3月FOMC前、売られ過ぎグロースにもチャンスか?
- 1月25・26日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で、利上げのペースとFRBのバランスシート縮小開始の時期に関する見通しは市場が期待したほど明瞭なものではなかった。3月以降、年内にFOMCは7回実施される予定であるなか、利上げ回数についてバンク・オブ・アメリカは年内に7回の0.25ポイントの利上げを実施するとの見方を示したほか、BNPパリバが最大6回と軒並み利上げ回数を引き上げた。
- 21日のネットフリックス(NFLX)株価急落で懸念された大手ハイテク・ITプラットフォーマーの決算発表後の市場の反応については、マイクロソフト(MSFT)とアップル(AAPL)が好決算に加えて楽観的な先行き見通しを示したことで、乱高下する株式相場が少しずつ落ち着きを取り戻しつつある。2/1のアルファベット(GOOGL)、2日のメタ・プラットフォームズ(FB)、3日のアマゾン・ドット・コム(AMZN)の決算発表とその後の株価動向が当面の大きなヤマ場と言えるかもしれない。その辺りを波乱なく通過すれば、4日から20日までは北京冬季五輪が開催されることもあり、ロシアのウクライナ侵攻に向けた緊張も一時的に緩む可能性もあるだろう。3月のFOMCが近づくまでの暫くの間、相場がある程度まで戻り、上昇を演じる余地もあるのかもしれない。
- 先週号(2022年1月25日号)で、ITバブルのピーク直後の2000年3月末から3年間におけるS&P500構成銘柄で、現在も上場している企業における値上がり率上位10銘柄および値上がり率を紹介した。前回に引き続いて11位から20位までを紹介すると、⑪大手格付け機関のムーディーズ(MCO)で121%、⑫住宅建設のKBホーム(KBH)で118%、⑬小切手印刷とその関連のデラックス(DLX)で117%、⑭金融サービス会社のH&Rブロック(HRB)で105%、⑮医療器具メーカーのボストン・サイエンティフィック(BSX)で101%、⑯エネルギー・公益の PPL(PPL)で90%、⑰ヘルスケア関連のカーディナルヘルス(CAH)で88%、⑱エネルギーインフラなど技術製品のITT(ITT)で76%、⑲トラックメーカーのパッカー(PCAR)で75%、⑳整形移植関連製品メーカーのジンマー・バイオメットHD(ZBH)で75%である。
- また、S&P500構成銘柄で1/28終値かつ直近の実績ベースでのPER(株価収益率)が10倍未満の銘柄の中には、大手銀行、化学のダウ(DOW)
や自動車のゼネラル・モーターズ(GM)、通信キャリアのAT&T(T)やベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)といった伝統ある大型株だけでなく、新型コロナワクチン開発のモデルナ(MRNA)も含まれている。売られ過ぎのグロース株の中には買いチャンスとみられる銘柄が転がっているのかもしれない。(笹木)
- 2/1号では、コムキャスト(CMCSA)、ダウ(DOW)、ダヴィータ(DVA)、ニューモント(NEM)、フィリップス66(PSX)、ヤム!ブランズ(YUM)を取り上げた。
ウィークリーストラテジー
S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(1/28現在)
主要企業の決算発表予定
2月1日(火) | アルファベット、マッチ・グループ、ペイパルHD、チャブ、パーキンエルマー、エレクトロニック・アーツ、スターバックス、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、ギリアド・サイエンシズ、Amcor PLC、ゼネラル・モーターズ(GM)、フランクリン・リソーシズ、エクソンモービル、スタンレー・ブラック・アンド・デッカー、パルトグループ、バイオテクネ、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)、ウォーターズ、シリウスXMHD、キャタレント、ペンテア、ブロードリッジ・ファイナンシャル・ソリューションズ、NVR |
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2月2日(水) | リンカーン・ナショナル、ボストン・サイエンティフィック、メタ・プラットフォームズ、グローブライフ、Corteva Inc、コグニザント・テクノロジー・ソリューションズ゙、フォーチュン・ブランズ・ホーム&セキュリティ、メットライフ、ホロジック、マケッソン、クアルコム、オールステート、DX、テクノロジー、アフラック、TモバイルUS、アライン・テクノロジー、コルボ、ハウメット・エアロスペース、エイブリィ・デニソン、ヒューマナ、マラソン・ペトロリアム、DRホートン、アイデックス、アメリソースバーゲン、エマソン・エレクトリック、オールド・ドミニオン・フレイト・ライン、アッヴィ、ウエイスト・マネジメント、サーモフィッシャーサイエンティフィック、CHロビンソン・ワールドワイド、アイデックスラボラトリーズ、ジョンソンコントロールズインターナショナル、ローパーテクノロジーズ |
2月3日(木) | フォーティネット、ノートンライフロック、アクティビジョン・ブリザード、プルデンシャル・ファイナンシャル、ハートフォード・ファイナンシャル・サービシズ、アマゾン・ドット・コム、ニューズ・コーポレーション、スカイワークス・ソリューションズ、マイクロチップ・テクノロジー、クロロックス、フォード・モーター、WWグレンジャー、ラルフローレン、イリノイ・ツール・ワークス、WECエナジー・グループ、ペン・ナショナル・ゲーミング、ザイレム、シグナ、エスティローダー、メルク、インターコンチネンタル・エクスチェンジ、コノコフィリップス、カミンズ、カーディナルヘルス、ウエストロック、ベクトン・ディッキンソン、ハーシー、イーライリリー、バイオジェン、フォーティブ、スナップオン、クエスト・ダイアグノスティクス、CMSエナジー、ハネウェルインターナショナル、アビオメッド、アメテック、アプティブ、パーカー・ハネフィン |
2月4日(金) | リジェネロン・ファーマシューティカルズ、エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ、Aon PLC、イートン、ブリストルマイヤーズ スクイブ |
2月7日(月) | テイクツー・インタラクティブ・ソフトウエア、プリンシパル・ファイナンシャル・グループ、アムジェン、ジンマー・バイオメットHD、ハズブロ、タイソン・フーズ、ロウズ |
主要イベントの予定
2月1日(火) |
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2月2日(水) |
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2月3日(木) |
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2月4日(金) |
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2月7日(月) |
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- ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成
銘柄ピックアップ
コムキャスト(CMCSA)市場:NASDAQ・・・2022/4/29に2022/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定
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ダウ(DOW)市場:NYSE・・・2022/4/21に2022/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定
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ダヴィータ(DVA)市場:NYSE・・・2022/2/10に2021/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定
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ニューモント(NEM)市場:NYSE・・・2022/2/24に2021/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定
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フィリップス66(PSX)市場:NYSE・・・2022/4/29に2022/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定
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ヤム!ブランズ(YUM)市場:NYSE・・・2022/2/9に2021/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定
(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。 |
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- (※)決算発表の予定は1/28現在であり、変更される可能性があります。