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2024-05-04 08:40:35

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景気減速に抗う要素をもつネットフリックス、テスラ、アメックス、デルタエアーラインズ、スターバックス

2023/2/8
投資情報部 榮 聡

米国企業の10-12月期決算は低調で、景気鈍化を背景に通年の予想EPSは下方修正が続いています。インフレピークアウトを背景に回復してきたPER(株価収益率)は十分な水準に達したとみられ、当面の米国市場は反落が警戒される局面です。そのような投資環境下で注目できる銘柄として、景気減速に抗う要素を個別にもつものを5つ選んでご紹介いたします。

図表1 注目銘柄

銘柄 株価(2/7) 52週高値 52週安値
ネットフリックス(NFLX) 362.95ドル 412.98ドル 162.71ドル
テスラ(TSLA) 196.81ドル 384.29ドル 101.81ドル
アメリカン エキスプレス(AXP) 178.70ドル 199.55ドル 130.65ドル
デルタ エアーラインズ(DAL) 39.59ドル 46.27ドル 27.20ドル
スターバックス(SBUX) 106.83ドル 110.83ドル 68.39ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1 10-12月期決算を受けて通期予想EPSは下方修正

今回は米国の10-12月期決算をとりあげます。第1節では企業業績の集計ベースの状況と相場へのインパクト、第2節では概ね不振となったGAFAMの決算概要、第3では好決算と考えられる注目銘柄を5つご紹介いたします。

10-12月期決算は低調

米国企業の10-12月期決算発表は、テクノロジー大手の決算発表も終わり、2/7(火)時点で社数的にもS&P500指数採用銘柄の58%が発表済みとなって大勢は判明しつつあります。

Bloombergの集計によりますと、S&P500指数採用銘柄で2/7(火)までに発表された291社について、売上は前年同期比5.2%増、EPSは同3.1%減、市場予想に対して売上は1.0%上回り、EPSは1.4%上回っています。

2020年7-9月期以来となる減益に陥り、市場予想に対する上回り方も通常よりも小さく、低調な印象の決算でした。現時点では、S&P500指数の四半期業績は、2023年1-3月期、4-6月期とも減益見通しで、プラスに転じるのは年後半からの予想です(図表2)。

通期予想EPSの下方修正が続く

10-12月期決算発表を踏まえたアナリストによる通年の予想EPSは、図表3の通り2022年予想、2023年予想とも下方修正が続いています。昨年7月に下方修正に転じ、7月以降も10月、1月と四半期決算の結果が織り込まれるタイミングで下方修正の幅が大きくなるということが繰り返されており、底入れの兆しは見えていません。2023年予想EPSに関する昨年6月末からの下方修正率は10%に達しています。

米国のGDP成長率は政策金利引き上げの影響で今後低下することが見込まれているため、企業利益の下方修正がいつ頃まで続きそうか、また、どの水準まで下方修正されそうか、これから年央にかけて確認することになりそうです。

現在のところ2023年予想EPSは前年比5%増と増益予想が維持されていますが、増益幅が縮まる可能性のほうがまだ高そうです。

相場へのインパクトは?

このようなEPSの下方修正は相場にどのような影響を与えるでしょうか?

年初来の株価上昇は、インフレピークアウトとFRBの利上げ姿勢の後退が主因で、株式需給の改善も後押ししたとみられます。S&P500指数の予想PERは、2/7(火)終値で18.8倍と現在の投資環境下で決して割安とは言えない水準まで上昇しています。

一方、株価を決めるもう一つの要素であるEPS(1株当たり利益)では、上述のように景気鈍化によって企業業績がどこまで下方修正されそうか、これから確認するところです。これが確認できるまでは、株価の上値は重い状況が想定されます。

米国経済については、景気後退に陥ったとしても浅いだろうというのが大方の見方ですので、S&P500指数は昨年10月の安値(3,491.58ポイント)は割り込まないとみていますが、持続的な上昇は期待しづらいでしょう。

図表2 S&P500指数の四半期EPS推移

注:2022年4Qは、2/7(火)までに発表済の291社の集計によります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表3 S&P500指数の予想EPS推移

※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

2 不振決算が多かったGAFAM、一方底入れの兆しも

本邦個人投資家の保有が多く、相場全体への影響も大きい、テクノロジー大手GAFAMの決算を概観しておきましょう。

今回も7-9月期に続いて冴えない決算が多く、不振の要因も以下のように前回同様でした。

(1)いずれもグローバルに事業展開しているため、ドル高による売上・利益の目減りの影響が大きい
(2)景気動向に左右されやすいネット広告の減速が予想以上となっている(主にメタプラットフォームズ、アルファベット)
(3)クラウドサービスの売上にも減速傾向が継続(アマゾンドットコム、マイクロソフト、アルファベット)

一方、1-3月期の見通しについては図表4にまとめた通り、全体としては景気減速の影響で低調な中、底入れや改善の兆しがみられるものもあります。

アップル(AAPL)
10-12月期は減収減益で市場予想も下回る不振な決算でした。製品別売上は、iPhoneが前年同期比8%減、マックが同29%減と不振の一方、サービスは同6%増を維持、地域別売上では、米州が同4%減、中華圏が同7%減でした。

一方、クックCEOは決算説明会で「供給問題がなければ、iPhoneの売上は増加していた」、今後については「中国の供給問題は落ち着いている」と説明しました。市場では10-12月期は一時的な供給問題で押し下げられた決算で、基調はさほど悪くないと判断しているようです。

マイクロソフト(MSFT)
10-12月期決算は市場予想並みで、1-3月期の売上見通しも冴えませんでした。パソコンOSなどの落ち込みでモアパーソナルコンピューティング部門の売上が前年同期比19%減となって全体の足を引っ張りました。「アジュール」およびその他クラウドサービスの売上は前年同期比31%増と7-9月期の同35%増から伸びが低下しました。

「アジュール」およびその他クラウドサービスの1-3月期売上成長率は、10-12月期より4〜5ポイントの低下を見込みますが、クラウドの中期的需要は引き続き旺盛としています。人材や不動産への支出削減を行う一方、AI向けなど長期的な機会への投資は続けます。オープンAI(人工知能の研究所)と提携して、「ChatGPT」を検索サービスの「Bing」、ブラウザーの「エッジ」に組み込む動きが注目されています。

アマゾン ドットコム(AMZN)
10-12月期決算は、サードパーティセラー、サブスクリプション(動画配信など)、広告サービスなどの売上が市場予想を上回って、売上・EPSとも市場予想を上回りました。しかし、同社の利益成長をけん引するクラウドサービスのAWS売上は前年同期比20%増を確保したものの、市場予想を下回って、全体としてはネガティブな印象となりました。

1-3月期の業績見通しは売上、営業利益とも市場予想を下回りました。

アルファベット A(GOOGL)
主力の広告事業が景気減速の影響を受けて冴えない決算でした。広告収入は前年同期比4%減で市場予想も下回り、検索連動型広告、ユーチューブ広告とも減収でした。一方、クラウドは同32%増で市場予想も上回りました。

前年同期の売上水準が高いこともあって、コンセンサス予想では1-3月期の売上は前年同期比13%減に落ち込む見込みです。

メタ プラットフォームズ A(META)
10-12月期決算は、ネット広告市場が景気減速の影響を受けていることを背景に減収減益で冴えない決算でした。しかし、広告単価は前年同期比22%減の一方、アドインプレッション(広告表示回数)は同23%増となったことがポジティブサプライズとなり、内容は懸念されたほど悪くないと捉えられました。これを受けて決算発表翌日の株価は23%の大幅上昇となりました。

さらに決算説明会でコスト削減、投資抑制の方向性を打ち出したことが好感されました。今期のフリーキャッシュフローは大幅な改善が期待されます。今期の予想EPSに関しては、決算発表日を挟む過去4週で12%の上方修正となっています。

景気鈍化の中、低調な売上の伸びは当面継続しそうですが、2023年12月期の売上は前年比5%増、EPSは同11%増の予想です。

増収率は底入れへ

今後について各社の増収率を図表5のようにグラフ化してみると、大幅に悪化見込みのアルファベットを例外として2022年10-12月期から2023年1-3月期にかけて増収率は横ばいないし改善が見込まれています。

業績の底入れをうかがう企業が多くなっているのは明るい兆しと言えるでしょう。今後数ヵ月のうちに株式の買い場を迎える可能性がありそうです。

図表4 GAFAMの10-12月期決算概要

※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表5 GAFAMの増収率

※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

3 10-12月期決算を踏まえた注目銘柄

2/6(月)までに10-12月期決算を発表したS&P500指数採用銘柄から、注目銘柄をピックアップしました。

米国経済の成長率鈍化が顕在化する見通しのため、通常であれば景気感応度の低いディフェンシブ株が注目されます。しかし、昨年の株価下落の過程でディフェンシブ株はバリュエーションが高くなっているものが多い印象です。このため、「景気減速に抗う要素を個別にもつ」という視点で銘柄を選びました。

ネットフリックス(NFLX)

【広告付きプランの導入効果に注目】

・加入者純増が回復軌道にあります。昨年前半はこれがマイナスとなって同社の成長力がなくなったのではと懸念されましたが、7-9月期241万人増、10-12月期767万人増と回復しています。また、昨年11月に広告付きのプランを導入して売上成長が高まる可能性がある点も注目されます。中期的にはライブである必要のない番組ではまだまだ従来型TVを置き換えていくとみられ、成長余地は大きいとみられます。

・10-12月期の売上は市場予想並みで、前年同期比2%増、ドル高の影響を除くと同10%増と堅調な伸びを確保しています。営業利益は5.5億ドルと前年同期の6.3億ドルから減少ながら、3.3億ドルのガイダンスを上回りました。売上が予想以上だったことに加え、人員採用を想定よりも抑制したことがガイダンスを上回った要因です。1-3月期は、売上が前年同期比4%増、営業利益は同18%減のガイダンスです。

テスラ(TSLA)

【マスクCEOが製品需要に自信を示す】

・10-12月期決算は売上・EPSは市場予想を上回ったものの、自動車事業の粗利率とフリーキャッシュフローは予想を下回って、好悪まちまちでした。一方、マスクCEOは決算説明会で「投資家は需要に対する疑問を抱いているが、懸念を払拭したい。1月現在では過去最高水準の引合い、生産能力の2倍のオーダーがある。」「年初の値下げは当社の製品を求める一般顧客に手の届く価格にする必要性を踏まえたものでもある。」と発言して好感されました。

・2022年は、130万台を上回る出荷台数と営業利益率は前年比17%を達成しました。今後複数年にわたり年平均50%の成長を目指す従来計画に沿う形で増産を進め、2023年は約180万台の納車を見込みます。米国では2023年からEVの税額控除制度が拡充され恩恵が期待されます。また、売上の4分の1を占める中国市場では経済再開による改善も期待されます。

アメリカン エキスプレス(AXP)

【市場予想を上回る業績見通し】

・2023年12月期の業績見通しを売上が前年比15〜17%増、EPSは同12〜16%増相当の11.00〜11.40ドルとしました。市場予想を大きく上回って好感されました。2022年の新規カード獲得が12.5百万件に達し、顧客の利用頻度、顧客保持とも好調、かつ、プレミアム顧客が多いことを背景に信用指標も堅調と、事業モメンタムが強いことが背景にあるとみられます。

・10-12月決算はカード利用額が前年同期比12%増と好調で、売上はカード利用増に加えて金利収入の増加を受けて前年同期比17%増と拡大しました。一方、顧客サービスなどの費用が嵩んだことに加え、信用コストでは前年同期がプラスとなっていた反動もありEPSは同5%減となりました。ただ、一時要因による減益とみられます。事業の基調は堅調で、会社は1株当たり配当を0.52ドルから0.60ドルへ15%引き上げる意向です。

デルタ エアーラインズ(DAL)

【航空需要の回復傾向が続く】

・航空需要は順調に回復しているようです。10-12月期の売上は新型コロナ発生前の2019年10-12月期を8%上回り、回復が遅れているビジネス客の売上も同比較で80%の水準まできています。調整後の営業利益率は2019年10-12月期の12.5%に対して11.6%まで回復しました。同業のユナイテッドエアラインズ、アメリカンエアラインズの決算も市場予想を上回る回復を示しています。

・会社は航空需要の回復傾向が続く見通しとコメントしています。米国企業の96%がビジネストラベルは1-3月期は10-12月期に比べて、同レベルか増加すると答えているとの最近の調査結果を引用しています。2023年12月期については、売上は前年比15〜20%増、費用(有効座席マイル当たり費用)は前年比で改善、EPSは5〜6ドルへ増加の見通しで、2024年12月期のEPSは7ドル以上となる軌道に乗っているとコメントしています。

スターバックス(SBUX)

【中国事業の回復に期待】

・中国事業の回復が期待されます。2022年9月期の中国売上は9%を占め、同期末の中国店舗数は5,360店です。2020年9月期から22年9月期の店舗数の伸び率は、全社が15%であるのに対して中国は52%に達しており、中国は同社の成長をけん引する市場となっています。

・10-12月期決算では、グローバルの既存店売上が前年比5%増と堅調でした。北米は同10%増で店舗改装の効果が出て好調です。一方、中国は同29%減(市場予想は同13%減)と予想以上の低下で、7-9月期の同16%減からも落ち込みが拡大しました。中国では12月初めにゼロコロナ政策が解除された後に感染が急拡大して消費者の活動が大きく鈍った影響を受けたようです。しかし、会社は同国市場の今後の回復に自信をもっているとコメントしています。

図表6 注目銘柄の四半期決算と投資指標

※BloombergデータをもとによりSBI証券が作成

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