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7-9月期決算発表開始〜粗利率・販管費率に注目

2021/10/12
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

7-9月期決算発表開始〜粗利率・販管費率に注目

  • 今週から主要米企業の2021年3Q(7-9月期)決算発表が始まる。10/8付けのファクトセットの調査レポート(Earnings Insight)によれば、S&P500構成企業における純利益の増益率(前年同期比)の市場予想は27.6%である。前年同期のパンデミックによる落ち込みが大きかった2Q(4-6月期)には及ばないものの、四半期では2010年以降で3番目の高さに相当する水準であるほか、6月末時点の市場予想24.2%から上方修正もされている。
  • 企業利益は一般に収入から費用を引いて求められることから、企業が増益率を高めるためには費用の増加率を抑えつつ増収率を高めていくことが必要である。その状況は企業決算上で売上総利益(粗利益)の売上高に対する比率である「粗利率」、および販売管理費の売上高に対する比率である「販管費率」などの推移に表れやすい。現在、企業収益を取り巻く環境は、(1)エネルギー費用やその他コモディティ相場の高騰に伴う仕入れコスト上昇、(2)サプライチェーン混乱に伴う輸送・物流コストの上昇や入荷遅延、(3)求人に対して雇用が回復せずに労働需給がひっ迫することに伴う人件費の上昇といった「三重苦」のコスト上昇要因を抱えており、特に年末商戦を稼ぎ時とする小売りなど消費関連企業にとっては、どうやってコスト増を吸収するのかが悩みの種になっていると推察される。
  • 投資の観点からは、JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー(JPM)ゴールドマン・サックス・グループ(GS)など金利上昇の恩恵を受けやすい金融関連、エクソンモービル(XOM)シェブロン(CVX)などエネルギー関連のほか、高いブランド力があることからコスト増を値上げで容易に吸収できるだけの価格支配力を有する企業は相対的に有利だろう。
  • また、クラウド・コンピューティングなどのデジタル領域を事業の主な分野とするIT・クラウドサービスその他テクノロジー関連企業は、デジタルの基盤となるデータセンターなどを動かす半導体も世界的供給不足の解消に時間がかかる見通しであるものの、物理的な「モノ」の費用や供給制約の影響を受けにくい面があるだろう。大手小売り企業の中では、コストコ・ホールセール(COST)のように、粗利益の源泉を会費収入として売値のマージンを気にしなくて済む企業が相対的に優位となる面もあるかも知れない。
  • 3Qおよび4Q(10-12月)に向けての企業決算では、増収率で成長性を見ていくだけでなく、粗利率や販管費率で利益率の状況を見ていくことがより重要になってくると言えるだろう。(笹木)
  • 10/12号では、フレッシュペット(FRPT)グローバル・ペイメンツ(GPN)ゴールドマン・サックス・グループ(GS)マクサー・テクノロジーズ(MAXR)McAfee Corp(MCFE)エクソンモービル(XOM)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(10/8現在)

主要企業の決算発表予定

10月12日(火) ファスナル
10月13日(水) デルタ航空、ファースト・リパブリック・バンク、ブラックロック、JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー
10月14日(木) シティグループ、モルガン・スタンレー、ドミノ・ピザ、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス、プログレッシブ・コープ、ユナイテッドヘルス・グループ、USバンコープ、ウェルズ・ファーゴ、バンク・オブ・アメリカ
10月15日(金) ゴールドマン・サックス・グループ、チャールズ・シュワブ、トゥルイスト・ファイナンシャル、プロロジス、JBハント・トランスポート・サービシズ、PNCファイナンシャル・サービシズ・グループ
10月18日(月) ZBナショナル・アソシエーション、ステート・ストリート

主要イベントの予定

10月12日(火)
  • IMF世界経済見通し、アトランタ連銀総裁講演(オンライン)、「グーグル・クラウド・ネクスト」会合(14日まで)、ブルーオリジンのロケット打ち上げ
  • 求人件数(8月)
10月13日(水)
  • FOMC議事要旨(9月21、22日開催分)、クオールズ氏のFRB副議長(銀行監督担当)としての任期終了、G20財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン)、OPEC月報
  • CPI(9月)
10月14日(木)
  • アトランタ連銀総裁・リッチモンド連銀総裁・フィラデルフィア連銀総裁の講演、食品医薬品局(FDA)諮問委員会でモデルナ製とJ&J製ワクチンのブースター接種巡り会合(15日まで)、国際エネルギー機関(IEA)月報
  • 新規失業保険申請件数(9日終了週)、PPI(9月)
10月15日(金)
  • 財務省の半年次為替報告書の議会への提出期限
  • ニューヨーク連銀製造業景況指数(10月)、輸入物価指数(9月)、小売売上高(9月)、企業在庫(8月)、ミシガン大学消費者マインド指数(10月)
10月18日(月)
  • 鉱工業生産(9月)、NAHB住宅市場指数(10月)、月次財政収支(9月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

フレッシュペット(FRPT)市場:NASDAQ・・・2021/11/2に2021/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 2004年設立のペットフードメーカー。犬や猫の健康のため保存料、添加物、人工成分を使用しない自然で新鮮な素材で、低温加熱で栄養価を損なわず調理した冷凍食品やおやつを製造・販売。
  • 8/2発表の2021/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比35.8%増の1.08億USD、Non-GAAPの調整後EBITDAが同2.9%減の1,087万USD。ブランド浸透に伴う成長拡大の一方、材料となるビーフの費用増、生産能力拡大や物流費用が嵩んだために調整後の粗利率や営業利益率などは低下。
  • 通期会社計画は、売上高を前期比40%増の4.45億USD(従来計画4.30億USD)へ上方修正だが、調整後EBITDAを同30%増の6,100万USDと従来計画から据え置き。業界団体の推定で全米世帯の約6割の8千万世帯で犬猫が飼育されており、その内、同社製品利用は300万世帯にとどまる。犬や猫は特定の餌ブランドからの変更を嫌がる傾向があり、ブランド力強化への投資拡大が鍵を握ろう。

グローバル・ペイメンツ(GPN)市場:NYSE・・・2021/10/29に2021/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1967年設立の決済技術企業。企業向け「マーチャントソリューション」、カード発行に係る「発行者ソリューション」、銀行口座不足対応の「ビジネス&消費者ソリューション」の3事業セグメントを営む。
  • 8/2発表の2021/12期2Q(4-6月)は、営業収益が前年同期比27.8%増の21.37億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同52.9%増の6.03億USD。主力のマーチャントソリューション事業は、売上高が同42.5%増、営業利益が同2.5倍と業績を牽引。買収や提携などによる外部成長が業績拡大に貢献。
  • 通期会社計画を上方修正。調整後売上高を前期比14-15%増の77.0-77.3億USD(従来計画75.5-76.25億USD)、調整後EPSを同26-28%増の8.07-8.20USD(同7.87-8.07USD)とした。同社は2019年に同業トータルシステムを215億USDで買収。世界の金融機関1,300社および350万件超のマーチャント(卸売・小売業者)が決済ソリューション提供先となるなど事業基盤を拡大した効果が表れ始めた。

ゴールドマン・サックス・グループ(GS)市場:NYSE・・・2021/10/15に2021/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1869年創業の世界有数の金融機関。「投資銀行部門」やトレーディング事業が主力の「グローバル市場部門」のほか、「資産運用部門」、「コンシューマー&ウエルスマネジメント部門」などを展開。
  • 7/13発表の2021/12期2Q(4-6月)は、純営業収益が前年同期比15.7%増の153.88億USD、純利益が同27倍の53.47億USD。マレーシア政府系ファンド「1MDB」の汚職を巡るマレーシア政府への39億USD罰金払いを前年同期に計上した反動増で大幅増益。前四半期比では純営業収益が4.3%減。
  • 2021/12通期会社計画は非公表。2Q純営業収益の前四半期比では、金融市場のボラティリティ低下を背景にグローバル市場部門が同35.4%減と、全体の収益拡大への重しとなっている。その一方、FRBによるテーパリング開始観測や米国経済のインフレ懸念の高まりに伴って長期金利が上昇する見通しの下では、2Qの純営業収益構成比が11%を占める純金利収益の拡大が期待されよう。

マクサー・テクノロジーズ(MAXR)市場:NYSE・・・2021/11/5に2021/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 2017年にデジタルグローブとMDAの合併で設立された衛星通信サービス会社。地理空間情報に係る地球インテリジェンス事業、および宇宙探査・開発に係る宇宙インフラストラクチャ事業を営む。
  • 8/4発表の2021/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比7.7%増の4.73億USD、Non-GAAPの調整後EBITDAが同4.3%減の1.32億USD。宇宙インフラ事業が増収に貢献した一方、地球インテリジェンス事業における一部の前受収益に係る収益認識時期が延びた影響で調整後EBITDA減益となった。
  • 通期会社計画は、売上高が前期比0.4-5.0%増の17.30-18.10億USD、調整後EBITDAが同▲7.6-4.3%増の3.90-4.40億USDと従来計画を据え置いた。米政府による有人宇宙飛行計画「アルテミス計画」が2024年の有人月面着陸を目標とするなか、同社はNASAにより月軌道プラットフォーム・ゲートウェイの電力・エネルギー装置のプロバイダーに選出されるなど重要な役割を果たすと期待される。

McAfeeCorp(MCFE)市場:NASDAQ・・・2021/11/19に2021/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1987年設立後、インテル(INTC)による完全子会社化を経て2017年に再独立。アンチウイルス製品にとどまらず、SPAM対策、情報漏洩対策製品などコンピュータセキュリティを総合的に開発・販売。
  • 8/10発表の2021/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比21.9%増の4.67億USD、Non-GAAPの調整後EBITDAが同38.0%増の2.18億USD。登録ユーザー数が同280万件増かつ前四半期比55.6万件増の1,94万件に増加。調整後EBITDAマージンが同5.4ポイント上昇の46.7%と利益率も向上した。
  • 継続事業の通期会社計画を上方修正。売上高を前期比15.0-15.6%増の18.4-18.5億USD(従来計画17.7-17.9億USD)、調整後EBITDAを同6.0-7.3%増の7.65-7.75億USD(同6.93-7.03億USD)とした。8月に40億USDでエンタープライズ向け事業を売却して消費者向け事業に特化。特別配当4.50USDおよび借入金10億USD返済を実施。また、韓国サムスン製デバイスに係る複数年契約延長に署名。

エクソンモービル(XOM)市場:NYSE・・・2021/10/29に2021/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 1999年にエクソンとモービルの合併により設立された石油メジャー最大手。世界で石油とガスの探査・生産を行う上流部門、石油精製を行う下流部門のほか、化学製品の製造・販売も手掛ける。
  • 7/30発表の2021/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比2.1倍の677.42億USD、純利益が前年同期の▲10.80億USDから46.90億USDへ黒字転換。天然ガスなどを含む石油および同等物の生産量は同5.4%減だったが、原油価格上昇のほかプラスチック包装材需要を受けた化学事業が貢献。
  • 9/30発表の2021/12期3Q(7-9月)の会社業績予想は、原油価格や天然ガス価格の上昇および前年同期のコスト削減により最終利益が前四半期から更に最大で15億USD押し上げられる見通しとした。暖房燃料需要期を前にしてロシアから欧州への天然ガス供給懸念、中国における石炭生産減少懸念などが原油価格を下支えするとみられる。10/8終値で市場予想年配当利回りは約5.60%。
  • (※)決算発表の予定は10/8現在であり、変更される可能性があります。
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