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来年も上昇期待の半導体株は?エヌビディア、AMD、マイクロンテクノロジー、インテルほか

2023/12/27
投資情報部 榮 聡

半導体株は2023年に非常に高いパフォーマンスをあげましたが、2024年も上昇が期待できるか検討してみました。

図表1 注目銘柄

銘柄名 株価(12/26) 52週高値 52週安値
エヌビディア(NVDA) 492.79ドル 505.48ドル 138.84ドル
アドバンスト マイクロ デバイシズ(AMD) 143.41ドル 143.85ドル 60.05ドル
マイクロン テクノロジー(MU) 87.06ドル 87.87ドル 48.52ドル
インテル(INTC) 50.50ドル 50.52ドル 24.73ドル
ラムリサーチ(LRCX) 795.71ドル 799.87ドル 399.29ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1 2023年の半導体株は好調

今回は半導体株を取り上げます。半導体株は2023年に非常に高いパフォーマンスをあげましたが、2024年も上昇が期待できるか検討してみました。第1節では半導体株の2023年を振り返り、第2節で足もとのファンダメンタルズをチェック、第3節では2024年も活躍が期待される銘柄をご紹介いたします。

〇業種指数でトップの「半導体・同製造装置」指数

S&P500指数採用銘柄で半導体関連銘柄からなる「半導体・同製造装置」指数は、年初来の上昇率が95.1%と24業種でトップとなりました(図表2)。

年初にはパソコン、スマホの需要動向がまだ不安定であったため、半導体株に期待する見方は主流ではありませんでした。しかし、2月初めに「ChatGPT」の利用者が1億人を超えたとの報道で、生成AIがテクノロジーセクターをけん引する技術になるとの期待が高まり、これをハード面から支える半導体への注目が高まりました。

さらに、エヌビディアの2-4月期決算が5月24日に発表され、AI計算向けGPU(画像処理半導体)の需要急増で5-7月期の売上が2-4月期比大幅に増加するとの見通しが出て様相が変わりました。エヌビディアが大幅に上昇しただけにとどまらず、多くの半導体株が「連れ高」しました。

しかし、その後に生成AI向けの半導体需要はエヌビディアに集中していることが分かり、半導体株指数全体としては停滞となりました。流れが変わったのは米10国債利回りが低下に転じた10月末です。相場全体が底入れして反発するにつれ、ベータ値(相場の上下に対する感応度)が高い傾向がある半導体株は市場平均を上回って上昇、年初来高値を更新しました。

〇個別銘柄の年初来騰落はどうだったのか?

図表3に「半導体・同製造装置」に属する18銘柄(太陽光発電関連の3銘柄を除いています)をリストアップしました。S&P500指数の上昇率23.8%を上回ったものが16銘柄、下回ったものが2銘柄で、大部分の半導体株が市場平均を上回ったことがわかります。

上昇率が高いほうからみていくと、トップはAI計算向けに需要が急拡大している画像処理半導体(GPU)を扱うエヌビディアとアドバンストマイクロデバイセズ(AMD)です。特に同市場をほぼ支配して、売上にもそれが顕著に反映されたエヌビディアの株価は3.3倍に上昇、AMDも10-12月期から供給を始めることで注目を集めています。

3位のブロードコムは主力の通信向け半導体は調整しているものの、仮想化ソフトウェアのVMウェア社の買収が認められたことが株価を押し上げたとみられます。また、インテルは、AMDに対して市場シェアを失いつつあるCPU市場で競争力のある製品の投入が期待されていることから大幅な上昇となりました。この2銘柄は個別要因で上昇率が大きくなったとみられます。

その下には、半導体製造装置のラムリサーチやアプライドマテリアルズ、半導体メモリーのマイクロンテクノロジーなどが位置します。生成AI向けに投資が拡大するデータセンター向けと不振のパソコン、スマホ関連の両方にエクスポージャーをもっていることがこのような位置にある要因と考えられます。

下位にはアナログ半導体の銘柄が固まっています。その中で相対的に好調なのは、自動車向けのパワー半導体を主力とするNXPセミコンダクターズ、オンセミコンダクターでした。その下にスマホ向けの構成比が高い、クアルコム、スカイワークスソリューションズ、コルボが位置し、一番下にはアナログ半導体大手の2社、アナログデバイセズとテキサスインスツルメンツが並びました。

図表2 年初来90%以上上昇した「半導体・同製造装置」

  • 注:最後のデータは12/22(金)です。
    ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表3 「半導体・同製造装置」指数の構成銘柄

注:太陽光発電関連の3銘柄は除いています。データは12/22(金)時点です。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

2 半導体株のファンダメンタルズは?

半導体株のファンダメンタルズを確認します。

〇半導体市場は回復しているものの、注意すべき点も

世界の半導体売上は図表4の通り、2023年2月に底入れして典型的な景気循環による回復を辿っているように見えます。

しかし、2023年2月の売上397億ドルを基準に、3月〜10月にかけての増加分を合計すると240億ドルになります。一方、エヌビディアの売上は2022年11月-2023年1月期を基準に、2-4月期、5-7月期、8-10月期にかけての売上増分は207億ドルです。

つまり、2023年2月から10月にかけての半導体業界の売上回復の8割以上はエヌビディアによるものと考えられ、その他幅広い半導体企業の売上は、このグラフが示唆するほどには回復しているわけではなく、底這い程度の推移と考えられます。

図表2で4-6月期決算、7-9月期決算後に半導体株指数の動きが冴えなかったのは、エヌビディア以外の半導体銘柄の決算内容がぱっとしなかったことが要因とみられます。その後、株価はもみ合いを上放れて上昇していますが、この上昇には市場回復を期待先行で織り込んでいる部分があることは注意が必要でしょう。

〇主要企業の決算コメントから状況を確認

主要な半導体企業の決算コメントから半導体市場の足もとの状況と今後の見通しについて確認してみましょう。

【テキサスインスツルメンツ】(10月24日、7-9月期決算発表)

同社は幅広い産業に半導体を供給しているため、半導体に限らず産業景気の動向を見るうえでも重視されている会社ですが、実績、見通しとも低調で半導体市場に対する懸念を高めました。

7-9月期の売上は4-6月期横ばいの45.3億ドルとなり、10-12月期のガイダンス中央値は41.0億ドルと低下を見込みました。「7-9月期には自動車向けの成長は続いたものの、産業機器向けで弱い分野が広がった」とコメントしました。

【台湾セミコンダクター】(10月19日、7-9月期決算発表)

同社は最先端の3ナノメートル、5ナノメートルの生産技術を有し、アップル、クアルコム、エヌビディア、AMDなど主要な半導体メーカーの受託生産を行うため、同社の売上動向は半導体業界全体の動きが反映されると考えられます。

決算説明会では、半導体市場が非常に近いうちに底を打つことを期待していると述べましたが、経済の低迷や米国の貿易制裁強化に見舞われる中国を巡る不確実性を理由に力強い回復を予想することは控えました。同社の月次売上は10月に前年比15.7%増と8ヵ月ぶりにプラスに転じましたが11月には同7.5%減となり、まだ売上回復は安定していないとの印象を与えました。

【マイクロンテクノロジー】(12月20日、9-11月期決算発表)

9-11月期決算では、2024年の最終市場の見通しについて、分野別に以下のコメントがありました。

・データセンターのサーバー台数は、前年比「一桁台半ばの伸び」
・PCの販売台数は、前年比「一桁台の前半から半ばの伸び」
・スマホの販売台数は、前年比「ある程度の伸び」(grow modestly)

以上を総合すると、エヌビディアを除く半導体業界の売上は、2023年に売上の落ち込みから底這いに改善しており、過剰な在庫は解消されつつあるとみられます。PCやスマホなどの最終市場は来年に向けてプラスに転じると期待され、シクリカルな回復を買える状況になりつつあると考えられます。

図表4 世界の半導体月次売上

※米国半導体工業会(SIA)データをもとにSBI証券が作成

3 来年も活躍しそうな銘柄を検討

来年も活躍ができそうな半導体銘柄を探ってみましょう。

「半導体・同製造装置」指数に採用されている銘柄について、来期の予想増収率、増益率とも前年比10%以上の銘柄を図表5に抽出しました。

同表に記載した、目標株価乖離率、通期EPS修正率(3ヵ月)、予想PER(来期)などの情報も勘案して、青でハイライトした5銘柄を選んで以下にコメントします。

エヌビディア(NVDA)で目を引くのが、目標株価との乖離率が33.6%と抽出した銘柄の中で最大となっている点です。ここ半年の株価は強含みのもみ合いとなっていますが、11-1月期決算が堅調となり予想を上回ると、今回は一段高となる可能性が高いでしょう。

同社の予想PERは2-4月期決算を発表した直後は50倍を超えていましたが、予想EPSがどんどん上方修正されても株価はそれに沿って上昇していないため、予想PERは20倍台前半まで下がってきました。

来期の売上が56.4%増えると予想されている銘柄に20倍台は安いと考えられますが、AI計算向けGPUはデータセンターでの「設備投資関連」に当たるため、一旦充足してしまえば売上が急減するリスクを市場はみているのでしょう。アナリストは評価不足との判断です。

アドバンスト マイクロ デバイシズ(AMD)は、エヌビディアと同じくAI計算向けGPUで注目されています。10-12月期からAI計算向けGPUの「MI300」シリーズを投入し、来期の売上として20億ドルを目指しています。

AI計算向けGPUは足もとではエヌビディアが支配していますが、このような状況が続くとAIによるサービスの付加価値がエヌビディアに吸い取られてしまうため、ITサービス大手はエヌビディアの競合企業を育てたがっています。

仮にAMD製品の性能がエヌビディア製品より劣っていたとしても、AMDに協力することが見込まれ、ある程度の結果を出すと期待されます。「MI300」を利用する顧客として、マイクロソフト、オラクル、メタプラットフォームズなどが含まれると公表しています。

7-9月期決算はPC向け、データセンター向けCPUの改善によって前年同期比増収増益に転換、10-12月期のガイダンスは売上が前年同期比4〜14%増に相当する58〜64億ドルとモメンタムの改善を見込みます。

マイクロン テクノロジー(MU)は、減産によってメモリ価格が底入れしており、業績の最悪期は脱して来期は黒字化が見込まれています。生成AI関連でもあります。AIモデルのトレーニングには大量のデータ処理を伴うことから、AIコンピュータへの投資に沿ってDRAMの需要が拡大しています。

最終市場については、PC、スマホ、自動車、産業機器の顧客のメモリ在庫は平常レベルに近いか、平常レベルにある、データセンター顧客のメモリ在庫は改善しつつあり、2024年の前半には平常レベルに近づく見込みとコメントしています。

インテル(INTC)は、10-12月期の売上が8四半期ぶりに前年同期比プラスに転じると見込まれています。同社は半導体の微細化で台湾セミコンダクターに劣後したことで、ライバルのAMDに市場シェアを奪われ、2019年から業績の悪化傾向が続いていました。一方、この10-12月期にはAMDのCPUに対して競争力を引き上げた新製品が投入されています。

アナリストの目標株価に対する乖離率が-15.5%と買われ過ぎを示唆しているのが目立ちますが、10-12月期決算で新製品が順調と判明すれば目標株価は引き上げられる可能性が高いでしょう。12/26(火)時点で過去5年の株価は、S&P500指数が92%上昇しているのに対して、同社株の上昇は8%にとどまり、大幅なアンダーパフォームとなっています。

ラムリサーチ(LRCX)は、半導体製造装置で世界4位の売上高を誇ります。成膜装置、エッチング装置、洗浄装置に強く、エッチング装置ではトップシェアを有します。特に最先端の3D NAND(メモリセルを垂直方向にも積み上げた3次元構造のNAND型フラッシュメモリ)の製造に必要となるエッチング装置に強く、中長期の成長をけん引すると期待されています。

2024年6月期は半導体工場の投資一巡を受けて売上は前年比15%減、EPSは同18%減となる予想です。一方、2025年6月期は増収増益へ再成長見通しです。

図表5 半導体銘柄のスクリーニング

注:データは12/22(金)時点です。増益率はEPSによります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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