“FOMC前の振り返り、グロース対コモディティ、リチウム”
- 27日発表のFOMC(連邦公開市場委員会)を前に現在の状況をふり返ると以下の通りだろうか。①13日発表の6月消費者物価指数(CPI)が前年同月比9.1%上昇と約40年半ぶりの高い伸びとなり、FRB(連邦準備制度理事会)による0.75ポイントの大幅利上げ実施の可能性が高まった。②他方、1日発表のISM製造業景況指数をはじめ景気減速を示す経済指標が相次いだことに加え、6月のCPIの高い伸び率が6月中旬以降のガソリン価格下落を反映していないとの見方からインフレ・ピークアウト観測が一挙に台頭。③債券市場では2年国債が10年国債の利回りを上回る長短逆転が定着し始め、10年国債の平均期待インフレ率であるブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)も低下に転じ、10年国債利回りも下回った。④FOMCでの政策金利(FFレート誘導目標上限)を予想するCMEグループの「フェド・ウォッチ」は、24日時点で7月が8割近くの確率で0.75ポイント引上げの2.50%も、9月は5割以上が3.00%、12月が約42%の確率で3.50%となり、その後の最大確率は3.50%上限を示している。それに加え、来年3月以降は利下げを織り込む動きも出始めた。
- 19日発表の動画配信ネットフリックス(NFLX)の22年4-6月決算は、6月末世界会員数が3ヵ月前より減少したものの、減少人数が事前予想の半分未満、かつ9月末は6月末から増加見通しを示したことから株価は反転上昇の兆しを示した。インフレ・ピークアウト見通しから10年国債利回りが22日に2.75%まで低下。先行して売られたグロース銘柄、または大型ハイテク株が決算次第で反転上昇しやすい環境が整ってきた面があろう。
- 需要の減速からのインフレ・ピークアウト観測の一方、原油やガソリン、小麦などはロシアのウクライナ侵攻直後の急騰に対する調整局面との見方も少なくない模様だ。現に、中長期のバリュー投資に定評がある投資家のウォーレン・バフェット氏は7月に入っても石油・ガス大手オキシデンタル・ペトロリアム(OXY)の株式買い増しを継続し、7日時点で同社への株式保有比率が18.7%に達した。コモディティ関連は押し目買いの時機かもしれない。
- 中国ゼロコロナ政策も加わったことから足元では大半のコモディティ相場が短期的な下落に見舞われるなか、電気自動車(EV)のリチウムイオン2次電池の正極材に不可欠なリチウムは殆ど値下がりしていない。高コストのコバルトなどを使わない正極材の普及からEVの低価格化が進んでおり、ブルームバーグNEFが6月に公表した長期EV見通しでは、EV販売が25年までに現在から3倍以上に増えるとしている。リチウム生産首位のアルベマール(ALB)やグローバルXリチウム&バッテリーテクノロジーETF(LIT)は注目されよう。(笹木)
- 7/26号では、アメリカン・エキスプレス(AXP)、ダナハー(DHR)、HCAヘルスケア(HCA)、IBM(IBM)、インテュイティブサージカル(ISRG)、ロッキード・マーチン(LMT)を取り上げた。
ウィークリーストラテジー
S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄の騰落率(7/22現在)
主要企業の決算発表予定
7月26日(火) | アイデックス、チャブ、UDR、テキサス・インスツルメンツ、ビザ、ファーストエナジー、マイクロソフト、テラダイン、アメリプライズ・ファイナンシャル、エンフェーズ・エナジー、チポトレ・メキシカン・グリル、ストライカー、モンデリーズ・インターナショナル、キンバリー・クラーク、ゼネラル・エレクトリック(GE)、エコラボ、パルトグループ、コーニング、パッカー、マクドナルド、MSCI、コカ・コーラ、ムーディーズ、レイセオン・テクノロジーズ、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド、アルファベット、ファイサーブ、ペンテア、3M、センティーン、ゼネラル・モーターズ(GM)、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS) |
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7月27日(水) | レイモンド・ジェームズ・ファイナンシャル、モリーナ・ヘルスケア、エベレスト・リー・グループ、ホロジック、ラムリサーチ、コグニザント・テクノロジー・ソリューションズ、アライン・テクノロジー、シンシナティ・ファイナンシャル、サービスナウ、タイラー・テクノロジーズ、CHロビンソン・ワールドワイド、エクイニクス、メタ・プラットフォームズ、フォーチュン・ブランズ・ホーム&セキュリティ、アメリカン・ウォーター・ワークス、クアルコム、PTC、グローブライフ、ユナイテッド・レンタルズ、エッツツィ、オライリー・オートモーティブ、フォード・モーター、ラム・ウェストンHD、アンフェノール、CMEグループ、ジェニュイン・パーツ、オートマチック・データ・プロセシング(ADP)、ヒルトン・ワールドワイドHD、シャーウィン・ウィリアムズ、オールド・ドミニオン・フレイト・ライン、ローリンズ、TEコネクティビティ、ボーイング、ノーフォーク・サザン、クラフト・ハインツ、ガーミン、ブリストル マイヤーズ スクイブ、ウエイスト・マネジメント、ボストン・サイエンティフィック、アメリカン・エレクトリック・パワー、ヘス、オーチス・ワールドワイド、ロックウェル・オートメーション、ゼネラル・ダイナミクス、インベスコ、TモバイルUS、テレダイン・テクノロジーズ、エイブリィ・デニソン、ヒューマナ |
7月28日(木) | エジソン・インターナショナル、アップル、セラニーズ、デクスコム、KLA、インテル、アーサー・J・ギャラガー、シージェン、エドワーズライフサイエンス、バイオ・ラッド・ラボラトリーズ、エバーソース・エナジー、アマゾン・ドット・コム、L3ハリス・テクノロジーズ、イーストマン・ケミカル、VF、ベリサイン、CMSエナジー、フランクリン・リソーシズ、サザン、メルク、バレロ・エナジー、ファイザー、スタンレー・ブラック・アンド・デッカー、バクスターインターナショナル、インターナショナル・ペーパー、シリウスXMHD、アレジオン、ハネウェルインターナショナル、キャリア・グローバル、エクセル・エナジー、LKQ、ハーシー、ティー・ロウ・プライス・グループ、コムキャスト、ノースロップ・グラマン、テキストロン、マスコ、サーモフィッシャーサイエンティフィック、キューリグ・ドクターペッパー、ウィリス・タワーズ・ワトソン、アメリカン・タワー、A.O.スミス、マスターカード、フォーティブ、テレフレックス、アルトリア・グループ、DTEエナジー、マーチン・マリエッタ・マテリアルズ、ラボラトリー・コープ・オブ・アメリカHldg、ウエスト・ファーマシューティカル・サービシズ、サウスウエスト航空、Linde PLC |
7月29日(金) | WWグレンジャー、エクソンモービル、アストラゼネカ、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、フィリップス66、Cboe・グローバル・マーケッツ、チャーチ・アンド・ドワイト、ウェアーハウザー、チャーター・コミュニケーションズ、メトラー・トレド・インターナショナル、シェブロン、アッヴィ、コルゲート・パルモリーブ、ライオンデルバセル・インダストリーズ、ニューウェル・ブランズ、エーオン |
8月1日(月) | CF、インダストリーズ・HD、デボン・エナジー、アリスタネットワークス、アクティビジョン・ブリザード、ダイヤモンドバック・エナジー、SBAコミュニケーションズ、モザイク、モノリシック・パワー・システムズ、ウィリアムズ・カンパニーズ・゙ビータ、アフラック、ロウズ、グローバル・ペイメンツ、オン・セミコンダクター |
主要イベントの予定
7月26日(火) | 米FOMC(27日まで)、IMFによる最新の世界経済見通し(WEO)、主要20都市住宅価格指数(5月)、FHFA住宅価格指数(5月)、消費者信頼感指数(7月)、新築住宅販売件数(6月) |
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7月27日(水) | 米FOMC声明発表・FRB議長記者会見、耐久財受注(6月)、中古住宅販売成約指数(6月) |
7月28日(木) | 米新規失業保険申請件数(7月23日終了週)、米GDP(2Q速報値) |
7月29日(金) | 米個人支出・個人所得 (6月)、雇用コスト指数(2Q)、ミシガン大学消費者マインド指数・改定値(7月)、シカゴ製造業景況指数(7月) |
8月1日(月) | S&Pグローバル製造業PM確定値I(7月)、建設支出(6月)、ISM製造業景況指数(7月) |
- ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成
銘柄ピックアップ
アメリカン・エキスプレス(AXP)市場:NYSE・・・2022/10/21に2022/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定
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ダナハー(DHR)市場:NYSE・・・2022/10/21に2022/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定
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HCAヘルスケア(HCA)市場:NYSE・・・2022/10/21に2022/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定
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IBM(IBM)市場:NYSE・・・2022/10/18に2022/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定
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インテュイティブサージカル(ISRG)市場:NASDAQ・・・2022/10/19に2022/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定
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ロッキード・マーチン(LMT)市場:NYSE・・・2022/10/26に2022/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定
(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。 |
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- (※)決算発表の予定は7/22現在であり、変更される可能性があります。