。
そのため、債券ETFをプレミアムの状態で買い付けることに不安を覚える必要はありません。価格形成のメカニズムとしてプレミアムであることは当然なのです。

図表2:債券ETFの価格形成メカニズム

プレミアム・ディスカウントがあるETFは悪いETFなのか?

NAVまたはiNAVとの乖離が生じているETFはダメなETFなのでしょうか?そんなことはありません。NAVはバスケットの価格から算出されたETFの価格であり、一方で市場価格はバスケットの(コスト加味後の)スプレッドの内側に存在します。その意味ではプレミアム・ディスカウントが生じるのは価格形成メカニズムの概念上当然のことであり、プレミアムだから割高、ディスカウントだから割安ということはありません。むしろ、流動性のあるETFであれば、バスケットよりもスプレッドは縮小しているわけであり、たとえそのETFがプレミアムであったとしても、バスケットを購入する(バスケットのアスクで買う)よりも、ETFを市場で買い付けるほうが安く買うことが出来ますし、逆にたとえディスカウントであったとしても、バスケットを売却する(バスケットのビッドで売る)よりも高い価格でETFを売ることができます。結果としてETFは、バスケットを直接売買するよりも狭いスプレッドで同じエクスポージャーの売買を可能にしているのです。

マーケットメイカーの役割

この価格形成のメカニズムの番人がマーケットメイカーです。各国の取引所によって制度は異なりますが、ETFと原資産バスケットの裁定取引を駆使しながら価格を提示する役目を負っているのがマーケットメイカーです。流動性の低いETFでもある一定のところでそれなりの厚みを持った気配値を見つけることが出来るでしょう。流動性が低いETFにおいてもマーケットメイカーは原資産バスケットのスプレッドを参考にしながら気配値を出しているはずです。

理論と実際

一般的な理論上のETFの価格形成はここまでで述べてきたような形となります。一方で、常にこのような状態になっているかというと、もちろん一時的にしろNAVやiNAVから大きく乖離するETFの市場価格を見つけることもあります。これには、時差(NAV算出における個別銘柄の参照価格が過去のものになっている)や市場制度によるもの、裁定取引の不完全性など様々な要因があります。そのため、常にETFの市場価格は正しいので売買執行に当たっては何も考えなくていいというわけではありません。
いくらマーケットメイカーが価格を提示してくれるとしても、板をひたすらに買いあがっていくような執行方法は必ずしも最適とはいえないでしょうし、一方で、債券ETFがディスカウントになるまで待つというのもおかしな話です。 価格形成メカニズムの理解と実際の執行方法の調整は車の両輪といえます。価格形成のメカニズムを理解したうえで、状況に応じて適切な執行方法を考えましょう。

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著者

渡邊 雅史(わたなべ まさふみ)

ウィズダムツリー・ジャパン株式会社 ETFストラテジスト

アクセンチュア株式会社にて金融機関向けコンサルティング業務に携わった後、バークレイズ・グローバル・インベスターズ(現ブラックロック・ジャパン)にて、ポートフォリオマネジャー、ストラテジスト、及びETF部門専任のストラテジストを歴任。金融ベンチャー企業に参画した後、2016年よりWisdomTree JapanのETFストラテジスト。ETF市場の分析、ETFを用いた運用戦略の立案・提案業務などに携わる。
慶應義塾大学総合政策学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス修士(MBA)。
著書に『計量アクティブ運用のすべて』(金融財政事情研究会)(共著)

渡邊 雅史

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