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「ChatGPT」で注目高まる「生成AI」の注目銘柄

2023/3/8
投資情報部 榮 聡

「ChatGPT(チャットジーピーティ)」の文章作成能力の高さに驚きが広がり、AI利用が新たな段階に入る可能性が株式市場で取りざたされています。その場合に注目される注目銘柄について、AI計算の市場を支配するエヌビディアを中心にご報告いたします。

図表1 注目銘柄リスト

銘柄 株価(3/7) 52週高値 52週安値
エヌビディア(NVDA) 232.88ドル 289.46ドル 108.13ドル
マイクロソフト(MSFT) 254.15ドル 315.95ドル 213.43ドル
アルファベット A(GOOGL) 93.86ドル 143.79ドル 83.34ドル
アップル(AAPL) 151.60ドル 179.61ドル 124.17ドル
アマゾン ドットコム(AMZN) 93.55ドル 170.83ドル 81.43ドル
シースリーエーアイ A(AI) 26.14ドル 30.92ドル 10.16ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1 注目集める「ChatGPT」、AIの利用は新たな段階へ!?

今回は人工知能(AI)を取り上げます。人工知能による「ChatGPT」の文章作成能力に驚きが広がり、世の中のAI利用の段階が一段上がる可能性があると注目されています。

〇「ChatGPT」の優秀さが注目を集める

「ChatGPT」は米国のOpenAI社が開発した人工知能によるチャットボット(チャットができるロボット)です。2022年11月30日にプロトタイプが公開され、幅広い分野の質問に人が書いたような詳細な回答を生成できることから注目を集めています(図表2)。

アクティブユーザー数が1億人に到達する期間は史上最速の2ヵ月で、注目度の高さがうかがえます。これまでの記録は、TikTokが9ヵ月、Instagramが2年半だったそうで、圧倒的に短くなっています。

「ChatGPT」は「AI言語モデル」なので、例えば、「いま注目の投資テーマは?」とか、「今年の米国のGDP成長率はいくら?」とかいった質問にはズバリ答えてはくれません。しかし、ネットの情報を背景とした知識量は人間が到底敵わないと思わせるもので、実際に米国の医師資格試験、弁護士資格試験、MBAの試験などで合格ラインを突破したとの検証結果も出ています。

また、「ChatGPT」が回答する文章の正確さは、これまでのチャットボットとはレベルが違う印象です。決して万能ではなく、簡単な間違いが多いのも事実ですが、ネット上にある情報を要領よくまとめてくれますので、調べもののアシスタントとして使う分には非常に優秀だと思われます。

〇「生成AI」でAI利用は新たな段階へ

「ChatGPT」のGPTはGenerative Pre-trained Transformerの略で、重要なポイントは「Generative(ジェネレーティブ)」、つまり、「生成する」にあります。

人工知能(AI)が世の中で広く利用されるようになってから7、8年経っていますが、いままで利用されてきたAIは基本的には「分類器」でした。例えば、ある人がネットで閲覧した服について、似ているとAIが「分類した」服を、「こちらはどうですか?」と推奨するようなことに使われていました。

しかし、「ChatGPT」に代表される「生成AI」は世の中にない新しいものを創造する点でこれまで使われてきたAIと異なっています。このため世の中のAI利用が新たな段階に入る可能性があり、動向を注視していく必要があると考えられます。

ガートナージャパンのWEBサイトに掲載されているレポート「ChatGPTを越えてその先へ:企業におけるジェネレーティブAIの未来」では、「現在注目を集める「ChatGPT (チャットジーピーティー)」は、コンテンツやデータをAI自身が創出する「ジェネレーティブAI」のほんの始まりにすぎません。企業では、はるかに高度な方法でジェネレーティブAIが活用されていきます。」と宣言されています。

同レポートは具体的な事例として、医薬品設計、材料科学、半導体チップ設計、データの合成(例えば、個人情報を隠して現実のデータを生成するようなこと)、機械部品の設計などの分野でジェネレーティブAI(生成AI)の利用が進む見通しとしています。

〇筆頭の注目銘柄はエヌビディア

「生成AI」の関連銘柄には、いろいとあります。「ChatGPT」を事業に利用すると発表して注目を集めたマイクロソフト(MSFT)をはじめ、従来からAIに対する投資を行い、既にAIを利用した各種サービスで知られるアルファベットA(GOOGL)アップル(AAPL)アマゾンドットコム(AMZN)などのIT大手、AIに特化した新興企業のシースリーエーアイ A(AI)などがあげられます。

しかし、何と言ってもGPU(グラフィックプロセッサ)を主力とする半導体メーカーのエヌビディア(NVDA)が筆頭の注目銘柄と言えるでしょう。同社が提供するGPUコンピュータは、AI計算の大部分を担うインフラとなっているため、AI利用の増加による恩恵をもれなく受けられると考えられるからです。

一方、エヌビディア株の予想PER(今期予想基準)は50倍超(3/7(火)終値232.88ドル、2024年1月期予想EPS4.42ドル)とかなり高く、AI関連の筆頭銘柄だとわかっていても買いにくいのも事実です。昨年から長期金利が上昇して多くのテクノロジー銘柄のPERが大幅に調整した現在であれば、なおさらです。

そこで、次節では、エヌビディア株はなぜ高いPERまで買われているのか、つまり、高成長が期待される分野でいかに高い参入障壁を築いているかについて解説いたします。

図表2 「ChatGPT」の検索トレンド

注:縦軸は選択期間で最高の検索数を100として指数化したものです。
※Google TrendsのデータをもとにSBI証券が作成

2 エヌビディアがAI計算市場を支配する理由

50倍を超える予想PERが付いているエヌビディアの株が買えるかどうかは、AI計算に使われるGPUの市場でエヌビディアが築いた参入障壁がどれくらい高いのか、高シェアを維持したままAI計算市場の高成長を享受できるのか、にかかっていると考えられます。その点について、以下ご説明します。

〇AI計算とGPUの関係

AIの研究者がニューラルネットワークの計算処理を行うのにCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)では負荷が高過ぎて難しかったものが、GPU(グラフィック・プロセッシング・ユニット)を使うと効率的に計算できることを「発見」して、GPUとAIの間に関係ができました。

CPUは「逐次処理」に最適化された数個のコア(計算処理の単位)から成りますが、GPUは複数のタスクに同時に対応できるよう設計された何千もの小さいコアで構成されているため「並列処理」が得意です。

これは画像を動かすためには同時に数多くの図の頂点の位置を計算する必要があるためにこのような構造になったものですが、これがAI計算を処理するのに合っていたというわけです。

このことから、AI計算にはGPUが必要で、たとえCPUの性能が向上したとしても代替できず、別の市場が確立されていることがお分かりいただけるでしょう。

〇エヌビディアがAI計算を支配する理由

GPUを製造している企業は、世界でエヌビディア、AMD、インテルに限られます。エヌビディアはGPU中心で、AMDはCPUではインテルと競合し、GPUではエヌビディアと競合しています。インテルはCPUが中心で、GPUも手掛けますが、CPUの一部にGPUを組み込んだものが主で、通常GPU市場のプレーヤーとはみなされません。

ネットに公開されている情報(「HARDWARETIMES」の記事)によると、2022年7-9月期のPC向けGPUのシェアは、エヌビディアが72%、インテルが16%、AMDが12%となっています。これはAI計算に使われるGPUのシェアではありませんが、GPU市場での各社の力関係がうかがえ、エヌビディアが非常に強いことがわかります。

さらに、AI向けのGPUでは、エヌビディアの優位はさらに強まります。というのもエヌビディアは、GPUを科学計算に使うことを目的としたソフトウェア群「CUDA」(Compute Unified Device Architecture)を2006年に発表、大学での講座を設けるなどして地道に普及に努めていたためです。

これがGPUをAI計算に応用するときに役立つこととなりました。2016年の時点で、エヌビディアはGPUをAI計算に使うにあたり、10年間のリードを確保できることとなりました。

以降、エヌビディアのデータセンター向け売上は同社の成長をけん引して、2023年1月期には50%を超えるまでになっています。2020年4月に買収したデータセンターネットワークのメラノックスも構成比上昇に寄与していますが、AI計算が成長をけん引しているとみられます。

AMDもGPUがAI計算に使えることが判明して開発を始めたと考えられますが、エヌビディアが築いた参入障壁は大きいと考えられます。当面、エヌビディアの優位は揺るがないと考えられます。

〇AMDのAI計算における動き

AMDもデータセンターでのAI計算を処理するための製品(「AMD Instinct」シリーズ)を投入していますが、売上規模は公表されていません。

AMDの2022年12月期のセグメント情報では、データセンター向けの売上が60.4億ドル、売上構成比は26%です。このうち、中心となるのはサーバー向けCPUの「EPYC」とみられ、このほかにも、FPGAs、アダプティブSoCs、DPUsなどの売上が計上されており、最後にAI計算に用いられているとみられる「データセンターGPU」があげられています。

このため、AI計算に使われるGPU製品の売上は、おそらく10億ドルには達していないとみられます。2023年1月に150億ドルを売り上げたエヌビディアとは大差がついていると考えられます。

図表3 エヌビディアのデータセンター売上

※BloombergデータをもとにSBII証券が作成

3 マイクロソフトへのインパクト

マイクロソフトも「生成AI」の関連銘柄と考えられますが、いまのところ、そのインパクトはエヌビディアとの比較で限定的と考えられます。

〇「ChatGPT」を利用して「Bing」のシェア拡大を狙う

「ChatGPT」が株式市場で注目を集めたのは、マイクロソフトがこれをネット検索サービスの「Bing」やブラウザーの「エッジ」に組み込んで事業のテコ入れを行うと発表したことがきっかけでした。

マイクロソフトのネット検索事業は同社が保有する数多い事業の一つで、2022年6月期の売上構成比は5.8%に過ぎません(図表4)。このため、数年後に「Bing」の売上が仮に倍になったとしても会社が変わるというようなインパクトは期待できません。ネット検索の市場は、世界、米国ともグーグルが圧倒的なシェアを保有しています(図表5)。

ただし、グーグル社内ではマイクロソフトの動きに対して経営陣が「コード・レッド(緊急事態)」を発出したと報道されており、また、これを裏付けるように「ChatGPT」に類似の対話型AIサービス「Bard」を急遽発表しています。

「ChatGPT」のインパクトが意外に大きくなる可能性もあるため、注視していく必要があるでしょう。

〇OpenAIへの投資リターンは無制限ではない

株式市場では、「ChatGPT」を開発したOpenAI社にマイクロソフトが出資している点にも注目しています。ただし、投資のリターンはOpenAI社の会社構造によって無制限でないことに注意が必要です。

OpenAIは、営利法人のOpenAI LPと、その親会社で非営利法人のOpenAI Inc.からなる人工知能研究所です。2015年7月に現CEOのサム・アルトマン氏やイーロン・マスク氏を含む10名が10億ドルを拠出して設立されました。

2019年にはマイクロソフトとマシューブラウンカンパニーズから10億ドルの投資を受けています。ただし、現在マイクロソフトの出資比率がいくらになっているかは、公表されていません。

マイクロソフトが出資したOpenAIは営利法人ですが、事業が成功してもリターンに上限が設けられており(「get capped return」)、この上限から超過した利益は非営利法人のOpenAI Inc.に配分される仕組みになっています。

上限のリターンがいくらか開示されていませんが、OpenAIの成功によってマイクロソフトの出資に対して無制限のリターンを得ることはできません。

図表4 マイクロソフトの事業別売上高(2022年6月期)

※BloombergデータをもとにSBII証券が作成

図表5 検索エンジンのシェア(2020年7月〜2021年7月)

※statcounterの公表データをもとにSBI証券が作成

免責事項・注意事項

  • 本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。
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