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“バブルの扉が開くのか?〜リアリティ・チェックへ”

2020/1/15
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“バブルの扉が開くのか?〜リアリティ・チェックへ”

  • バブルの扉が開くのだろうか?2019/9に米短期金融市場で銀行や企業が資金調達する際に支払うレポ金利が急上昇し、翌日物レポ金利が10%を付ける場面があった。これ以降、2019/10にFRBによる短期国債購入に伴う資産拡大開始、およびドル金利急騰を防ぐための越年対応として4,900億ドルの資金供給が行われ、年明け後も資金供給が継続している。1/9にはクラリダ副議長が少なくとも2020/4までレポ市場への資金供給が必要となるであろうと述べるなど、流動性の供給が続く見通しが強まりつつあり、資産バブルを連想させる面もあろう。ダウ工業株30種平均株価も1/10に29,000ドルを超える場面があった。
  • 流動性相場の主役に躍り出たのは米国株で時価総額が上位2銘柄であるアップル(AAPL)マイクロソフト(MSFT)である。これらの銘柄が買われることで時価総額加重平均指数であるS&P500やナスダックが上昇し、買いが買いを呼んで運用資金がインデックス連動ファンドに流入している面が見受けられる。また、米中貿易協議の第1段階合意やイランのソレイマニ司令官殺害といったトランプ大統領の政策についても、最初に強硬策を打ち出して市場の売りを誘い、その後で比較的穏当な現実路線に回帰することで市場のパニック的な買い戻しを誘発する傾向が見られる。必ずしも強硬策を打ち出す前よりも事態が進展しているわけではないが、買い焦りを伴う市場心理により株価が上昇するという「トランプ・マジック」が威力を発揮しているように見られる。これらに加え、3Q(7-9月)の米国企業(S&P500構成)の自社株買いが前四半期比で増加に転じるなど、株式市場に需給面から力強いフォローの風が吹いていると考えられる。
  • しかし、需給面の追い風を受けて上昇した株価が米国景気や企業業績のファンダメンタルズによって正当化され得るのかの「リアリティ・チェック」が待ち構えている。既に1/3発表の米ISM製造業景気指数(12月)は47.2と10年半ぶりの低水準となった。1/10発表の米雇用統計(12月)は非農業雇用者数が市場予想を下回る14.5万人増にとどまり、平均時給の伸び率も前年同月比2.9%増と2018年半ば以来の低い増加率にとどまった。これが1/16発表の米小売売上高(12月)に影響を与えているかが注目される。また、1/14からは米主要企業の4Q(10-12月)決算発表が開始する。短期的には、アップルやマイクロソフトに対して出遅れ感のある他のFAANG銘柄などに注目したい。中長期的観点では、多様な事業セグメントを有する企業の中で継続的に事業ポートフォリオの入替えを行って利益率を高めていくような堅実な経営スタンスの企業が要注目だろう。
  • 1/15号では、フェイスブック(FB)イリノイ・ツール・ワークス(ITW)レナー(LEN)3M(MMM)エヌビディア(NVDA)ゾエティス(ZTS)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(1/13現在)

主要企業の決算発表予定

1月15日(水) USバンコープ、バンク・オブ・アメリカ、ブラックロック、ユナイテッドヘルス・グループ、PNCファイナンシャル・サービシズ・グループ、ゴールドマン・サックス・グループ
1月16日(木)PPGインダストリーズ、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン、モルガン・スタンレー、CSX
1月17日(金)リージョンズ・ファイナンシャル、シュルンベルジェファスナルステート・ストリート

主要イベントの予定

1月15日(水)
  • 米中両国が「第1段階」の貿易合意に署名の予定
  • 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
  • 米フィラデルフィア連銀総裁講演
  • 米PPI(12月)、米ニューヨーク連銀製造業景況指数 (1月)
1月16日(木)
  • 米新規失業保険申請件数(11日終了週)、米小売売上高(12月)米輸入物価指数(12月)、米企業在庫(11月)、米NAHB住宅市場指数 (1月)、米対米証券投資 (11月)
1月17日(金)
  • 米フィラデルフィア連銀総裁講演
  • 米住宅着工件数(12月)米鉱工業生産(12月)、米求人件数(11月)、米ミシガン大学消費者マインド指数(1月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

フェイスブック(FB)市場:NASDAQ ・・・2020/1/29に2019/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定

  • 2004年にザッカーバーグCEOらがサービス開始。無料登録制SNSの「Facebook」のほか、画像・動画共有アプリの「Instagram」、メッセージアプリの「Messenger」、「WhatsApp」、「Oculus」など展開。
  • 10/30発表の2019/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比28.6%増の176.52億USD、純利益が同18.6%増の60.91億USD。稼働契約者数が日次で同9%増、月次で同8%増と伸びた。広告収入に占めるモバイル比率が同2%ポイント上昇の94%となったことも増収増益に貢献した。
  • デビッド・ウェナーCFOは、4Qの売上減速の一方、2020年の売上減少が4Qと比べて緩やかになるとの見通しを示した。プラットフォーム上の違法コンテンツ摘発に必要な人件費増、および民主党大統領候補による会社解体論が懸念材料となる一方、ザッカーバーグCEOが1/9に新年の抱負で語ったように、同社製品のOculusに係るVR/AR分野への同社の今後の取組みが注目されよう。

イリノイ・ツール・ワークス(ITW)市場:NYSE ・・・2020/1/31に2019/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定

  • 1912年設立。世界で工業製品・機器を製造・販売し、輸送機器部品、食品機器、エレクトロニクス、溶接、建設用製品、ポリマー・流体、特殊製品の7つの事業から構成。事業入替えに積極的。
  • 10/25発表の2019/12期3Q(7-9月)は売上高が前年同期比3.7%減の34.79億USDだったが、純利益が同3.4%増の6.60億USDと減収増益だった。営業利益率が同0.4%ポイント上昇の25.0%、フリーキャッシュフローが同11.7%増の8.30億USDとなるなど収益性と利益の質が向上した。
  • 2019/12通期会社計画は、EPSが7.55-7.85USD(前期:7.60USD)で前回発表時と変わらず。製造業を巡る経済環境は厳しいものの、事業ポートフォリオの見直しを積極的に行って事業セグメントごとの営業利益率を高める経営方針の下、全セグメントの営業利益率が20%超の高水準を維持している。フリーキャッシュフローの増加傾向が続けば増配などの株主還元強化が期待されよう。

レナー(LEN)市場:NYSE ・・・2020/3/27に2020/11期1Q(2019/12-2020/2)決算発表の予定

  • 1954年にマイアミで設立した米国最大の住宅建設会社。一世帯向け戸建て住宅のほか、集合住宅や商業用不動産、不動産金融サービスを提供する。子会社のRialtoを通じて資産運用も行う。
  • 1/8発表の2019/11期4Q(9-11月)は、売上高が前年同期比7.9%増の69.71億USD、純利益が同15.3%減の6.74億USD。住宅の引渡し件数が同16%増、新規受注が同23%増と堅調に伸び、前年同期に計上したRialtoの事業売却益2.96億USDの影響を除けば実質増収増益だった。
  • 2020/11通期会社計画は、引渡し件数が前期比4.9-6.8%増の54,000-55,000件、住宅建設事業の売上高総利益率が20.5-21.0%(前期実績20.6%)。1/10発表の米雇用統計(12月)は失業率が3.5%の歴史的低水準で推移し、平均時給が前年同月比2.9%増と伸びが継続している。低水準の住宅在庫および住宅ローン金利の低金利長期化を含め、外部環境は良好と言えよう。

3M(MMM)市場:NYSE・・・2020/1/28に2019/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定

  • 1902年設立の化学・電気素材メーカー。安全&産業(作業現場向け)、輸送&電子機器、ヘルスケア、および消費者の4事業セグメントの下で運営され、世界中で多様な事業部門を展開する。
  • 10/24発表の2019/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期2.0%減の79.91億USD、営業利益が同0.2%減の20.11億USD、EPSが同5.4%増の2.72USD。EPSの増益は安全&工業事業セグメントの営業利益がガス・火炎検知ビジネスの売却益計上により同9.8%増の7.65億USDとなったことが寄与。
  • 2019/12通期の会社計画を下方修正。通貨変動の影響を除くオーガニック売上高を前期比1.0-1.5%減(従来計画:同1%減-2%増)、EPSを8.20-8.30USD(同:8.25-8.30USD)とした。景気に敏感な安全&産業事業、および輸送&電子機器事業が減収傾向だが、3Qの全体の営業利益率は前年同期比0.5%ポイント増の25.2%と安定しており、配当利回り面からの投資に妙味があろう。

エヌビディア(NVDA)市場:NASDAQ ・・・2020/2/13に2020/1期4Q(2019/11-2020/1)の決算発表を予定

  • 1993年に設立した半導体メーカー。ビジュアル・コンピューティングの世界的なリーディング企業で、コンピューターの画像処理や演算処理の高速化を目的とするGPUの開発・販売を手掛ける。
  • 11/14発表の2020/1期3Q(8-10月)は、売上高が前年同期比5.2%減の30.14億USD、純利益が26.9%減の8.99億USD。ただし、前四半期比では売上高が16.9%増、純利益が62.9%増と回復基調。エッジ・コンピューティングの普及、および5G・AI・IoTの加速がGPUの需要を押し上げた。
  • 2020/1期4Q(2019/11-2020/1)会社計画は、売上高が28.91-30.09億USD、粗利益率が63.6-64.6%(3Q実績:64.1%)。前四半期比減収見通しはノート型パソコン向けGPUに係る季節要因による。2019/12に半導体設計会社メラノックス・テクノロジーズを買収する計画がEU規制当局から承認を得た。データセンターやAI関連でインテル(INTC)から市場シェアを奪えるか注目されよう。

ゾエティス(ZTS)市場:NYSE ・・・2020/2/13に2019/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定

  • 2012年にファイザー(PFE)から分離して設立。65年の歴史を持つグローバルなアニマルヘルス企業で、家畜およびコンパニオンアニマル(ペット)用の医薬品、ワクチン、検査機器を手掛ける。
  • 11/7発表の2019/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比7.0%増の15.84億USD、純利益が同24.8%増の4.33億USD。パーチェス法による調整額や買収関連費用を除くNon-GAAPの調整後純利益は同12.9%増の4.55億USD。米国内の売上高が同11.5%増と堅調だったことが業績に寄与。
  • 通期会社計画を上方修正。調整後EPSを3.57-3.62USD(同:3.53-3.60USD)へ引き上げた。売上高は62.00-62.50億(従来計画:61.75-62.75億USD)へと上限を引上げ、下限を引下げた。中国におけるASF(アフリカ豚コレラ)流行は家畜の消失という点では家畜向け製品に逆風だが、同社は既にEUで豚コレラワクチンの承認を受けており、今後は予防ワクチンの需要が世界的に期待できよう。
フィリップ証券株式会社

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