“NFLXショック、ITバブル後3年間値上がり率上位銘柄”
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1月17-21日は、誰もが米国株式市場の変質を感じたのではないだろうか。長期金利上昇で株式が売られても、上昇が一服すればグロース株への押し目買いが入り、グロース株が売られてもバリューや景気敏感株が上昇するといった物色の循環が見られなくなった。特に21日のネットフリックス(NFLX)は新規契約者数の伸び悩む見通しが嫌気されたとはいえ、終値が前日比20%を超える大きな下落となったのは市場を驚かせた。米上院司法委員会でIT大手の自社優遇禁止法案が可決されたこともあり、これから決算発表される巨大テック企業に対しても市場の目は厳しくなると予想される。
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プロクター・アンド・ギャンブル(PG)、ファイザー(PFE)やジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)といったディフェンシブ銘柄、金利上昇時の預貸利鞘拡大が見込まれるウエルス・ファーゴ(WFC)は、低PERや高配当といったバリュー面からも優位性が増す局面と言えそうだ。また、テクノロジー関連でも、半導体で受託生産拡大方針のインテル(INTC)、クラウドサービスのハイブリッド化への対応を進めてきたIBM(IBM)やハイブリッド・クラウドでネットワーク・スイッチ切替えの役割が増しやすいシスコシステムズ(CSCO)などが注目される。
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世界経済の全般的な商品価格動向とインフレを示す先行指標の「S&P
GSCIトータルリターン指数」の対S&P500指数の倍率は、ITバブル崩壊後の2002年頃からリーマンショック直前の2008年半ば頃まで上昇。同倍率は歴史的最低水準近辺にあり、インフレ局面でのコモディティ価格高騰が示唆される。フリーポート・マクモラン(FCX)のような資源株、穀物商社のアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)、鉄鋼株のニューコア(NUE)も要注目。
- Bloombergによれば、ITバブルのピーク直後の2000年3月末から3年間におけるS&P500構成銘柄で、現在も上場している企業における値上がり率上位10銘柄および値上がり率は、以下の通り。 ①金属・プラスチックメーカーのボール(BLL)で253%、 ②教育ローン・サービスのSLM(SLM)で226%、③ヘルスケア・管理医療サービスのユネイテッド・ヘルス・グループ(UNH)で220%、④総合エネルギー会社のエンタジー(ETR)で170%、⑤自動車専門部品のオートゾーン(AZO)で152%、⑥ 公益事業会社のサザン(SO)で150%、⑦建設会社のパルトグループ(PHM)で148%、⑧防衛用航空機メーカーのロッキード・マーチン(LMT)で135%、⑨ 保険会社のプログレッシブ・コープ(PGR)で128%、⑩ 玩具メーカーのマテル(MAT)で122%である。今回の銘柄ピックアップは、これらの上位10銘柄も含め、同条件で上位30銘柄の中から取り上げている。(笹木)
- 1/25号では、ボストン・サイエンティフィック(BSX)、H&Rブロック(HRB)、ロッキード・マーチン(LMT)、マテル(MAT)、サザン(SO)、ジンマー・バイオメット・ホールディングス(ZBH)を取り上げた。
ウィークリーストラテジー
S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(1/21現在)
主要企業の決算発表予定
1月25日(火) | F5、3M、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド、アメリカン・エキスプレス、インベスコ、キャピタル・ワン・ファイナンシャル、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、ゼネラル・エレクトリック(GE)、テキサス・インスツルメンツ、ネクステラ・エナジー、パッカー、ベライゾン・コミュニケーションズ、マイクロソフト、レイセオン・テクノロジーズ、ロッキード・マーチン |
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1月26日(水) | AT&T、PTC、Seagate Technology Holdings PL、TEコネクティビティ、アボットラボラトリーズ、アメリプライズ・ファイナンシャル、アンセム、アンフェノール、インテル、エドワーズライフサイエンス、オートマチック・データ・プロセシング(ADP)、キンバリー・クラーク、クラウン・キャッスル・インターナショナル、コーニング、サービスナウ、ザイリンクス、ゼネラル・ダイナミクス、テスラ、テラダイン、ナスダック、ノーフォーク・サザン、バーテックス・ファーマシューティカルズ、パッケージング・コープ・オブ・アメリカ、フリーポート・マクモラン、プログレッシブ・コープ、ヘス、ボーイング、マーケットアクセス・ホールディングス、ユナイテッド・レンタルズ、ラスベガス・サンズ、ラムリサーチ、レイモンド・ジェームズ・ファイナンシャル、ローリンズ、ワールプール |
1月27日(木) | A.O.スミス、HCAヘルスケア、KLA、MSCI、WRバークレー、アーサー・J・ギャラガー、アップル、アトラシアン、アラスカ・エア・グループ、アルトリア・グループ、イーストマン・ケミカル、インターナショナル・ペーパー、ウエスタンデジタル、エクセル・エナジー、コムキャスト、サウスウエスト航空、シャーウィン・ウィリアムズ、ジュニパーネットワークス、ストライカー、セラニーズ、ダウ、ダナハー、ティー・ロウ・プライス・グループ、テキストロン、テレダイン・テクノロジーズ、トラクター・サプライ、ニューコア、ノースロップ・グラマン、バレロ・エナジー、ビザ、ボール、マーシュ・アンド・マクレナン、マクドナルド、マコーミック、マスターカード、モンデリーズ・インターナショナル、レスメド、ロックウェル・オートメーション |
1月28日(金) | チャーター・コミュニケーションズ、VF、コルゲート・パルモリーブ、フィリップス66、チャーチ・アンド・ドワイト、ウェアーハウザー、シンクロニー・ファイナンシャル、キャタピラー、シェブロン、ライオンデルバセル・インダストリーズ |
1月31日(月) | NXPセミコンダクターズ、トレイン・テクノロジーズ、L3ハリス・テクノロジーズ、オーチス・ワールドワイド |
主要イベントの予定
1月25日(火) |
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1月26日(水) |
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1月27日(木) |
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1月28日(金) |
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1月31日(月) |
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- ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成
銘柄ピックアップ
ボストン・サイエンティフィック(BSX)市場:NYSE・・・2022/2/2に2021/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定
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H&Rブロック(HRB)市場:NYSE・・・2022/2/1に2022/6期2Q(10-12月)の決算発表を予定
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ロッキード・マーチン(LMT)市場:NYSE・・・2022/1/25に2021/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定
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マテル(MAT)市場:NASDAQ・・・2022/2/10に2021/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定
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サザン(SO)市場:NYSE・・・2022/2/17に2021/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定
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ジンマー・バイオメット・ホールディングス(ZBH)市場:NYSE・・・2022/2/7に2021/12期1Q(10-12月)の決算発表を予定
(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。 |
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- (※)決算発表の予定は1/21現在であり、変更される可能性があります。