2025年7月「銘柄ピックアップ」振り返り
2025年7月分の米国ウィークリー「銘柄ピックアップ」について掲載直前週末終値から10/24終値までの騰落率上位6銘柄のうち、AI(人工知能)インフラ・通信ネットワーク関連のシエナ(CIEN)に加え、AI半導体の高帯域幅メモリー(HBM)関連のマイクロン・テクノロジー(MU)が上位を占めた。ドローンの生産・配備加速が追い風のエアロバイロンメント(AVAV)やフィンテック関連成長株のソーファイ・テクノロジーズ(SOFI)に加え、出遅れ傾向にあった巨大ハイテク企業のアルファベット(GOOGL)やアップル(AAPL)も堅調に推移した。
2025年7月「銘柄ピックアップ」振り返り〜巨大ハイテク企業に復権の兆し
アップル逆襲のミーン・リバージョン
資産価格には、いったん大きく振れた相場が平均値へ戻ろうとする「ミーン・リバージョン(平均回帰性)」と呼ばれる習性があるとされ、相場が平均的水準から乖離した場合のリバウンドの可能性に着目した逆張り投資手法を「リターン・リバーサル」と呼ぶ。ダウ工業株30種平均の構成銘柄について四半期ごとの騰落率推移を見ると、6月末〜9月末は、それまで2四半期にわたり低迷していたアップル(AAPL)が首位。3月末〜6月末まで下位だったジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)やユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も上位となった。
6月末〜9月末に低迷した銘柄の中では、「AI(人工知能)エージェント」が堅調なセールス・フォース(CRM)や事業のスピンオフを積極化しているハネウェル・インターナショナル(HON)が注目される。
アップル逆襲のミーン・リバージョン〜前四半期騰落率低位銘柄に好機
3四半期連続で騰落率+5%超
米S&P500株価指数の構成銘柄のうち、2025年の3四半期ともに株価が5%超上昇したのは22銘柄だった。特に1Q(1-3月期)は指数自体の騰落率がマイナスとなった中、外部環境に左右されにくい実績を上げた銘柄として今後も注目される。22銘柄の事業内容は多岐にわたり、際立った傾向が見られるわけではない。それでも、ヘルスケア関連が3社、防衛・航空関連が3社、金融サービス関連が3社、IT・ソフトウエア関連が3社を占めている。今後、外部環境に大きな変化があった場合でも、これらの業種の銘柄は相対的に影響を受けにくい可能性がある。
株価上昇の継続には、事業の選択と集中などの経営改革への迅速かつ継続的な取り組みにより、利益率が持続的に改善傾向を示すことが必要だろう。
3四半期連続で騰落率+5%超〜S&P500指数構成銘柄の中に22銘柄
米国株は2025年と2018年が類似
2018年のS&P500指数についてテクニカル分析のRSI(相対力指数)およびVIX指数の推移を見ると、今年と類似点がうかがわれる。今年のS&P500指数は、2月高値から4月安値まで「相互関税ショック」を挟んで約21%下落後、関税問題の緩和や利下げ期待を背景に10/27まで史上最高値を更新。「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数は2018年、2025年ともに4月以降低下後、8月に10ポイント台で底値を付けた後で狭い値幅レンジ内で推移。
2018年はVIX指数が10月上旬から12月下旬まで上昇傾向だった。買われ過ぎ、売られ過ぎ状態を示すRSI(14日間)は、2018年、2025年ともに7〜9月に株価が上昇する中で上値抵抗ラインが下向きに推移する「ダイバージェンス(逆行)」が見られた。転換への警戒も必要だろう。
オラクルの6-8月期は確変モード〜約5年分の売上高相当の受注高を獲得
ヒンデンブルグ・オーメンが点灯
米株式市場の大幅下落の前触れとされる「ヒンデンブルグ・オーメン(ヒンデンブルグの予兆)」と呼ばれる警戒サインが話題となっている。点灯後1ヵ月間は有効とされるが、1回では「ダマシ」に終わることが多い。一方、1ヵ月以内に2回以上点灯した場合の信頼性は高まる。過去10年以内に1ヵ月で2回以上点灯した実例8回のうち、6回が売りシグナルとして機能したといわれている。一部の米現地アナリストは今月の10日と17日に点灯したとして警戒シグナルを発している。
基本的な考え方は、株価指数が上昇する中、騰落銘柄の状況を見ると高値更新銘柄と安値更新銘柄が同時に発生するといった、市場の「不健全な分裂」の異常性を可視化することにより、天井圏での内部的な弱さを見極めるものである。
ヒンデンブルグ・オーメンが点灯〜1ヵ月内に2回以上で警戒シグナルへ
金価格大幅下落が意味するもの
CMX金先物価格は、トランプ米大統領が米FRB(連邦準備理事会)のクック理事の解任を宣言した8月下旬から上昇基調を強め、10月に入ってペースが加速。上場投資信託(ETF)を通じて大量の資金が金市場に流入してきた中、米中対立再燃や米地銀信用リスク不安等の懸念が後退して反転下落し、短期間に積みあがった投機的なマネーが一気に崩れた。CMX金先物価格(期近)の10/21終値は前日比5.74%の大幅下落となった。
前日比で5%超の下落となったのは過去30年間で9回目。金はリスク回避目的で買われやすい一方、流動性危機の際に換金目的で大幅に売られる場合がある。米自動車部品メーカーや米自動車ローン会社の破綻が相次ぐ中、流動性確保の目的で売られた可能性もある。
金価格大幅下落が意味するもの〜前日比5%超下落は過去30年で9回