“量的引き締め減速と米国株への回帰、ヒト型ロボットの新潮流”
- 3/18-19に開催された米FOMC(連邦公開市場委員会)では、パウエル米FRB(連邦準備制度理事会)議長が事前に「利下げを急がない」と述べていた通り、政策金利が据え置かれた。それでも、4月以降に米国株市場が反転上昇することを見込む上で重要な手がかりを投資家に示唆していたように思われる。FRBは、保有する米国債などの資産を圧縮する量的引き締め(QT)のペースを4月から減速すると決めた。2024年6月にも保有国債の最大の圧縮額を月600億ドルから月250億ドルに下げたが、今回はさらに月50億ドルに引き下げる。金融政策とは直接関係がないとはいえ、実質的には利下げと同様の緩和効果を持つ。
- 米国株市場における主要株価指数の3/21終値時点での昨年末来騰落率は、ダウ工業株30種平均株価が▲1.3%、S&P500指数が▲3.6%、ナスダック総合指数が▲7.9%とマイナス圏に沈むものの、投資家のリスク選好度合いが衰えているわけではない。ドイツのDAX指数は+15.0%、香港ハンセン指数は+18.1%と堅調に推移している。2023-24年まで続いた大型ハイテク銘柄と半導体銘柄を中心とした「米国一極集中」の行き過ぎに対する調整として、割安な市場へと資金が移っているだけと見るべきだろう。行き過ぎの修正がある程度進めば、投資資金は米国株市場に回帰すると考えられる。
- エヌビディア(NVDA)のジェンセン・ファンCEOが3/18、年次開発者会議「GTC」の基調講演を行った。中国の新興企業「DeepSeek」が1月に低コストで高度なAI(人工知能)モデル「R1」を開発したと報道されたことに対し、エヌビディア製の半導体の需要が伸び悩むとの見方が株式市場に広がる中、ファンCEOはこの見方を否定。AI処理を効率化するソフトウエア「ダイナモ」を使ってR1を動かす場合、GPU(画像処理半導体)の1つ当たり処理能力が30倍以上に高まると述べた。ダイナモはオープンソースとして外部に無償公開するとしており、DeepSeek型のオープンソース基盤モデルとも共存する姿勢を示したことは注目される。
- GTCでは、エヌビディアが10年近く取り組んできた「ヒト型ロボット」の新技術も公開。物をつかんだり運んだりできるロボット向け基盤モデル「アイザックグルートN1」を開発し、ロボット開発企業向けに無償公開するとしている。アマゾン・ドット・コム(AMZN)は、AIと多数のロボットを利用して在庫管理や配送を抜本的に見直し、配送コストを従来の物流施設と比較して25%低減する「次世代物流施設」を米国で既にスタートしている。同社は世界中の物流施設で次世代システムを採用する計画だ。エヌビディアからすれば、対話型が中心だったAIの裾野をロボットに広げ、計算処理に使う半導体の需要を喚起する戦略とみられる。ヒト型ロボットの普及で恩恵を受ける銘柄に注目すべき時機が到来したようだ。(笹木)
- 3/25号はアマゾン・ドット・コム(AMZN)、カーバナ(CVNA)、グラブ・ホールディングス(GRAB)、インテル(INTC)、インテュイット(INTU)、ストライド(LRN)を取り上げた。
ウィークリーストラテジー
S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄騰落率(3/21現在)
主要企業の決算発表予定
| 3月25日(火) | マコーミック |
|---|---|
| 3月26日(水) | ダラー・ツリー、ペイチェックス、シンタス |
| 3月27日(木) | ルルレモン・アスレティカ |
主要イベントの予定
| 3月24日(月) |
|
|---|---|
| 3月25日(火) |
|
| 3月26日(水) |
|
| 3月27日(木) |
|
| 3月28日(金) |
|
| 3月31日(月) |
|
- ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成
銘柄ピックアップ
アマゾン・ドット・コム(AMZN)市場:NASDAQ・・・2025/4/30に2025/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定
![]() |
|
カーバナ(CVNA)市場:NYSE・・・2025/5/1に2025/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定
![]() |
|
グラブ・ホールディングス(GRAB)市場:NASDAQ・・・2025/5/15に2025/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定
![]() |
|
インテル(INTC)市場:NASDAQ・・・2025/4/25に2025/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定
![]() |
|
インテュイット(INTU)市場:NASDAQ・・・2025/5/23に2025/7期3Q(2-4月)の決算発表を予定
![]() |
|
ストライド(LRN)市場:NYSE・・・2025/4/23に2025/6期3Q(1-3月)の決算発表を予定
(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。 |
|
- (※)決算発表の予定は現地3/21現在であり、変更される可能性があります。
過去の「銘柄ピックアップ」パフォーマンス検証






