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2024-05-04 12:04:35

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【米テック株ウォッチャー】前半に好調だったテック株、後半は?!

2023/7/5
投資情報部 李 燕

年前半の米国市場を振り返ってみると、テック株の好調さが目立ちます。今回はその要因に加え、年後半および足元の動向を左右する注目点を確認してみたいと思います。

図表1 主な言及銘柄 (Bloomberg銘柄名)

銘柄 株価(7/3) 52週高値 52週安値
テスラ(TSLA) 279.82米ドル 314.67米ドル 101.81米ドル
エヌビディア(NVDA) 424.13米ドル 439.90米ドル 108.13米ドル
アドバンスト マイクロ デバイシズ(AMD) 115.82米ドル 132.83米ドル 54.57米ドル
アップル(AAPL) 192.46米ドル 194.48米ドル 124.17米ドル
マイクロソフト(MSFT) 337.99米ドル 351.47米ドル 213.43米ドル
アマゾン ドットコム(AMZN) 130.22米ドル 146.57米ドル 81.43米ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1 前半はテック株が好調

早くも2023年の後半に突入しました。年前半の米国市場を振り返ってみると、テック株の好調さが目立ちます。

特に直近ではエヌビディア(NVDA)の時価総額が半導体企業として初めて1兆ドルを突破したことや、アップル(AAPL)が世界で初めて時価総額3兆ドルの企業になったことが話題を呼びました。両社が上位構成銘柄になっている情報技術は、S&P500指数の業種別騰落率で1位となりました(図表2)。

情報技術の年前半の上昇率は42.1%と高く、S&P500指数の15.9%を大きく上回りました。次いで2位は、情報技術と同じくテック株が中心のコミュニケーション・サービス(35.6%上昇)です。

図表2 S&P500指数の業種別騰落率(2023年前半)

※BloombergデータによりSBI証券が作成

3位は一般消費財・サービス(32.3%上昇)ですが、主なけん引役はテック大手のアマゾン・ドット・コム(AMZN)とテスラ(TSLA)です(図表3)。両社は時価総額ベースで同サブ指数の1位と2位に並びます。なお、テック株以外では、需要回復が続いているクルーズ旅行と住宅建設が堅調でした。

(住宅建設関連については、7/3付レポート「アメリカNOW! 今週の5銘柄 〜住宅建設に底入れの兆し、住宅関連銘柄に注目〜」をご参照願います。クルーズ旅行のカーニバル(CCL)については、「米国株式One Pager」をご参照願います。)

図表3 一般消費財・サービスの構成銘柄のうち、2023年前半に株価が好調な銘柄

一般消費財・サービス(指数の騰落率:32.3%)
銘柄コード Bloomberg銘柄名 関連分野 騰落率
CCL カーニバル クルーズ旅行 112.5%
TSLA テスラ 電気自動車(EV) 109.9%
RCL ロイヤル・カリビアン・クルーズ クルーズ旅行 77.9%
NCLH ノルウェージャンクルーズライン・ホールディングス クルーズ旅行 70.6%
PHM パルトグループ 住宅建設 55.2%
AMZN アマゾン・ドット・コム EC・クラウド 54.2%
CMG チポトレ・メキシカン・グリル レストラン運営 38.5%
LEN レナー 住宅建設 37.7%
NVR NVR 住宅建設 37.5%
KMX カーマックス 中古車販売 36.5%
DHI DRホートン 住宅建設 34.0%

※BloombergデータによりSBI証券が作成

情報技術とコミュニケーション・サービスの構成銘柄のうち、株価が好調だった銘柄は図表4の通りです。

情報技術では、AI(人工知能)ブームでエヌビディア(NVDA)が189.5%上昇、そのエヌビディアの後を追うアドバンテスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)が75.9%上昇し、半導体株が上昇をけん引しました。その他は、サイバーセキュリティやソフトウェアも大きく買われました。これらの銘柄の共通点は、AI関連銘柄です。コミュニケーション・サービスでも、AIを導入し活用しようとしているメタ・プラットフォームズ(META)やネットフリックス(NFLX)、アルファベット(GOOGL)が堅調でした。

総じてみると、年前半の米国市場は、AI関連を中心としたテック株が好調でした。

図表4 情報技術とコミュニケーション・サービスの構成銘柄のうち、2023年前半に株価が好調な銘柄

情報技術(指数の騰落率:42.1%)
銘柄コード Bloomberg銘柄名 関連分野 騰落率
NVDA エヌビディア 半導体 189.5%
PANW パロアルト・ネットワークス サイバーセキュリティ 83.1%
AMD アドバンスト・マイクロ・デバイセズ 半導体 75.9%
CRM セールスフォース ソフトウェア 59.3%
AVGO ブロードコム 半導体 55.1%
FTNT フォーティネット サイバーセキュリティ 54.6%
LRCX ラムリサーチ 半導体 53.0%
MPWR モノリシック・パワー・システムズ 半導体 52.8%
ON オン・セミコンダクター 半導体 51.6%
AAPL アップル スマホ・PC 49.3%
AMAT アプライド・マテリアルズ 半導体 48.4%
CDNS ケイデンス・デザイン・システムズ ソフトウェア 46.0%
ORCL オラクル オラクル 45.7%
ADBE アドビ ソフトウェア 45.3%
NOW サービスナウ ソフトウェア 44.7%
コミュニケーション・サービス(指数の騰落率:35.6%)
銘柄コード Bloomberg銘柄名 関連分野 騰落率
META メタ・プラットフォームズ ソーシャルネットワーク 138.5%
NFLX ネットフリックス インターネットTV 49.4%
TTWO テイクツー・インタラクティブ・ソフトウエア ゲームソフト 41.3%
GOOGL アルファベット インターネット検索 35.7%

※BloombergデータによりSBI証券が作成

2 テック株が買われた要因

テック株が買われた要因は、主に以下の3つと考えられます。

1)早期の利上げ停止や利下げに対する期待
2023年前半に好調だった3業種(情報技術、コミュニケーション・サービス、一般消費財・サービス)は、2022年はS&P500指数以上に大きく下落した3業種でもあります(図表2)。振り返ってみると、2022年の調整はテック株にとって有利な低金利環境が逆転したためです(図表5)。しかしながら、2022年終盤にかけてインフレに鈍化傾向が確認されると、2023年に入ってからは早期の利上げ停止や利下げに対する期待が高まりました。金利に敏感なテック株にとって地合いの好転となり、2023年前半は買戻しの展開が続きました。

図表5 FFレート、CPI、S&P500指数と3業種サブ指数の推移(2021年以降)
(FFレートは米政策金利のフェデラル・ファンド金利、CPIは消費者物価指数、なおそれ以外の指数は2020年12月末=100として指数化)

※BloombergデータによりSBI証券が作成

2)AIブームを背景とした業績期待と業績見通しの堅調さ
2023年前半は生成AIのChatGPTが人気を博し、AIブームが巻き起こっていました。特に1/23にマイクロソフト(MSFT)がChatGPTを開発したOnen AI(未上場)に100億ドルの巨額投資を行うと発表した後、AI投資の恩恵を受けるとされる半導体株が大きく買われました。その後、AIブームは広がりをみせ、AIの導入や活用を表明している企業まで幅広く買われました。

投資家はAIへの投資拡大やAIの導入・活用により、関連企業の業績拡大を期待しました。AI半導体王者のエヌビディア(NVDA)が5/25に予想を大幅に上回る決算を発表したことも、業績期待を押し上げました。エヌビディアは生成AI関連製品の好調な需要を支えに、2024年1月期2Q(5-7月期)の売上高は前年同期比64%増になる見込みだと発表しました。エヌビディアの好調な業績見通しは、AI投資で最も恩恵を受ける企業としての極端な事例という側面は否めませんが、AIブームに乗り遅れることを恐れる投資家は、他の企業に対しても強い業績期待を寄せました。

もっとも、情報技術やコミュニケーション・サービス、一般消費財・サービスの業績見通しは、他の業種より良好なことも株高を支えています。各業種の四半期ベースのEPS(1株当り利益)成長率を確認してみると(図表6)、年前半に最も上昇した3業種は、2023年第2四半期(2Q)以降高い回復が見込まれています。なお、予想EPS成長率には、ある程度AIブームへの期待も入っているかもしれません(たとえば、エヌビディアの場合は5月の決算発表後、アナリストたちが業績予想を大幅に上方修正しました)。また、半導体株の業績予想には、半導体市況の底打ちに対する期待も入っています。

図表6 業種別S&P500指数のEPS成長率(四半期ベース)
(EPSは1株当り利益、2023年2Q以降はBloombergが集計した市場予想値)

※BloombergデータをもとにSBII証券が作成

3)リセッション懸念を背景とした大型テック株への逃避買い
年前半の米国市場では、地銀3行の破綻という衝撃的な出来事もありました。地銀破綻がもたらす中長期的な影響については議論も多く現時点で不明ですが、短期的には早期の利上げ停止や利下げへの期待につながりました。また、今後の信用収縮に対する懸念から、潤沢な現金を保有する大型テック株の優位性が注目されるようになりました。現金や現金同等物の保有額が突出して多く、バランスシートが健全なアップル(AAPL)やアルファベット(GOOGL)、マイクロソフト(MSFT)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)など大型テック株が買われたのはこのような背景もあります。

3後半は?!

年前半に好調だったテック株が後半も堅調を続けるかどうかは、テック株の株高を支えた要因が今後どう変わるかに左右されそうです。

まず、米政策金利の動向に関しては、年内の利下げ期待は後退しつつあるものの、利下げ停止に対する期待は維持されています(図表5の市場が織り込むFFレートのターミナルレートを参照)。ただ、今後の経済指標次第で金利動向が変わる可能性もあるため、留意が必要かもしれません。

次に、業績見通しについては、図表6にありますように、2023年2Q以降は情報技術やコミュニケーション・サービス、一般消費財・サービスが堅調に推移すると見込まれています。

ただ、2024年以降は情報技術とコミュニケーション・サービスよりも一般消費財・サービスの伸びが加速する見通しです。足元で一般消費財・サービスの方がよりパフォーマンスが良い(図表5の一番右側)のは、来年以降の業績見通しを織り込もうとする動きを示しているかもしれません。業績修正の動向からも、足元では一般消費財・サービスの上方修正が目立ちます(図表7)。(一般消費財・サービスの関連銘柄は図表3をご参照願います。)

図表7 業種別S&P500指数の12カ月先EPSの修正動向(%、週間ベース)

※BloombergデータをもとにSBII証券が作成

最後に、リセッション懸念については、今はリセッション自体よりも、軽いリセッションで済むか、それとも深刻なリセッション入りとなるかで(専門家の間でも)意見が分かれています。深刻なリセッション入りとなった際、優良な大型テック株も調整を強いられる可能性があります。ただ、潤沢な現金を保有し、バランスシートが健全な大型テック株はある程度のバッファを持っていることは変わらないと言えそうです。

なお、短期的に最も重要なのは、間もなく始まる決算シーズンで企業が示す業績見通しとなりそうです。前半のテック株の株高は業績回復やAIブームを背景とした業績拡大期待による部分も大きいため、その期待を持ち続けていいかどうかを判断するに当たり、企業業績の実績に加え、企業側が示す見通しに注目する必要があります。

2023年1Qの決算発表時の同じように、そして足元の業績予想(図表6)通り、テック株が総じて底堅い業績見通しを示した場合、テック株は一段高を試す展開となりそうです。他方、期待に反して慎重な見通しを示す企業が多い場合は、利益確定売りに警戒する必要があるかもしれません。

主力のテック株の決算予定と決算速報は「米国株決算速報」でご確認いただけます。

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