“「地球沸騰化」の時代、7・8・9月相場の傾向”
- 8月が到来した。世界気象機関(WMO)とコペルニクス気候変動サービスは27日、7月の月間気温が史上最も高くなる見通しと発表。グテーレス国連事務総長は「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」と警告した。米国ではアリゾナ州フェニックスで日最高気温が華氏110度(摂氏約43.3度)以上の日が29日連続(28日時点)と記録を更新している。当ウィークリー2023年7月4日号で、「ヒートポンプ空調機」についてバイデン政権が「国防生産法(DPA)」とインフレ抑制法に基づいて生産設備の新設・増設を支援している旨に言及し、銘柄ピックアップでも空調機器メーカーのキャリア・グローバル(CARR)やトレイン・テクノロジーズ(TT)を取り上げた。
- 猛暑関連のニュースが溢れる中、考えるべきは「水不足」のリスクだろう。水不足は食品・飲料や農業における需給のひっ迫をもたらすほか、多くの水を必要とする半導体などの製造業セクターにも影響する。上下水道の機器・装置などのインフラ整備・老朽化施設の更新も必要となるだろう。人手不足が慢性化するなかで3次元(3D)のプラットフォームで配管を一元管理するようなプラットフォームの活用も求められるだろう。
- S&P500指数の季節性に関して2022年末までの20年間のデータによれば、過去20年間における月間平均騰落率の上位順ランキングは、①4月(2.27%)、②7月(2.21%)、③11月(1.76%)、④10月(1.30%)、⑤3月(0.99%)、⑥12月(0.91%)、⑦5月(0.43%)、⑧8月(0.08%)、⑨2月(▲0.04%)、⑩6月(▲0.44%)、⑪1月(▲0.47%)、⑫9月(▲0.52%)である。7月から8月そして9月の3か月間は、平均的にみれば1年の中でも「上昇→横ばい→下落」が明確に出やすい四半期となる傾向があることがわかる。今年も7月は先月末から28日終値までの騰落率が2.96%と過去の強さの実績に違わぬ堅調な上昇率を示した。
- 生成AI(人工知能)普及に伴う需要は現在、テキスト対話型AIの「ChatGPT」が先導しているが、企業の実際の利用に関してどのように使えばよいのかはっきりしないといった問題点も指摘されている。生成AIについて、医療・創薬への活用のほか、企業が独自に持つ自社データを反映し、個々の企業の要望・事業分野にフィットしたプラットフォームの需要の高まりが想定されよう。
- 米国株の当面のリスクと考えられる商業用不動産の価格動向に関して、グリーンストリート・商業用不動産価格指数(CPPI)の月次推移(前年同月比)は、テレワークに慣れた労働者の一部が出社しなくなったことを背景に今年6月で8ヵ月連続でマイナス10%超と、リーマンショック時の2008年以来の状況だ。8-9月に向けてはこの辺りの動向に要注意だろう。(笹木)
- 8/1号では、オートデスク(ADSK)、IBM(IBM)、インターデジタル(IDCC)、キューリグ・ドクターペッパー(KDP)、マテル(MAT)、ザイレム(XYL)を取り上げた。
ウィークリーストラテジー
主要企業の決算発表予定
8月1日(火) | オールステート、バーテックス・ファーマシューティカルズ、デボン・エナジー、ファーストエナジー、アフラック、アシュラント、シーザーズ・エンターテインメント、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)、ペイコム・ソフトウエア、エレクトロニック・アーツ、ステリス、ソーラーエッジテクノロジー、パイオニア・ナチュラル・リソーシズ、マッチ・グループ、スターバックス、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、モザイク、プルデンシャル・ファイナンシャル、VF、イリノイ・ツール・ワークス、ノルウェージャンクルーズラインHD、WECエナジー・グループ、メルク、マラソン・ペトロリアム、エコラボ、シリウスXMHD、ファイザー、アイデックスラボラトリーズ、レイドス・HD、スタンレー・ブラック・アンド・デッカー、IQVIAHD、モルソン・クアーズ・ビバレッジ、PSEG、インサイト、シスコ、ハウメット・エアロスペース、マリオット・インターナショナル、アメテック、リビティ、イートン、ロックウェル・オートメーション、グローバル・ペイメンツ、ガートナー、アルトリア・グループ、ゼブラ・テクノロジーズ、ジンマー・バイオメット・HD、キャタピラー |
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8月2日(水) | CFインダストリーズHD、アメレン、FMC、ホスト・ホテル・アンド・リゾート、オキシデンタル・ペトロリアム、リンカーン・ナショナル、MGMリゾーツ・インターナショナル、マケッソン、メットライフ、ペイパル・HD、アトモス・エナジー、CHロビンソン・ワールドワイド、マラソン・オイル、アルベマール、エクイニクス、インガソール・ランド、ウィリアムズ・カンパニーズ、アンシス、APA、セリディアンHCMHD、シージェン、コグニザント・テクノロジー・ソリューションズ、クアルコム、パブリック・ストレージ、エッツィ、フェア・アイザック、メルカドリブレ、クロロックス、DXCテクノロジー、コルボ、ヤム・ブランズ、フィリップス66、CVSヘルス、アメリソースバーゲン、ガーミン、エクセロン、ウォーターズ、ベリスク・アナリティクス、トレイン・テクノロジーズ、ブンゲ、クラフト・ハインツ、エマソン・エレクトリック、ボルグワーナー、ナイソース、ジェネラックHD、ジョンソンコントロールズインターナショナル、CDW、フィデリティナショナルインフォメーションサービシズ、エンタジー、ザイレム、ヒューマナ、デュポン・ド・ヌムール、 |
8月3日(木) | EOGリソーシズ、コルテバ、リージェンシー・センターズ、アムジェン、フォーティネット、アップル、エクストラ・スペース・ストレージ、レスメド、バイオ・ラッド・ラボラトリーズ、アトラシアン、アライアント・エナジー、ジェン・デジタル、ダビータ、ギリアド・サイエンシズ、アマゾン・ドット・コム、エアビーアンドビー、モトローラ・ソリューションズ、ベンタス、マイクロチップ・テクノロジー、コンソリデーテッド・エジソン、モンスター・ビバレッジ、ストライカー、ブッキングHD、ケロッグ、サザン、カミンズ、インターコンチネンタル・エクスチェンジ、ワーナーブラザース・ディスカバリー、コノコフィリップス、ボール、リジェネロン・ファーマシューティカルズ、ウエストロック、アプティブ、エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ、ハンティントン・インガルス・インダストリーズ、EPAMシステムズ、バルカン・マテリアルズ、ピナクル・ウエスト・キャピタル、モデルナ、タルガ・リソーシズ、エクスペディア・グループ、トリンブル、アイアンマウンテン、ハズブロ、テレフレックス、デンツプライ・シロナ、クアンタ・サービシーズ、センプラ、パーカー・ハネフィン、ベクトン・ディッキンソン、シグナ・グループ |
8月4日(金) | Cboe・グローバル・マーケッツ、AES、ドミニオン・エナジー、エバジー、ライオンデルバセル・インダストリーズ、PPL、(5日発表)バークシャー・ハサウェイ |
8月7日(月) | セラニーズ、パラマウント・グローバル、ONEOK、ルーシッド・グループ、コテラ・エナジー、スカイワークス・ソリューションズ、タイソン・フーズ、ビアトリス、ヘンリー・シャイン |
主要イベントの予定
8月1日(火) |
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8月2日(水) |
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8月3日(木) |
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8月4日(金) |
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8月7日(月) |
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- ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成
銘柄ピックアップ
オートデスク(ADSK)市場:NASDAQ・・・2023/8/24に2024/1期2Q(5-7月)の決算発表を予定
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IBM(IBM)市場:NYSE・・・2023/10/25に2023/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定
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インターデジタル(IDCC)市場:NASDAQ・・・2023/8/3に2023/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定
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キューリグ・ドクターペッパー(KDP)市場:NASDAQ・・・2023/10/27に2023/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定
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マテル(MAT)市場:NASDAQ・・・2023/10/25に2023/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定
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ザイレム(XYL)市場:NYSE・・・2023/8/2に2023/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定
(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。 |
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- (※)決算発表の予定は7/28現在であり、変更される可能性があります。