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来年に向けても期待大!?2四半期連続の好決算で物色強まるサイバーセキュリティ業界

2023/12/13
投資情報部 榮 聡

サイバーセキュリティ業界は、2四半期連続で好決算となったことで物色が強まっています。生成AI関連のソフトウェアとともに、来年に向けても期待が大きい業界と言えそうです。

図表1 注目銘柄

銘柄名 株価(12/12) 52週高値 52週安値
クラウド ストライク ホールディングス A(CRWD) 248.55ドル 250.29ドル 92.25ドル
Zスケーラー(ZS) 210.76ドル 211.59ドル 84.93ドル
パロ アルト ネットワークス(PANW) 305.58ドル 307.88ドル 132.22ドル
バロニス システムズ(VRNS) 44.56ドル 45.04ドル 21.22ドル
センチネルワン A(S) 25.40ドル 26.12ドル 12.43ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1 業績好調を背景にサイバーセキュリティ銘柄への注目高まる

今回は業績、株価とも好調なサイバーセキュリティ業界のアップデートです。

サイバーセキュリティについては、2023年10月18日掲載の「業績、株価とも好調のサイバーセキュリティ業界」でご紹介しましたが、その後に発表された四半期決算も良好で、来年に向けても注目の業界となりそうです。

〇サイバーセキュリティETFのパフォーマンスが良好

サイバーセキュリティETFの株価パフォーマンスは図表2の通り非常に良好です。

11月以降(12/12(火)まで)の株価騰落率はグローバルX サイバーセキュリティETF(BUG)が22.9%上昇して、S&P500指数10.7%を大幅に上回っています。特に全般相場が戻り一巡から上昇が鈍り、「マグニフィセント7」の多くが一時利食いに押された11/20(月)以降も9.8%の上昇と、S&P500指数の2.1%を大きく上回って好調が目立ちます。

同ETFの構成銘柄の過去1ヵ月の株価騰落率を図表3で確認すると、10銘柄中7銘柄が10%以上と幅広い銘柄が市場平均を上回っています。また、年初来の株価上昇率が高い銘柄は、過去1ヵ月の上昇も高い傾向が見られ、業績が好調な銘柄の上値を追っている様子がうかがえます。

過去1ヵ月ではサービスナウ、ワークデイなど生成AIを生かしやすいソフトウェア銘柄への物色も目立っており、生成AIとサイバーセキュリティに関連するソフトウェアは、来年に向けた物色の柱として注目されそうです。

〇オラクルの9-11月期の失望決算をどう考えるか

一方、12/11(月)に決算を発表したオラクル(ORCL)の9-11月期決算は市場から失望され、12/12(火)に12.4%の下落となりました。9-11月期でクラウド収入の伸びが前年同期比25%増に鈍化、12-2月期の売上ガイダンスが市場予想を下回ったことが嫌気されています。

この結果を受けて、企業向けソフトウェア銘柄へのインプリケーションが気にされています。しかし、同社は6-8月期決算でもクラウド収入の伸び鈍化が嫌気されて株価が下落しており、業界全体というよりも個別企業の要因と考えてよいのではないでしょうか。

同社は生成AI向けのクラウドサービスで良いポジションを築いていることから、市場で高い伸びが期待されています。しかし、エヌビディアのAI向け半導体の供給が引き続きタイトである影響を受けた可能性が高く、必ずしも需要サイドの問題が主因ではないと考えられます。このため企業向けソフトウェア銘柄への波及は限定的と考えられます。

図表2 サイバーセキュリティETFが市場平均を大幅アウトパフォーム

  • 注:最後のデータは12/12(火)です。
    ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表3 サイバーセキュリティETFの組入上位10銘柄

  • 注:データは12/8(金)時点です。米国市場以外の上場銘柄は除いています。
    ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

2 四半期業績は2四半期連続で好調

サイバーセキュリティ銘柄は株価だけでなく、業績も好調です。

〇直近四半期業績は好調、

図表4は第1節でリストアップしたサイバーセキュリティETFの組入上位10銘柄の直近四半期決算の状況と、一番右のコラムはその結果を受けた過去3ヵ月の通期予想EPSの修正率です。

通期予想EPSの修正率をみると、個人向けのセキュリティソフトウェアを手掛けるゲンデジタル以外はいずれも上方修正となっており、10%以上の大幅上方修正銘柄も散見されます。

直近の四半期決算では、売上は市場予想を上回るもの、下回るものがまちまちでしたが、EPSはゲンデジタルを除いて市場予想を上回りました。前年同期との比較では、業種全体として好調と言ってよいでしょう。

〇唯一減収のバロニスシステムズもテクニカル要因

前年同期比で唯一減収になっているバロニスシステムズも、要因はテクニカルなものです。

同社は販売モデルをソフトウェアの売り切りからサブスクリプションに移行しつつあることが売上の伸びを抑えています。サブスクリプション収入を年間ベースに換算した年間経常収益(ARR)は前年同期比16%増(7-9月期)で、こちらのほうが同社成長の実態に近いと考えられます。

7-9月期のEPSが市場予想を大幅に上回って、実態は好調との見方が広がって通期予想EPSの大幅な上方修正につながっているとみられます。

〇2四半期連続で業績好調

サイバーセキュリティ業界の四半期業績は直近期だけでなく、その前の期も好調でした。しかし、当時は長期金利の上昇を受けてPERが高いテクノロジー銘柄は避けられ、また、企業のIT投資鈍化の懸念もあって、業績は好調でも株価への反応は抑えられていました。

しかし、2四半期連続で業績の好調が確認されたことで、物色に勢いが出ているとみられます。業績の推移に比べて株価は出遅れとなっている可能性があり、まだ上値が大きい可能性があると考えられます。

第3節では、過去1ヵ月の株価動向と過去3ヵ月のEPS修正動向を中心に考慮し、良好な銘柄をご紹介いたします。

図表4 主要銘柄の直近四半期決算と過去3ヵ月の通期予想EPSの修正

  • 注:データは12/8(金)時点です。
    ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

3 株価好調の主力銘柄をご紹介

クラウド ストライク ホールディングス A(CRWD)   エンドポイント検知分野のリーダー

【企業概要】
米セキュリティ大手マカフィーのCTO(最高技術責任者)を務めた経歴をもつジョージ・カーツCEOらが2011年に立ち上げ たサイバーセキュリティ企業で、2019年6月に新規上場しました。同社の「Falcon」プラットフォームは、エンドポイント(情報端末)にインストールして不正を検知する軽量なエージェント、これと連携してサイバー攻撃への対応策を提示する脅威インテリジェンス、また、脅威ハンティングのサービスなどからなります。

【会社の見方】
サイバー攻撃に対する防御として、ネットワークへの侵入を防ぐやり方と、エンドポイントで不正な動きを検知する やり方がありますが、標的型の攻撃が増えたことでネットワークへの侵入を完全に防ぐのは現実的ではなくなり、侵入後の不正な動きを検知するエンドポイント保護の重要性が増していると言われています。2020年末には米政府機関などを標的とした大規模なサイバー攻撃が発覚しましたが、そうした事件が相次いで発生していることも同社の追い風になっていると思われます。

【見通し・注目点】
エンドポイント検知分野でのリーダーの地位を確立したことで、8-10月期の売上高は前年同期比35%増、調整後EPSは同2.1倍で、それぞれ市場予想を1%、10%上回って好調でした。2024年1月期の調整後EPSガイダンスは、従来の2.80〜2.84ドルから2.95〜2.96ドルに引き上げられました。

Zスケーラー(ZS)   「ゼロトラスト」広がりの波に乗る

【企業概要】
米国のITサービス、ソフトウェア企業です。企業のITシステムがクラウド化するにつれ、オフィスだけでなく出先からノートPCやスマホで業務を行うことが増えていますが、そのような場合に有利となるウェブセキュリティのサービスを提供しています。同社のセキュリティゲートウェイは、グローバルに150ヵ所以上ある同社のデータセンターで提供されており、5大陸をカバーしているためユーザーはもっとも近いデータセンターを経由してアプリケーションを利用可能です。フォーチュン500企業の40%超、フォーブズGlobal2000企業の30%超を含む約7,700社を顧客としています(2023年7月末)。

【会社の見方】
一般的にSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)などクラウド上のアプリケーション利用をコントロールするため、外部から一度社内のネットワークを介してアクセスさせる、といった運用をしている企業が多くなっています。この運用方法では、外部から接続するためのネットワークインフラを整備するために多くのコストがかかるだけではなく、通信速度などに影響されてパフォーマンスにも制限が出ます。しかし、同社のサービスを利用すれば、グローバルに150ヵ所以上あるデータセンターの同社セキュリティゲートウェイを経由し、社内ネットワークに接続することなくアプリケーションに接続することができます。ネットワークセキュリティ業界で「ディスラプター」(創造的破壊者)として成功を収めつつあると考えられます。

【見通し・注目点】
「ゼロトラスト」(社内外からのネットワークへのアクセスを区別せず検証するセキュリティの考え方)の広がりの波に乗って、8-10月期決算は売上が前年同期比40%増、調整後EPSが同2.3倍、それぞれ市場予想に対して5%、36%上回ってきわめて好調です。2024年7月期について会社は、売上が前年比30%増で、純利益はGAAPベースで初めて黒字化を見込みます。調整後EPSは2.45〜2.48ドルを見込みます。

パロ アルト ネットワークス(PANW)   総合的サイバーセキュリティ会社の中で特に順調

【企業概要】
ファイアウォール、エンドポイント型ソフトウェア、セキュリティインテリジェンスなどの総合的なサイバーセキュリティサービスを提供する会社です。ネットワークセキュリティの「Strata」、クラウドセキュリティの「Prisma」、セキュリティオペレーションセンター(SOC)の「Cortex」などの製品を擁します。ネットワークセキュリティの分野では、シスコシステムズを抑えて17%のトップシェアを保有するとされます(IDCの調査)。地域別売上は、米州68%、欧州・中東・アフリカ20%、アジア太平洋12%と、グローバルに展開しています(2023年7月期)。

【会社の見方】
2024年7月期の売上は前年比18〜19%増が見込まれており、フォーティネット、チェックポイントソフトウェアテクノロジ、シスコシステムズなどの総合的にセキュリティサービスを提供する同業を上回ってシェアを拡大する見込みです。SASE(ゼロトラストの考え方を前提としたネットワーク、セキュリティ機能)やエンドポイントセキュリティソリューションなどのクロスセルが奏功しているとみられます。

【見通し・注目点】
8-10月期決算は売上が前年同期比20%増、調整後EPSが同80%増で、売上は市場予想並み、調整後EPSは市場予想を12% 上回りました。2024年7月期のガイダンスは、売上が前年比18〜19%増、調整後EPSは同22〜25%増に相当する5.40〜5.53ドルを見込みます。

バロニス システムズ(VRNS)     サブスクリプションへの移行で売上抑制も実態は好調

【企業概要】
文書、スプレッドシート、 プレゼンテーション、メディアファイル、およびその他のビジネスデータなどの非構造化(データベース化されていない)および半構造化データを整理、管理、保護するデータ管理システムを提供します。2005年に2人のイスラエル人によって創設され、研究施設は現在もイスラエルにあります。2022年12月期の売上のうち、サブスクリプション収入が77%、ライセンス収入が23%です。

【会社の見方】
同社のシステムは、メタデータ(あるデータについて属性や関連情報を記述したデータ)を利用することで、データの整理、管理、保全を行うものです。サイバー攻撃への対応が主力分野となっている他のサイバーセキュリティ企業とは業務の重点が異なっています。

【見通し・注目点】
2023年12月期はサブスクリプションへの移行のため、売上の伸びは前年比5%増と低い予想ですが、移行の影響が小さくなるにつれ来期、再来期と伸びは徐々に高まっていく見込みです。7-9月期業績は、売上が前年同期比1%減と一見低調ですが、年間経常収益(ARR)は同16%増と健全な伸びが保たれています。調整後EPSは0.08ドルで同60%増です。

センチネルワン A(S)     人工知能(AI)を搭載したサイバーセキュリティプラットフォーム

【企業概要】
自律的なサイバーセキュリティ防御を可能にする人工知能(AI)を搭載した「Singularityプラットフォーム」を提供するサイバーセキュリティ企業。2013年にカリフォルニア州のマウンテンビューで創業、2021年6月に公募価格35ドルで新規上場しています。2023年1月末時点で顧客数は1万社以上(前年同期は6,700社超)、年間経常収益(ARR)が10万ドル以上の顧客が905社(同じく520社)。米国売上が66%、海外売上が34%です(2023年1月期)。

【会社の見方】
エンドポイント(ネットワークに接続されたPC、スマホなど)に人工知能(AI)を搭載することで自律型のサイバーセキュリティサービスを提供します。AIの力によってサイバー攻撃に対する検知、防御、復旧を行おうとするものです。他のサイバーセキュリティ企業もAIを活用していると思われますが、同社はAIを前面に押し出しています。エンドポイントに防御の重点を置いたセキュリティプロバイダーとして、クラウドストライクやブロードコムに買収されたVMウェアなどが主な競合企業です。

【見通し・注目点】
2023年1月期の売上が4.2億ドルとまだ小さく、高成長の段階です。同期の純損失は3.8億ドルですが、利益率は売上の拡大とともに縮小しつつあります。8-10月期決算は、売上が前年同期比43%増で市場予想を5%上回り、EPSは0.03ドルの赤字で前年同期の0.16ドルから赤字が縮小して市場予想の0.08ドルの赤字を上回りました。顧客数は11,500社以上、年間経常収入が10万ドル以上の顧客数が1,060社と順調な拡大を遂げています。

図表5 注目銘柄の業績表

  • 注:データは12/8(金)時点です。
    ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

免責事項・注意事項

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