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“今週のFOMCへの視点、迫りくる水不足の危機”

2020/12/15
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘、李一承

“今週のFOMCへの視点、迫りくる水不足の危機”

  • 米国の物価連動国債(TIPS)と通常の10年国債利回り差であるブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)が今年3/19の0.552%から12/9の1.908%まで上昇し、昨年5月以来の高水準となった。BEIの上昇は期待インフレ率の上昇を意味することから、「名目金利=実質金利+期待インフレ率」という図式に当てはめると、名目金利である10年国債利回りも上昇せざるを得ないことになる。それはGAFAなどの大型グロース株を中心に、株式市場に悪影響を及ぼす可能性が高い。その意味では、12/16-17に開催されるFOMCでFRBが長期金利の上昇を抑えるために長期国債買い入れ枠を増額するかどうかは重要となるだろう。期待インフレ率が上昇するなかで名目金利の上昇が抑えられれば、実質金利の低下によりグロース相場が復活する可能性もある一方で、市場が期待するアクションが取られない場合は長期金利の上昇に伴う株式相場下落の可能性もあろう。
  • 今年11月末時点の米欧日の中央銀行バランスシートの対GDP比率は、米国(FRB)が34.3%、欧州(ECB)が60.6%、日本(日銀)が132.6%である。米国は欧州や日本と比較しても相対的にバランスシートを拡大する余地があると見られ、長期金利上昇の抑制と米ドル安への安心感が生まれやすいと言える。また、大規模財政支出に伴う財政赤字拡大が見込まれるなか、今後は巨額の国債入札を消化できるかどうかへの懸念がつきまとう展開も想定される。それ自体は長期金利上昇要因となるが、長期国債買い入れに伴うバランスシート拡大により当面は対応できるものと考えられよう。
  • 12/7、米先物取引所のCMEが「ナスダック・ヴェレス・カリフォルニア水指数」の先物を新規に上昇した。同指数は農家や企業などがカリフォルニア州で売買している水の使用権に関する価格を加重平均して算出したもので、干ばつで水が不足すると価格上昇、雨が十分に降れば価格下落となりやすい。CMEは「地球温暖化や人口増により世界人口の3分の2が2025年までに水不足に陥る」との見方を示し、水不足の深刻化が水資源市場の成長を後押しすると見ている。現在、株式市場の関心はパワー半導体など電力を制御する技術に向きやすくなっているが、水不足とそれに伴う食糧不足問題のほうが先に深刻化する可能性もあろう。水処理膜では日本企業が強みを有するが、米国でも水に関連した技術を提供するザイレム(XYL)のような企業がある。また、食糧危機への懸念が広がれば穀物商社などが注目されやすくなるように思われる。(笹木)
  • 12/15号では、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)ASMLホールディング(ASML)エンフェーズ・エナジー(ENPH)シノプシス(SNPS)Tencent Music Entertainment(TME)ヴイエムウェア(VMW)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(12/11現在)

主要企業の決算発表予定

12月16日(水)レナー
12月17日(木)フェデックス、アクセンチュア、ゼネラル・ミルズ
12月18日(金)ナイキ、ダーデン・レストランツ
12月21日(月)カーニバル

主要イベントの予定

12月15日(火)
  • FOMC(16日まで)、国際エネルギー機関(IEA)月報
  • ニューヨーク連銀製造業景況指数(12月)、輸入物価指数 (11月)、鉱工業生産指数(11月)、対米証券投資(10月)
12月16日(水)
  • FOMC声明発表・議長記者会見と経済予測
  • 米小売売上高(11月)、企業在庫(10月)、マークイット製造業・サービス業・総合PMI(12月)、NAHB住宅市場指数(12月)
12月17日(木)
  • 米新規失業保険申請件数(12日終了週)、住宅着工件数(11月)、フィラデルフィア連銀製造業景況指数(12月)
12月18日(金)
  • 米経常収支(3Q)、景気先行指標総合指数 (11月)
12月21日(月)
  • シカゴ連銀全米活動指数(11月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)市場:NYSE ・・・2021/1/29に2020/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定

  • 1902年に創業後、1923年にミッドランドを買収。カーギルと共に「二大穀物メジャー」と称され、農産物の調達・輸送・備蓄・販売を行う。食用油の原料となる大豆や綿花、トウモロコシに強みを持つ。
  • 10/29発表の2020/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比9.6%減の151.26億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同15.8%増の4.99億USD。穀物相場の高騰が農業サービス&油糧種子加工部門と炭水化物ソリューション部門の利益率拡大に寄与。調整後営業利益も同11.1%増と増益。
  • 米中貿易協定に基づき中国が目標の約7割の236億USD相当の農産物を輸入し、米農産物の年間対中輸出額が過去最高を記録。また、南米の乾燥気候で大豆やとうもろこしの作付けが遅れる見通しのほか、米農務省が20/9-21/8の米産トウモロコシや大豆の期末在庫見通しを各々7年振りの低水準に修正したことを受け、穀物相場が堅調に推移。4Qも利益率拡大継続が見込まれる。(李)

ASMLホールディング(ASML)市場:NASDAQ/ADR ・・・2021/1/20に2020/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定

  • 1984年に設立。半導体製造装置メーカー大手。極端紫外線(EUV)露光装置を手掛ける世界唯一の企業。波長が短いEUVを光源として半導体回路の微細化工程に使用。台湾のTSMCが最大顧客。
  • 10/14発表2020/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比32.5%増の39.58億EUR、純利益が同69.4%増の10.62億EURといずれも市場予想を上回った。前四半期比は19.0%増収、41.4%最終増益。EUV(極端紫外線)露光装置は2Q出荷の繰延分と3Q出荷分を含め合計14台分の収益を計上。
  • 2020/12期4Q(10-12月)の会社計画は、売上高が36.0-38.0億EUR(前年同期40.36億EUR)、粗利率が50%(同48.1%)。半導体の微細化需要の高まりを受け、3Q受注額が28.68億EUR(うちEUVが4台で5.95億EUR)と2Q受注実績(11.01億EUR)から増加。EUVの4Q出荷目標も12台と1-9月期実績(23台)に対し高水準を維持する。2021/12通期のEUV出荷台数も前期比20%増の見通しだ。(李)

エンフェーズ・エナジー(ENPH)市場:NASDAQ ・・・2021/2/18に2020/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定

  • 2006年に設立。住宅向けに包括的エネルギーソリューションを提供。太陽光発電用機器、蓄電池のほか、太陽光エネルギーの出力最適化・直流から交流に変換するマイクロインバーターを製造。
  • 10/27発表2020/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比0.9%減の1.79億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同5.8%増の4,176万USD。マイクロインバーター(MI)の出荷台数が同19.7%減の144.3万台となったが、今年7月から発売の大容量蓄電池「Encharge10™」の好調な販売で補った。
  • 2020/12期4Q (10-12月)の会社計画は、売上高が2.45-2.60億USD(前年同期は2.10億USD)。調整後粗利益率が38.0-41.0%(同37.3%)。4Qの販売予約額が既に会社売上高計画の中間値(2.525億USD)に達した模様。「Encharge10™」の売れ行き好調により4Qの売上高は3Q比で倍増の見通し。メキシコのMI生産ラインを拡充したほか、10月からインドで2番目MIの生産ラインを稼働開始。(李)

シノプシス(SNPS)市場:NASDAQ ・・・2021/2/19に2021/10期1Q(2020/11-2021/1)の決算発表を予定

  • 1986年設立。電子機器や半導体の設計作業の自動化を支援するElectric Design Automation(EDA)ツール・ソフトウェアを世界中の企業に提供。寡占市場のEDAツールで業界世界首位である。
  • 12/2発表の2020/10期4Q(8-10月)は、売上高が前年同期比20.5%増の10.25億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同39.9%増の2.48億USD。主力の半導体・システム設計セグメントが同22.0%増の9.35億USD。そのうち、EDAがAIなど最先端向け設計の需要増により同18.7%増の5.81億USD。
  • 2021/10通期会社計画は、売上高が前期比8.5-9.9%増の40.0-40.50億USD、Non-GAAPの調整後EPSが同12.3-13.5%増の6.23-6.30USD。今期末時点のキャンセル不可受注残が前期末比5億USD増の49億USDに上り、今後複数年に渡り売上高に反映される見通し。10/28、サムスンファウンドリと協業し高性能コンピューター(HPC)設計のための最適化リファレンス手法を提供すると発表。(李)

TencentMusicEntertainment(TME)市場:NYSE/ADR ・・・2021/3/16に2020/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定

  • 2016年にテンセント傘下の音楽配信子会社として設立。音楽配信プラットフォームQQ音楽、KuGou音楽、Kuwo音楽などの登録ユーザーが9億人を超える。オンラインライブTMELiveも展開する。
  • 11/10発表の2020/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比16.4%増の75.75億元、Non-IFRSの調整後純利益が同9.3%増の13.49億元。1人当たり平均課金額の増加により主力ソーシャルエンターテインメント部門が同12.7%増収(52.51億元)だったほか、音楽サブスクリプションが同55%増収。
  • 会社業績見通しは非公表だが、4Q粗利率の前四半期比上昇を示唆。オンライン音楽課金ユーザーの純増数は1Qが280万人、2Qが440万人、3Qが460万人と伸びが加速。ユーザー数は5,170万人(前年同期比46%増)に達し、有償ユーザー率も8.0%(前年同期5.4%)に上昇。更に、オンラインライブ(TMELive)やオンライン・カラオケアプリ(WeSing)もコロナ禍の追い風が続くとみられる。(李)

ヴイエムウェア(VMW)市場:NYSE ・・・2021/2/25に2021/1期4Q(2020/11-2021/1)の決算発表を予定

  • 1998年設立。仮想化技術のパイオニアで、クラウドコンピューティングと仮想化のIT企業。ライセンス部門、クラウドのサブスクリプション・SaaS部門、サービス部門の3部門セグメントから構成される。
  • 11/24発表の2021/1期3Q(8-10月)は、売上高が前年同期比7.8%増の28.64億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同16.9%増の7.04億USD。コロナ禍でオンプレミス(非クラウド)のライセンス部門が同12.2%減収(6.39億USD)だったが、サブスクリプション・SaaS部門が同43.8%増収(6.76億USD)。
  • 通期会社計画は、売上高が前期比8.2%増の117億USD。サブスクリプション・SaaSとライセンス部門の合計収益が同9.9%増の55.60億USD。3Q末受注残の内、キャンセル不可の前受収益が前年同期比10%増(102億USD)だが、2Q末(103億USD)から減少。クラウドサービスのサブスクリプション・SaaS部門の3Qの売上構成比は23.6%。更なるクラウドサービス比率の上昇が成長への鍵となろう。(李)
  • (※)決算発表の予定は12/11現在であり、変更される可能性があります。
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