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11/3発表の日経トレンディの2021年ヒット商品ベスト30で今年のヒット商品第1位に「TikTok売れ」が選ばれた。音楽に合わせて動画を投稿するTikTokは若者を中心に人気を集め、動画コマースサービスへ進化。動画内で紹介された様々な商品が売れた。TikTokは今年7月に世界累計総ダウンロード数が30億台、今年4-6月期のTikTokユーザー支出額が前四半期比39%増の約5.35億ドルに達した。
TikTokの消費支出への影響力を背景に、ECプラットフォームのショッピファイ(SHOP)がTikTokとの提携を拡大中だ。
今年ヒット商品首位「TikTok売れ」〜ECプラットフォームもTikTok連携強化
米主要企業7-9月期決算状況〜半導体不足や費用増への対応で格差あり
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11/10発表の10月の米消費者価格指数は、食品とエネルギーを除いたコア指数が前年同月比で4.6%上昇と1991年8月以来の大幅な伸びとなったほか、クレジットカードなど個人向け信用供与の残高を示す米消費者信用残高の9月(11/5発表)は、前月比8.3%増の4兆3,764億ドルと高い伸びを示すなど、旺盛な消費マインドが戻っていることがうかがえた。
一方で、主要クレジットカード会社および決済サービス大手ペイパルHD(PYPL)の株価は、融資利鞘収入の比率が高いアメリカン・エキスプレス(AXP)を除けば今夏以降に調整下落。ペイパルはイーベイ(EBAY)の自社決済移行が響いたが、決済手数料依存度が高いマスターカード(MA)やビザ(V)はインフレの消費への悪影響が懸念されている模様だ。
クレジットカード・決済大手の動向〜株価はアメックス除いて今夏から下落
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10/25にフェイスブック改めメタ・プラットフォームズ(FB)、26日にアルファベット(GOOGL)、28日にアップル(AAPL)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)の7-9月期決算が発表された。フェイスブックは広告事業がアップルのプライバシー規制強化による逆風を受けた。アマゾンはEコマースの巣籠り特需の反動減のほか労働力不足の制約を受けた。アップルも半導体不足による売上機会逸失が響いた。一方で、アルファベットは主力の検索連動広告がプライバシー規制の影響を受けにくかったことから堅調な業績を示した。
株価終値の200日移動平均からのプラス乖離率(11/29)は、メタが3%、アマゾンが6%、アルファベットが14%、アップルが16%。乖離率ゼロ近辺に近づく際の押し目買いが機能し易い面はあろう。
GAFA株価の割高感は解消か?〜FBとAMZNは200日移動平均の攻防
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アップル(AAPL)の10/28発表の2021年7-9月期決算は、売上高が前年同期比29%増と7-9月期では過去最高となったものの、半導体不足に伴う供給制約による売上機会の逸失額が約60億ドルに達したため、市場予想に届かなかった。
中長期投資では、主力のiPhone以外の成長がポイントとなるなか、四半期ごと製品・サービス別推移では、iPadやMacについても半導体不足による製造への影響が指摘される一方で、Macは自社開発の半導体チップの投入効果によりハードでiPhoneに次ぐ売上高に達した。その他では、アプリに係るサービス部門がコロナ禍以降に増収ペースを加速しており、株価上昇への寄与が期待される。「アップル税」と言われて批判が高まるアプリ課金方法の改善が今後の鍵を握ろう。
アップルの製品別売上高の推移〜iPhone以外が鍵。サービス部門に注目
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アマゾン・ドット・コム(AMZN)の10/28発表の2021年7-9月期決算は、インターネット通販事業が減速する中で世界的なサプライチェーン混乱への対応でコストが嵩んだことが響き、純利益が前年同期比50%減だった。これを受けて翌29日には株価が下落したものの、その後の株価は戻り基調となっている。
四半期ごと推移では、営業キャッシュフロー(CF)がオンライン店舗事業や第三者セラー向けなどEコマース関連収益に連動して軟調に推移。その一方、クラウドコンピューティングのAWS(アマゾン・ウエブ・サービス)事業、アマゾン・プライム・ビデオなどに係るサブスクリプション事業、およびネット広告を中心とするその他事業が急成長しており、足元の業績に関わらず期待を高めやすい面があろう。
アマゾン・ドット・コムの事業構成〜AWS・サブスクリプション・その他が伸長
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