“マグニフィセント・セブン、パソコン回復、防衛関連”
- 黒澤明監督の時代劇「七人の侍」を名前の起源とする西部劇のタイトル「マグニフィセント・セブン」は、今や時価総額の大きい米国株の7銘柄を指す言葉として定着してきた。「マグニフィセント・セブン」の四半期決算発表は、30日現在でアップル(AAPL)とエヌビディア(NVDA)を残すのみだ。発表済み5銘柄のうち市場で好感されたのがマイクロソフト(MSFT)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)の2銘柄、発表後に売り優勢となったのがアルファベット(GOOGL)、メタ・プラットフォームズ(META)、テスラ(TSLA)だ。アルファベットとメタ・プラットフォームズはそれぞれ、27日終値の予想PER(株価収益率)が20.85倍、20.32倍と割安成長株として魅力的と見る余地もあろう。また、アマゾン・ドット・コムは主力のEコマース分野がコロナ禍の特需からの反動減による調整局面を経て、インフレの逆風下を利して圧倒的存在となりつつある。
- コロナ禍の特需からの反動減による歴史的不振から脱しつつある代表としてパソコン(PC)が挙げられる。半導体大手インテル(INTC)の決算発表でPC用チップ市場が歴史的な不振の最悪期を脱したとの認識が示された。調査会社IDCによれば、デスクトップ、ノートPC、ワークステーションを対象とした世界PC出荷台数は、7-9月が6820万台と前年同期比では8%減にとどまるも、対4-6月比で11%増加、対1-3月比で20%増と回復。コロナ禍において在宅勤務・在宅学習用に購入したPCに関して3年経過して買い替え需要が出始めている。インテルがノートPCで人工知能(AI)搭載ソフトを動かす半導体を開発するほか、クアルコム(QCOM)も新たなノートPC向けプロセッサーを発表。中国のレノボ・グループもAIを全ての製品やサービスに導入する「AI for ALL」を発表するなど、買い替えを促す新たな機能も注目される。
- ガザ地区におけるイスラエルとハマスを巡る情勢への不透明感・警戒感が高まってきた。イスラエルによる地上侵攻への警戒に加え、親イラン武装勢力によるシリアやイラク駐留米軍への攻撃への抑止のために米軍がイラン幹線施設を空爆。米国の主力防衛関連企業は、ロシアのウクライナへの侵攻が勃発した2022年以降、受注残が増加傾向にある。昨年受注した契約分が1年経過することで売上収益や利益への計上増加に繋がっている。
- 防衛関連企業への追い風が吹くなか、米政府は20日、イスラエルとウクライナへの軍事支援など1050億ドルを超える緊急の補正予算を発表し、議会に可決するように求めた。中国の脅威が強まるインド太平洋地域の抑止力強化も盛り込まれ、追い風が加速する可能性もあろう。他方、共和党の協力を求めるため移民対策の国境警備強化費も盛り込まれるとの観測もあり、国債需給悪化による財政赤字と長期金利上昇が懸念されよう。(笹木)
- 10/31号ではアマゾン・ドット・コム(AMZN)、ゼネラル・ダイナミクス(GD)、アルファベット(GOOGL) 、HP(HPQ) 、インテル(INTC)、RTX(RTX)を取り上げた。
ウィークリーストラテジー
S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄騰落率(10/27現在)
主要企業の決算発表予定
10月31日(火) | ONEOK、アシュラント、シーザーズ・エンターテインメント、マッチ・グループ、ペイコム・ソフトウエア、ファースト・ソーラー、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、アムコア、フランクリン・リソーシズ、ゼブラ・テクノロジーズ、ファイザー、マラソン・ペトロリアム、エコラボ、レイドス・HD、PSEG、シリウスXMHD、MSCI、アレジオン、バイオテクネ、インサイト、シスコ、グローバル・ペイメンツ、アメテック、GE HealthCare Technologies Inc、ハベル、イートン、WECエナジー・グループ、アムジェン、ザイレム、キャタピラー |
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11月1日(水) | CFインダストリーズ・HD、ホスト・ホテル・アンド・リゾート、メルカドリブレ、アフラック、マケッソン、マラソン・オイル、エジソン・インターナショナル、メットライフ、ペイパル・HD、CHロビンソン・ワールドワイド、アルベマール、APA、インガソール・ランド、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)、コグニザント・テクノロジー・ソリューションズ、エレクトロニック・アーツ、セリディアンHCMHD、アメリカン・ウォーター・ワークス、ウィリアムズ・カンパニーズ、アンシス、タイラー・テクノロジーズ、ソーラーエッジテクノロジー、クアルコム、PTC、エアビーアンドビー、エッツィ、プルデンシャル・ファイナンシャル、オールステート、モンデリーズ・インターナショナル、コルボ、ノルウェージャンクルーズライン・HD、エスティローダー、CVSヘルス、ガーミン、ベリスク・アナリティクス、アイデックスラボラトリーズ、トレイン・テクノロジーズ、TEコネクティビティ、クラフト・ハインツ、マーチン・マリエッタ・マテリアルズ、IQVIAHD、シージェン、ヤム・ブランズ、ジェネラック・HD、ナイソース、CDW、DTEエナジー、エンタジー、ヒューマナ、デュポン・ド・ヌムール |
11月2日(木) | リージェンシー・センターズ、インシュレット、コンソリデーテッド・エジソン、アトラシアン、ストライカー、SBAコミュニケーションズ、アライアント・エナジー、エクスペディア・グループ、スカイワークス・ソリューションズ、ライブ・ネーション・エンタテインメント、パラマウント・グローバル、フォーティネット、デンツプライ・シロナ、ベンタス、パイオニア・ナチュラル・リソーシズ、マイクロチップ・テクノロジー、モトローラ・ソリューションズ、ブッキング・HD、サザン、フォックス、S&Pグローバル、カミンズ、ボルグワーナー、コノコフィリップス、バクスターインターナショナル、インターコンチネンタル・エクスチェンジ、エクセロン、ゾエティス、ボール、リジェネロン・ファーマシューティカルズ、アプティブ、シールドエアー、ハンティントン・インガルス・インダストリーズ、アメリカン・エレクトリック・パワー、アップル、スターバックス、デューク・エナジー、センコーラ、ピナクル・ウエスト・キャピタル、モルソン・クアーズ・ビバレッジ、EPAMシステムズ、モデルナ、ハウメット・エアロスペース、アイアンマウンテン、クアンタ・サービシーズ、タルガ・リソーシズ、ロックウェル・オートメーション、ブロードリッジ・ファイナンシャル・ソリューションズ、テレフレックス、PPL、イーライリリー、トリンブル、NRGエナジー、パーカー・ハネフィン、マリオット・インターナショナル(メリーランド)、シグナ・グループ |
11月3日(金) | EOGリソーシズ、AES、エバーソース・エナジー、シーボー・グローバル・マーケッツ、カーディナルヘルス、ドミニオン・エナジー、チャーチ・アンド・ドワイト、ガートナー、センプラ |
11月6日(月) | バークシャー・ハサウェイ(4日)、ダイヤモンドバック・エナジー、セラニーズ、コテラ・エナジー、バーテックス・ファーマシューティカルズ、NXPセミコンダクターズ、インターナショナル・フレーバー&フレグランス |
主要イベントの予定
10月31日(火) |
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11月1日(水) |
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11月2日(木) |
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11月3日(金) |
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11月5日(日) |
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- ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成
銘柄ピックアップ
アマゾン・ドット・コム(AMZN)市場:NASDAQ・・・2024/2/2に2023/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定
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ゼネラル・ダイナミクス(GD)市場:NYSE・・・2024/1/25に2023/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定
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アルファベット(GOOGL)市場:NASDAQ・・・2024/2/2に2023/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定
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HP(HPQ)市場:NYSE・・・2023/11/22に2023/10期4Q(8-10月)の決算発表を予定
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インテル(INTC)市場:NASDAQ・・・2024/1/26に2023/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定
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RTX(RTX)市場:NYSE・・・2024/1/24に2023/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定
(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。 |
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- (※)決算発表の予定は10/27現在であり、変更される可能性があります。