2025年5月「銘柄ピックアップ」振り返り
2025年5月分の米国ウィークリー「銘柄ピックアップ」について掲載直前週末終値から8/22終値までの騰落率上位6銘柄のうち、欧州を中心に主要国の国防費増額を受けて、衛星データを扱うプラネット・ラボズ(PL)に加え、防衛関連のRTX(RTX)も堅調に推移。人工知能(AI)ブームに伴う電力需要の急増を受けて、原子力発電関連のカメコ(CCJ)やヴァンエック・ウラン原子力ETF(NLR)、データセンターの光ファイバー需要に関連したコーニング(GLW)も好調だ。物品サービス税引き下げが決まったインド関連銘柄も見直し余地がある。
2025年5月「銘柄ピックアップ」振り返り〜関税交渉トランプ・ディール成果
「ソーシャル・ファイナンス」のSoFi
米フィンテック企業のソーファイ・テクノロジーズ(SOFI)が業績を拡大している。2025/12期2Q(4-6月)は、営業収益が前年同期比106%増の3.62億USD、うち預貸利鞘による純金利収益が39%増の1.93億USD、手数料収入に相当する非金利収益が359%増の1.69億USD。経費率は16.7ポイント低下の45.3%へ改善した。四半期ごとに純金利収益、非金利収益ともに拡大し、貢献利益マージンが上昇を続けた。
7/4に成立した米大型減税・歳出法により連邦学生ローンの借入限度額が厳しく設定されることから、同社の顧客ターゲットである大学院生や専門職学位取得者が教育費を賄うために民間ローンに頼るケースが増加すると見込まれる。データ駆動型リスク評価やデジタルプラットフォームの強みが発揮されると考えられる。
「ソーシャル・ファイナンス」のSoFi〜テクノロジーと顧客中心主義の融合
パランティア・テクノロジーズ
データ解析ソフトの米パランティア・テクノロジーズ(PLTR)が8/4に発表した2025年4-6月期決算は、売上高が前年同期比48%増の10.03億USD、純利益が2.4倍の3.26億USD。トランプ米政権に接近して米軍との契約を増やしているほか、民間企業向けのAI(人工知能)関連サービスが伸びたことを受け、全体の7割を占める米国売上高のうち政府向けが53%増、米民間企業向けが93%増と拡大している。
同社は技術者を客先に派遣して顧客の課題解決に伴走する、密着型販売手法をとり、単価が高く解約されにくい。米陸軍は、同社と今後10年間で最大100億USDのソフトの調達契約を結んだ模様。これまで75に分かれていた契約を同社に一本化することでコスト削減と同時に米兵がデータを扱いやすくする効果を見込む。
パランティア・テクノロジーズ〜官民一体AI推進策、米商業の伸び加速
ユナイテッドヘルス・グループ
米医療保険サービス大手ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)の株価は4/11高値から8/1安値まで約61%下落。その後、著名投資家バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイが4-6月に同社株を取得したことが報じられ、株価が上昇。
株価下落要因としては、高齢者向け公的医療保険メディケアの不正請求疑惑に関する刑事捜査が行われていると報じられたことに加え、同社が強みを持つメディケア・アドバンテージ(MA)事業で医療費率上昇に伴う業績悪化が挙げられる。さらにトランプ政権のヘルスケア政策も歳出削減や規制強化に重点が置かれ、同社に逆風だ。それでも、米ヘルスケア保険市場最大手の同社は、米国の高齢化に伴うメディケア加入者数増加の追い風が中長期的に見込まれる。
ユナイテッドヘルス・グループ〜バークシャー・ハサウェイが2Qに新規投資
米中古住宅と新築一戸建て販売
米中古住宅販売件数は価格が記録的水準にあり、借入コストも高い中、低迷が続いている。在庫は増えているものの、多くの住宅所有者は低金利で借り入れたローンを手放すことに消極的なこと、および過去数年にわたる供給不足などが住宅価格を押し上げている。
一方で、住宅建設のペースがバイデン政権下での移民流入などに伴う人口増加に追い付いておらず、住宅建設業者が新築住宅の供給を増やす動きが見られた。さらに、木材価格の安定化に伴う建設コストの一部低下や新築住宅の在庫増加に対して価格を引き下げて販売する動きもみられたことから、新築一戸建て販売の中間価格が中古住宅販売の中間価格を下回る動きがみられる。住宅建設業者に追い風となる面もあるだろう。
米中古住宅と新築一戸建て販売〜新築価格が中古価格を下回る事態へ
「NYSE FANG+指数」の動向
「NYSE FANG+指数」は、米国大手IT企業のメタ・プラットフォームズ(META)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)、ネットフリックス(NFLX)、アルファベット(GOOGL)の4社にアップル(AAPL)、マイクロソフト(MSFT)の6銘柄が原則として組み入れられ、時価総額や売上高などに基づき、残りの4銘柄が選定される。構成銘柄は四半期に一度見直しが実施され、2024年9月の銘柄入れ替え以降、エヌビディア(NVDA)、ブロードコム(AVGO)、クラウドストライクHD(CRWD)、サービスナウ(NOW)が残り4銘柄となっている。
米国内投資強化を打ち出しているアップル、ブラウザ「Chrome」関連で巨額の買収提案が報じられたアルファベット、クラウドコンピューティングが堅調なマイクロソフトは出遅れ修正の余地があろう。
「NYSE FANG+指数」の動向〜構成銘柄で出遅れキャッチアップ余地探る