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2024-05-04 03:12:12

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【米テック株ウォッチャー】QQQとSOX指数:利上げ終了観測で年末ラリーか?!

2023/11/8
投資情報部 李 燕

ナスダック100指数とSOX指数が11月に入ってから反発しました。今回は、その背景要因と見通しについて考察してみたいと思います。

図表1 主な言及銘柄

銘柄 株価(11/7) 52週高値 52週安値
インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ETF(QQQ) 372.70米ドル 387.98米ドル 259.73米ドル
ヴァンエック 半導体 ETF(SMH) 150.89米ドル 161.17米ドル 95.20米ドル
マイクロソフト(MSFT) 360.53米ドル 366.78米ドル 219.35米ドル
アマゾン ドットコム(AMZN) 142.71米ドル 145.86米ドル 81.43米ドル
エヌビディア(NVDA) 459.55米ドル 502.66米ドル 137.59米ドル
  • 注:ブル・ベアETFについては、レポートの最後にある注意事項をご確認ください。
    ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1 QQQとSOX指数:利上げ終了観測で年末ラリーか?!

ナスダック100指数とフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が11月に入ってから急反発しました。

主な上昇要因として、以下3つ挙げられると思います。
1)利上げ終了観測の強まり
2)米10年国債利回りの低下
3)テクニカル要因

1)利上げ終了観測の強まり
10/31-11/1に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)ではフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25-5.50%に据え置きすると発表し、2会合連続で利上げを見送りました。FOMC後の記者会見でパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、次回FOMC会合(12月)で利上げを決定することはあり得るとしつつも、引き締め局面は終了した可能性があると示唆しました。それを受け、市場では利上げ終了観測が一気に高まりました。

2)米10年国債利回りの低下
ナスダック100指数とSOX指数は、米10年国債利回りが4%台から5%台に急上昇した局面(7月-10月)では、売り優勢が続きました(図表2)。金利が上昇すると、テック企業の将来の利益評価額が目減りし、また債券と比較した際、相対割高感が意識されやすいためです。その後、米10国債利回りは10月末に急反落し、ナスダック100指数とSOX指数は反発しました(図表2と図表3参照)。

図表2 米10年国債利回りの年初来推移

※BloombergデータによりSBI証券が作成

米10年国債利回りの反落につながった主な出来事は、下記の通りです。
●10/31:米財務省が10-12月の借り入れ必要額見通しを下方修正
これまで市場では国債発行額の増加を見込んでおり、それが需給面で10年国債利回りの押し上げる要因として警戒されました。しかし、米財務省は予想外に借り入れ必要額の見通しを下方修正しました。

●11/1:パウエルFRB議長が利上げ終了の可能性を示唆
10/31-11/1のFOMCでの利上げ見送りは、おおむね市場予想通りでした。ただ、パウエルFRB議長が利上げ終了の可能性を示唆したことで、市場では利上げ終了観測が一気に高まりました。利上げ観測が急速にしぼみ、米10年国債利回りは低下しました。

●11/1-11/3:主要経済指標が景気減速を示す
米供給管理協会(ISM)が11/1に発表した10月の製造業総合景況指数は3カ月ぶりに低下し、市場予想を下回りました。11/3に発表された非農業部門雇用者数も市場予想以上に伸びが鈍化しました。これらの経済指標を受け、追加利上げ観測が一段と後退し、米10年国債利回りは低下しました。

3)テクニカル要因
図表3を確認してみると、ナスダック100指数とSOX指数はいずれもテクニカル指標であるRSI(14日)が短期的に売られ過ぎとされる30%に近いタイミングで反発しました。それを受け、今回の反発はテクニカル要因もあり、一部ではショートカバーによる部分もあると指摘されています。

図表3 ナスダック100指数とSOX指数の年初来推移

※BloombergデータによりSBI証券が作成

ナスダック100指数とSOX指数の株価トレンドを確認してみると、11/7の終値ベースでこれまでの下降トレンド・ライン(図表3の赤色の点線)をわずかながら上抜きました。したがって、テクニカル要因があったとは言え、トレンドの逆転を試している状況と言えそうです。

なお、10月末から11月初めてにかけては、主力企業の決算発表が集中しました。米代表的なテック企業7社のマグニフィセント・セブンでみた場合、全般的に7-9月期の決算内容は市場予想を上回りました。一方、今後については慎重な見通しが目立ちました(下記のデータ集(5)参照)。

実際、S&P500指数の予想EPS(1株当り利益)成長率についても同様な動向がみられました(図表4)。たとえば、今回の決算発表では2023年7-9月期の業績予想については上方修正が進みましたが、2023年10-12月期や2024年1-3月期については下方修正が目立ちました。

図表4 S&P500指数の予想EPS成長率の推移(前回の決算発表以降)

※BloombergデータによりSBI証券が作成、予想EPS成長率はBloomberg集計によるものです。

したがって、足元の株高は業績改善見通しよりも、上記の上昇要因1)-3)による部分が大きいと言えます。個別銘柄の一例として、メタ プラットフォームズ A(META)の株価動向を見てみると、7-9月期の好決算にもかかわらず、慎重な見通しを示したことで決算発表後は株価が急落しました。しかし、その後は利上げ終了観測の強まりや米10年国債利回りの低下を受けた地合い好転を受け、買い戻されました。

よって全般的にみて、利上げ終了観測や米10年国債利回りの低下が大きく崩れることがなければ、短期的に株価上昇は続くかもしれません。ただ、利上げ終了観測と米10年国債利回りの動向は、今後の経済指標やFRB高官の発言などで変わる可能性もある点には留意が必要かもしれません。

2 米国株式市場のデータ集とマグニフィセント・セブンのアップデート情報

データ集(1) 業種別S&P500指数と米10年債利回りの推移(年初来)

※BloombergデータによりSBI証券が作成

データ集(2) ナスダック100指数とSOX指数の年初来推移

※BloombergデータによりSBI証券が作成

データ集(3) ナスダック100指数とSOX指数のバリュエーション

※BloombergデータによりSBI証券が作成

データ集(4) 「マグニフィセント・セブン」の株価推移(年初来)

注:株価11/7までの推移です。
※BloombergデータによりSBI証券が作成

データ集(5) 「マグニフィセント・セブン」の騰落率と関連ニュース(10/25-11/7)

銘柄 騰落率
アップル(AAPL) 4.8% FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ見送りと米10年国債利回りの低下を受け、テック株が買われた。10/30に新型「MacBook Pro」などを発表したことも、買い材料となった。ただ11/3は、決算を受け小幅ながら反落した。7-9月期は4四半期連続の減収となったが、売上高は市場予想をやや上回った。売上高の5割を占める「iPhone」が前年同期比3%増収で市場予想と一致し、売上高の2割を占めるサービスは前年同期比16%増収で市場予想を上回り、ポジティブ材料となった。一方、売上高の1割を占める「Mac」は前年同期比34%減収となり、競争激化が懸念されている中国市場(※)が含まれている大中華圏(売上高の2割を占める)の売上高も予想を下振れし、ネガティブ材料となった(※カウンターポイント・リサーチによると、中国における7-9月のスマートフォン販売台数はファーウェイ製品が前年比37%増加したのに対し、アップルの「iPhone」は10%減少した。)10-12月期について経営陣は、「売上高が前年同期と同程度になる見込みだ」とし、市場予想(前年同期比5%増収)を下回る見通しを示した。
マイクロソフト(MSFT) 9.1% FRBの利上げ見送りと米10年国債利回りの低下、および市場予想を上回る決算を受け、大きく反発。11/7は終値ベースで年初来高値を更新した。マグニフィセント・セブンのうち、11/7時点で7月中旬の高値を上回った銘柄は同社のみとなっている。7-9月期決算は主力のインテリジェントクラウド事業(クラウドサービスの「Azure」が含まれている)の伸びが加速し、投資拡大にもかかわらず営業利益率も上昇した。「Azure」の成長について経営陣は、クラウドへの移行加速やシェア獲得、AIを中心とした新しいワークロードの開始を挙げた。また、Microsoft 365のAIアシスト機能である「Copilot」の有料ユーザー数は100万人を超えていると明かした。11/1にリリースした「Copilot」は、Open AIへの積極的な投資が実を結び初めていることを示し、中長期的に同社の業績を押し上げることが予想される。なお、Open AIは11/6に初の開発者会議を開催。生成AIモデル「GPT-4」の改良版「GPT-4 Turbo」を発表し、「GPT-4」より安価に提供できると発表。また、ユーザーは「ChatGPT」で特定タスクを実行できるカスタム版を作成できるようになると明かした。
アルファベットA(GOOGL) -5.7% 米10年国債利回りの低下を受けテック株が買われる中、逆行安となった。軟調な決算を嫌気した売りが響いた。7-9月期は主力の広告事業が堅調で、増収率も市場予想を上回り、動画共有サイト「YouTube」の広告収入は約2年ぶりの増収率とった。一方、成長分野として期待されているクラウドは市場予想以上に伸びが鈍化し、ネガティブ材料となった。折しも競合のマイクロソフト(MSFT)がクラウド事業の伸び加速を発表しただけに、同社の軟調さがクローズアップされた。AI活用の初期段階においても、マイクロソフトと明暗が分かれていることが示された。マイクロソフトが「Copilot」の有料ユーザー数は100万人に達したのに対し、同社経営陣はGoogleが開発したAIチャットボット「Bard」は検索エンジンにおいて初期の実験段階にあると表明した。
アマゾン ドットコム(AMZN) 11.0% 米10年国債利回りの低下や決算内容を好感し、大きく反発した。7-9月期は調整後EPS(1株当り利益)が0.94ドルとなり、前年同期(0.28ドル)より大きく上昇し、市場予想の0.58ドルを大幅に上回った。ネット通販事業が堅調だったほか、利益率の高い広告事業の成長が利益を支えた。クラウドコンピューティング事業のアマゾンウェブサービス(AWS)は売上高が市場予想をわずかに下回ったが、増収率は4-6月期と同水準を維持し、営業利益は3四半期連続の減少から増加に転じた。人員削減やコスト管理が功を奏した。決算発表会で経営陣は、過去数カ月間においてAWS事業で締結された新規契約は好調だと明かし、ポジティブ材料となった。なお、生成AIビジネスについては非常に急速に成長しており、同社にとって重要なビジネスになっていると示しながら、まだ比較的初期段階にあるとの認識を示した。
エヌビディア(NVDA) 5.3% ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道を嫌気し、下落する場面もあったが、米長期金利の低下を受けた地合い改善を支えに買い優勢となった。WSJは「エヌビディア、中国からの50億ドル受注に暗雲」の記事で、同社が「中国から受けた数十億ドル相当の来年分の注文に関し、キャンセルを余儀なくされる可能性が生じている」と報じた。報道後、一部のアナリストがそれによる影響は限定的だとし、投資判断「買い」を維持すると表明した。なお同報道後、11/7までのアナリストたちによる目標株価(Bloomberg集計)を確認してみると、わずかながら(1%)下方修正された。なお、半導体販売データの改善も同社株およびSOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)の回復につながった。米国半導体工業会(SIA)によると、9月の世界半導体売上高は前月比1.9%増加し、7カ月連続で前年比伸び率が改善した。株式の需給面では、株価が節目の400ドルで下値のサポート水準になると見込んだ買いも入ったとみられる。他方、その際の売買代金は増えておらず、「積極的な押し目買いがみられた」とも言い難い状況だった(8月の決算発表前は出来高を伴いながら上昇した)。11/21に発表予定の決算内容を確認したいとの思惑も強いようだ。なお、競合のAMDは決算発表の翌日(11/1)に9.7%上昇した。AI用の新チップの売上高が来年20億ドルに上る見込みだと示し、好材料となった。20億ドルはAMDの2022年12月期の売上高(236億)に比べれば規模としてそう大きくないが、AMDが初めてAI製品の売上高見通しを示したことが投資家に評価された。
テスラ(TSLA) 2.6% 米10年国債利回りの低下を受けた地合い改善で反発した。イーロン・マスク氏が10月中旬の決算発表会で軟調な需要見通しを示したことを嫌気し、同社株は200日移動平均を下回ったが、節目の200ドルを割った翌日に反発した。タイミングとしてはFRBの利上げ見送り・米長期金利の低下を受けた地合い改善と重なる。伝説的な投資家であるRon Baron氏がインタビューでテスラ株の時価総額は今後10年以内で4兆ドルに達する可能性があると強気見通しを維持したことも、買いを誘ったもよう。なお、11/6にロイター通信は、テスラはベルリン近郊の工場で最安(2.5万ユーロ、2.7万ドルに相当)の新型EV(電気自動車)を生産する計画だと報じた。報道を受け、11/6寄り付けで上昇したが、終値では小幅安で引けた。株価が200日移動平均を維持できるかどうかが警戒されたもよう。11/7はインド政府当局は同社のインド進出に必要な全ての認可を来年1月までに与えようと取り組んでいると、インド紙エコノミック・タイムズが報じた。また、11/7は同社が中国でグレードアップ版のモデルYの価格を引き下げる予定だと報じられた。当面、株価は200日移動平均を維持できるかどうかが注目されよう。
メタ プラットフォームズ A(META) 2.0% 決算を受け下落した後、米長期金利の低下による地合い改善で買い戻された。7-9月期は売上高や主力の広告収入、1株当り利益がそろって市場予想を上回った。営業利益率もコスト削減で前年同期の20%から40%に改善し、好決算となった。しかし、決算発表会で2024年12月期の売上見通しについて質問された際、経営陣が「マクロ環境が不安定であることを強調しておきたい。これは明らかに来年の広告市場に大きな影響を与えるあめ、私たちも非常に注視している。しかし、結局のところ、私たちはマクロ環境の変動に大きく左右される」と返答し、慎重な見通しを示したことがネガティブ材料となった。

※Bloombergおよび各種報道によりSBI証券が作成

データ集(6) ナスダック100指数とSOX指数の上位・下位騰落率5銘柄(10/25-11/7)

ナスダック100指数の構成銘柄
銘柄コード Bloomberg銘柄名 騰落率
DDOG データドッグ 16.3%
WBD ワーナーブラザース・ディスカバリー 15.2%
MELI メルカドリブレ 13.2%
INTC インテル 12.1%
MNST モンスター・ビバレッジ 11.9%
MRNA モデルナ -7.7%
FTNT フォーティネット -13.9%
ENPH エンフェーズ・エナジー -16.9%
ON オン・セミコンダクター -21.5%
ALGN アライン・テクノロジー -25.6%
SOX指数の構成銘柄
銘柄コード Bloomberg銘柄名 騰落率
MPWR モノリシック・パワー・システムズ 17.8%
INTC インテル 12.1%
AMD アドバンスト・マイクロ・デバイセズ 11.6%
QCOM クアルコム 10.4%
KLAC KLA 7.0%
MU マイクロン・テクノロジー 7.0%
TER テラダイン -5.0%
ALGM アレグロ・マイクロシステムズ -9.1%
ACLS アクセリス・テクノロジーズ -13.5%
ON オン・セミコンダクター -21.5%
LSCC ラティスセミコンダクター -23.7%

※BloombergデータによりSBI証券が作成

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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