24年11月「銘柄ピックアップ」振り返り
昨年11月分の米国ウィークリー「銘柄ピックアップ」について掲載直前週末終値から2/24終値までの騰落率上位6銘柄を見ると、シンガポールのシー(SE)やイスラエルのグローバルイー・オンライン(GLBE)など米国外中心にEコマースやフィンテック関連事業を展開する企業が上位に来た。年初以降大型ハイテク銘柄の上値が重くなる中でもアルファベット(GOOGL)やアマゾン・ドット・コム(AMZN)は堅調に推移。ウエイスト・マネジメント(WM)やザイレム(XYL)は生活に必要不可欠なインフラ関連のディフェンシブ銘柄と位置付けられる。
24年11月「銘柄ピックアップ」振り返り~海外Eコマース、生活インフラなど
パランティアとピーター・ティール
データ解析ソフトの米パランティア・テクノロジーズ(PLTR)が2/3に2024年12月期決算を発表。同社は米政府機関や米軍を顧客に持ち、ビッグデータの解析ソフトや生成AI(人工知能)を使いやすくするソフトを提供。近年はAIの普及に伴い、民間企業向けの売上高が増えている。売上高の増加とともに営業利益率も上昇する好循環から株価は上昇傾向にある。
同社の設立来会長を務めるピーター・ティール氏は決済大手ペイパルを創業。かつてテスラのイーロン・マスク氏や米ホワイトハウスの暗号資産・AI担当者デービッド・サックス氏、Eコマース向け金融サービスのアファームHDSを率いるマックス・レブチン氏など業界で名高い起業家・事業家が幹部を務めた。ティール氏は「ペイパル・マフィア」のリーダー的存在でもある。
パランティアとピーター・ティール~ペイパルマフィアのドン、影の大統領
次のマグニフィセントセブン候補
米S&P500指数構成企業のうち、2/12終値で時価総額が1兆USDを超える企業は「マグニフィセントセブン」7社の他に通信半導体のブロードコム(AVGO)と投資持株会社のバークシャー・ハサウェイ(BRKB)を加えた9社。うちマイクロソフト(MSFT)を除く8社は、2023年末からの時価総額増加率が2桁以上をキープし、成長力を維持しているものの、大型ハイテク株や半導体銘柄からの資金シフトの兆しが窺われる。
2/12終値で時価総額2000億USD以上(1兆USD未満)かつ2023年末からの時価総額増加率が10%以上のIT・ハイテク関連銘柄には、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)、ネットフリックス(NFLX)、インテュイティブ・サージカル(ISRG)、オラクル(ORCL)、IBM(IBM)、サービスナウ(NOW)などがある。。
次のマグニフィセントセブン候補~時価総額2000億ドル超で騰落率上位
1000-5000億USDの有望米企業
米国上場銘柄(ADR含む)で時価総額1兆ドルを超えるのは、2/19終値で「マグニフィセントセブン」を含む10銘柄。特定少数の大型ハイテク・半導体銘柄に買いが集中していたが、グローバル株式市場では、第2次米トランプ政権発足に伴って規制緩和を含んだ様々な政策の大幅変更を契機に、欧州株や中国ハイテク・半導体株など昨年まで相対的に出遅れた銘柄群へと資金が移行しつつある。
「1兆ドルクラブ」銘柄の上値が重くなる中で、次の1兆ドルを目指す銘柄の動きも注目される。昨年末来騰落率が20%以上のテクノロジー銘柄は、トランプ政策や生成AI(人工知能)の「DeepSeek」関連の時代の変化を追い風とする可能性が評価されている。その中でも時価総額1000~5000億ドル銘柄が注目される。
1000-5000億USDの有望米企業~次の時価総額1兆USD銘柄候補を探す
プラットフォーマーの設備投資増
メタ・プラットフォームズ(META)は2025年に人工知能(AI)関連プロジェクトに最大650億ドルを投じる計画。大規模データセンター新設やAIチーム採用拡大などに充てられる予定だ。キャッシュフロー計算書によれば、不動産・設備への純支出額が23年に270億ドル、24年に372億ドルと増加。四半期ごとの売上高比率も増加傾向にある。アルファベット(GOOGL)もデータセンターとAI向けインフラ構築の増強により25年の設備投資額を750億ドルの計画としている。同社も不動産・設備への純支出額が23年に322億ドル、24年に525億ドルと増加。四半期ごとの売上高比率も24年に上昇。
最先端AI半導体に関連したエヌビディア(NVDA)やデータセンター関連企業にとっては、引き続き追い風だろう。
プラットフォーマーの設備投資増~25年にデータセンター投資増強を加速
「DeepSeekショック」への感応度
中国新興企業「DeepSeek」が低コストで開発した生成AI(人工知能)が台頭してきたとの報道を受けて27日の米株式市場ではAIインフラ関連とされる銘柄が軒並み売られた。高性能半導体への需要減少懸念からエヌビディア(NVDA)やブロードコム(AVGO)等が大幅下落のほか、AI用データセンターによる電力需要に応えるため廃炉が決まっていた原発を再稼働させると発表したコンステレーション・エナジー(CEG)も大幅安となった。
ディフェンシブ株や消費関連株への買いのほか、AI関連投資で出遅れたアップル(AAPL)、人事・財務のAIプラットフォームを運営するワークデイ(WDAY)や保険・金融業者向けデータ分析を行うべリスク・アナリティクス(VRSK)は低コスト生成AI活用の恩恵を受けると見込まれる。
「DeepSeekショック」への感応度~ナスダック100構成銘柄で分ける明暗

