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マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “中国恒大集団問題から米連邦債務上限問題へ”

“中国恒大集団問題から米連邦債務上限問題へ”

2021/9/22
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“中国恒大集団問題から米連邦債務上限問題へ”

  • モルガン・スタンレーが9/7、10月末までに経済成長に「特大のリスク」があることを理由に挙げて米国株の投資判断を「アンダーウェイト」に、世界株式を「イコールウェイト」に引き下げた。その矢先、過剰債務と資金繰り不安に揺れる中国不動産大手の中国恒大集団の経営の先行き懸念が一段と深まり、9/20の米国株はNYダウ平均株価が前週末比614ドル安と大幅に下落。投資家心理を測る指標とされて「恐怖指数」と呼ばれるVIXは28%台と約7ヵ月ぶりの高値に上昇した。
  • 同集団への懸念は今に始まった話ではない。9/16に同社傘下の企業の社債取引が停止された時点から急展開してきた面はあるものの、中国政府はデータ保護の観点からのネット企業への規制に始まり、高すぎる教育費に歯止めをかけるための学習塾・家庭教師への規制、オンラインゲームやマカオカジノへの規制など、幅広い産業統制を打ち出していた。その中に、高騰する不動産価格の抑制も折に触れて問題として挙げられ、同集団の過剰債務が不動産価格の高騰を煽っているものとして中国政府から目を付けられていた面がみられる。その意味では、同集団の債務不履行・デフォルト懸念は中国政府のコントロールの下である程度は想定されているものと見る余地があり、過剰に恐れるべきものではないだろう。
  • それでも、同集団が発行した社債やCP(コマーシャルペーパー)を保有する投資家や債権者の資産に穴が開くことは避けられないだろう。そうなると、その損失穴埋めのために他の保有資産を売却するので幅広いアセットの価格が下落圧力に晒される可能性、あるいは今年3月に発生した「アルケゴス騒動」のように高いレバレッジをかけた投資家が追証を払えずに金融機関や投資銀行に損失が飛び火する可能性は残るかもしれない。
  • また、デフォルトリスクへの意識の高まりが米連邦債務上限の引き上げ問題に波及するリスクにも要注意だろう。イエレン財務長官は議会に対して繰り返し連邦債務上限の引き上げか適用一時中止を要請。さもなければ上限突破を回避するための政府資金は10月のいずれかの時点で尽きて「経済的大惨事」を招くとした。これに対し、マコネル共和党上院院内総務はイエレン財務長官の要請を拒否している。今は然るべき時機を待ちつつ、銘柄をじっくりと選別する時期なのかもしれない。(笹木)
  • 9/22号では、ホロジック(HOLX)NXPセミコンダクターズ(NXPI)ペガシステムズ(PEGA)ソテラ・ヘルス(SHC)クアルトリクス・インターナショナル(XM)ゼンデスク(ZEN) を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(9/17現在)

主要企業の決算発表予定

9月22日(水) ゼネラル・ミルズ
9月23日(木) 携程旅行網[トリップドットコムグループ]、コストコホールセールナイキ、アクセンチュア、ダーデン・レストランツ

主要イベントの予定

9月22日(水)
  • FOMC声明発表・議長記者会見と経済予測、米疾病対策センター(CDC)諮問委がブースター接種に関し会合(23日まで)
  • 米中古住宅販売件数(8月)
9月23日(木)
  • 新規失業保険申請件数(18日終了週)、景気先行指標総合指数(8月)、家計純資産(2Q)、マークイット米製造業・サービス業・総合PMI(9月)
9月24日(金)
  • FRBがオンラインイベント開催(パウエル議長、クラリダ副議長、ボウマン理事が参加)、クリーブランド連銀総裁が講演、日米豪印「クアッド」で初の対面首脳会議(ワシントン)
  • 新築住宅販売件数(8月)
9月25日(土)
  • ニューヨーク連銀総裁がスイス中銀主催の会合に参加
9月27日(月)
  • 耐久財受注・製造業受注(8月)、ダラス連銀製造業活動指数(9月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

ホロジック(HOLX)市場:NASDAQ・・・2021/11/4に2021/9期4Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1985年設立。乳房診断装置(乳癌)、体外診断薬・診断機器(遺伝子診断)、婦人科用外科手術機器(婦人科手術)、骨密度測定製品(骨粗鬆症)など女性疾患に係る4つの中核製品群を持つ。
  • 7/28発表の2021/9期3Q(4-6月)は、売上高が前年同期比42.0%増の11.68億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同77.1%増の3.44億USD。前年同期にコロナ禍の影響で落ち込んだ反動増が業績を押し上げたが、乳房診断や骨密度測定、婦人科手術は2年前の同期比でも増収と成長を示した。
  • 2021/12期4Q(7-9月)は、売上高が前年同期比22.8-25.8%減の10.00-10.40億USD、調整後EPSが同51.7-55.6%減の0.92-1.00USD。前年同期に新型コロナ検査の特需で好業績だった反動減を想定。潤沢なキャッシュフローを生かして、急性期POCT(医療現場での臨床検査)の先進企業であるフィンランドのモビディアグ社を7.95億USDで買収するなど中核製品の隣接領域への進出を積極化。

NXPセミコンダクターズ(NXPI)市場:NASDAQ・・・2021/10/26に2021/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 2006年にフィリップスの半導体部門がスピンオフ。オートモーティブ、インダストリアル、コンシューマー、セキュア・トランザクション・アクセス向けのデバイスの開発・製造を営む半導体サプライヤー。
  • 8/2発表の2021/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比42.9%増の25.96億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同2.2倍の8.76億USD。事業別売上高では主力の車載向けが同87.2%増の12.62億USDと全体の増収増益に貢献。前四半期比では、売上高が1.1%増、調整後純利益が5.3%増。
  • 2021/12期3Q(7-9月)の会社計画は、売上高が前期比22-29%増の27.75-29.25億USD、調整後営業利益率が同6.6-7.8ポイント上昇の32.4-33.6%。トヨタ自動車が半導体在庫水準を3ヵ月分から5ヵ月分まで増やす方針に変更したと報じられるなど自動車メーカー間で半導体の在庫水準を増やす動きが相次いでいることは、車載半導体の売上高シェアで世界第2位の同社への追い風となろう。

ペガシステムズ(PEGA)市場:NASDAQ・・・2021/10/28に2021/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1983年設立のソフトウェアメーカー。BPM(ビジネスプロセス管理)からCRM(顧客関係管理)まで同社プラットフォームの下で自動化を統合し、外部サービスも連携可能。金融や通信業界に強い。
  • 7/28発表の2021/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比43.2%増の3.25億USD、Non-GAAPの調整後純利益が前年同期の▲2,223万USDから1,994万USDへ黒字転換。6月末の年間契約残高が同22%増の8.99億USD、クラウドサービスの定額課金サブスクリプション収入が同55%増と拡大。
  • 2021/12期に関する会社計画は未公表。2Qはクラウドサービスの成長により先行投資の赤字から脱却。同社製品は手作業でのコーディングを極力排除する「ローコード開発」を原則とし、「Pega Platform」基盤上で企業担当者が容易に業務システムを構築できる特徴がある。デジタル変革(DX)の需要が高まるなか、DXの中心となる業務プロセス変革のプラットフォームへの需要も高まろう。

ソテラ・ヘルス(SHC)市場:NASDAQ・・・2021/11/3に2021/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 2017年設立。医療機器の滅菌に係る「ステリジェニクス」、ガンマ技術と医療用アイソトープの「ネルソン・ラボ」、ラボテストサービスを提供する「ノルディオン」の主要3ブランドの事業セグメントを営む。
  • 8/12発表の2021/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比18.2%増の2.51億USD、Non-GAAPの調整後EBITDAが同8.0%増の4.53億USD。事業セグメント別の売上高は、ステリジェニクスが同20.6%増、ネルソン・ラボが同13.9%増、ノルディオンが同16.6%増と3事業とも堅調に推移した。
  • 通期会社計画を上方修正。売上高を前期比12-15%増の9.2-9.4億USD(従来計画8.9-9.2億USD)、調整後EBITDAを同13-17%増の4.75-4.90億USD(同4.65-4.85億USD)とした。同社は世界の主要な医療機器企業および製薬企業の大半を顧客としており、顧客基盤が安定している点、および必要な技術上・規制上の専門知識やインフラといった参入障壁がある点に事業の特徴があると言えよう。

クアルトリクス・インターナショナル(XM)市場:NASDAQ・・・2021/11/10に2021/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 2002年設立。独SAPによる買収後、21年1月に新規上場。SAPは過半数を保有。顧客体験や従業員体験などエクスペリエンス管理・分析プラットフォームを運営し、組織に係るソリューションを提供。
  • 7/20発表の2021/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比37.7%増の2.49億USD、Non-GAAPの調整後純利益が前年同期の▲560万USDから2,227万USDへ黒字転換。継続課金に係るサブスクリプション収入が同47.7%増の2.04億USD、前受収益(残存履行義務)が同76.0%増の12.96億USD。
  • 通期会社計画を上方修正。売上高を前期比31.9-32.4%増の10.07-10.11億USD(従来計画9.80-9.84億USD)、調整後EPSを前期の▲0.11USDから▲0.02-0.00USDへ赤字幅縮小(同▲0.03-▲0.01USD)とした。市場の競争が激化するほど、企業が競争力を保つ源泉としての顧客と従業員のエクスペリエンス変革(EX)の重要性が高まるとみられ、EX市場を牽引する同社への注目度も高まろう。

ゼンデスク(ZEN)市場:NYSE・・・2021/10/29に2021/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 2007年にデンマークで設立。Zendeskと呼ばれるクラウド型のカスタマーサービス・プラットフォームを運営。電話やSNSなどの管理を単一画面上で効率的に行えるシステム・ソフトウェアを開発・提供。
  • 7/29発表の2021/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比29.0%増の3.18億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同4.7%増の1,713万USD。粗利率が同4.0ポイント上昇の一方、先行投資が嵩み、売上高営業費用率が同4.6ポイント悪化。フリーキャッシュフロー(FCF)は2,091万USDへ黒字転換。
  • 通期会社計画を上方修正。売上高を前期比27.2-28.0%増の13.10-13.18億USD(従来計画12.98-13.18億USD)、FCFを同4.5-4.9倍の1.20-1.30億USD(同1.05-1.15億USD)とした。包括的な顧客サービスソリューションに含まれるAIチャットボット機能は、顧客対応の自動化のほか、複数チャネルに跨る顧客対応を一元的に行えることでサポート担当者の業務負担軽減に役立つと高評価の模様だ。
  • (※)決算発表の予定は9/17現在であり、変更される可能性があります。
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