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EV最先端 〜テスラの販売実績と業績動向、値下げによる影響〜

2023/2/1
投資情報部 李 燕

EV世界最大手のテスラ(TSLA)の株価が2022年は65%下落しましたが、今年1月は一転して41%上昇しました。足元では株価の乱高下と値下げによる影響が注目されています。今回は、テスラの販売実績と業績動向、および値下げによる影響を確認してみたいと思います。

図表1 主な言及銘柄 (Bloomberg銘柄名)

銘柄 株価(1/31) 52週高値 52週安値
テスラ(TSLA) 173.22米ドル 384.29米ドル 101.81米ドル
フォード モーター(F) 13.51米ドル 21.05米ドル 10.61米ドル
BYD(01211) 245.00香港ドル 333.00香港ドル 161.70香港ドル
ニオ(NIO) 12.07米ドル 26.41米ドル 8.38米ドル
リーオート(LI) 24.90米ドル 41.49米ドル 12.52米ドル
シャオペン(XPEV) 10.64米ドル 41.33米ドル 6.18米ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1 テスラの株価動向

EV(電気自動車)世界最大手のテスラ(TSLA)は2022年に株価が65%下落しましたが、今年1月は一転して41%上昇しました。

昨年は米利上げを背景にハイテク株が調整したなか、テスラは上海のロックダウンによる生産への影響や中国の「ゼロコロナ政策」による需要への影響に加え、イーロン・マスクCEOによるツイッター(TWTR)買収劇が株価の下落を招きました。ツイッターの買収をめぐってはイーロン・マスクCEOが「テスラよりもツイッターの経営に関心と資源を集中(マスク氏はツイッター買収で合意した後、テスラ株を売却)」させているとの憶測を呼びました。

図表2 テスラの株価推移と主な出来事

※Bloombergおよび各種資料をもとによりSBI証券が作成

今年1月に入ってからテスラが上昇に転じたのは、米利下げ期待でハイテク株が買い戻された流れの一つ(たとえばナスダック指数は11%上昇)と言えます。また、テスラが販売価格を引き下げた後、テスラ車に対する注文が増加したとの調査結果に加え、テスラの予想を上回った決算と決算発表会でイーロン・マスクCEOが需要懸念を払しょくしたことも好材料となりました。

2 テスラの販売実績と業績動向

テスラの販売実績と業績動向は、図表3の通りです。まず、納車台数を確認してみると、2022年は131万台となり、前年比40%増でしたが、同社が掲げている「複数年で年平均50%増」の目標を下回りました。上海のロックダウンによる生産への影響や中国の「ゼロコロナ政策」による需要への影響が響きました。ただし、四半期ベースでみた場合、上海のロックダウンが解除された後は納車台数が回復しました。2022年10-12月期(4Q)は納車台数が40万5,278 台となり、市場予想をやや下回ったものの、過去最高を記録しました。

図表3 テスラの納車台数と調整後EPSの推移(四半期ベース)

注:EPSは1株当たり利益です。
※Bloombergおよび会社資料をもとによりSBI証券が作成

次に、業績動向を調整後EPS(1株あたり利益)で確認してみると、おおむねEVの納車状況と連動しています。2022年4-6月期(2Q)は上海ロックダウンの影響による販売減が響き、業績が鈍化しましたが、その後は販売回復とともに業績は持ち直しました。したがって、今後の業績を見通すうえで、販売動向が何よりも注目されます。ただし、足元では値下げによる利益率への影響も議論されはじめています。

3 値下げによる影響

テスラは2022年10月に主力市場の中国でEV販売価格を引き下げ、2023年1月には中国で再値下げを実施し、米国でも販売価格を引き下げました。テスラの動きを受け、中国では一部の新興EVメーカー(たとえば、シャオペン(XPEV))が値下げに追随し、米国では自動車大手のフォード モーター(F)が主力EV車の値下げを発表しました。EV世界最大手であるテスラの値下げを引き金に、EV市場は「価格戦争」へ突入したと言われています。

【販売への影響】
中国と米国はテスラの主力市場であるため、値下げによる販売への影響が懸念されています。販売への影響がどの程度なのかは、米中のEV市場の状況にも左右されると思われます。

米中のEV市場の状況を確認してみると、大きな違いはEVの普及段階と補助金政策の動向です。たとえば、世界に先駆けてEVの普及が進んでいる中国では、EVを購入する際に支給される補助金が2022年末をもって終了しました(ただ、一部の地方政府は独自のEV支援措置を出しています)。一方、EVの普及が始まったばかりの米国では、バイデン大統領が2022年8月に「インフレ抑制法案」に署名し、EVの税額控除に関する条項を2023年1月1日に発効することを決めました。

米中のEV市場の共通点は、いずれもテスラが市場シェア首位であることです。ただし、ここ1-2年はテスラを追い上げるべく、新興EVメーカーや既存自動車メーカーが攻勢をかけており、テスラは米中でともに小幅ながらシェアの低下に見舞われています。

テスラの値下げは、このような競争激化と補助金政策への対応と言えます。補助金政策が終了する中国では、テスラの値下げは消費者にとってみればテスラのEVが補助金政策があった2022年と同様(あるいはそれ以上)に手に届きやすくなります(図表4)。米国では値下げによってEV税制優遇措置の対象が増えるため、需要喚起につながる可能性があります。

図表4 自動車メーカー別の中国での自動車販売価格の推移

※BloombergデータをもとによりSBI証券が作成

他方、米中のEV市場では、いずれも需要の不透明感があります。中国では補助金政策の終了と「ゼロコロナ政策」の撤廃によるEV販売への影響がどう拮抗するか、米国ではリセッションの度合いによる販売への影響がそれに当たります。

したがって、今後の注目点は、値下げによる需要喚起の効果となりそうです。つまり、値下げによる需要喚起で需要鈍化に対する懸念を払しょくできるかどうかです。それに対してイーロン・マスクCEOは、決算発表会でポジティブな見方を示しました。同氏は、「1月のこれまでの注文は生産能力の約2倍だ」とコメントし、値下げが需要喚起につながっているとの認識を示しました。

同氏はまた、2023年の納車台数見通しについて180万台(前年比37%増、市場予想を下回る)と提示しながら、「サプライチェーンの混乱や他の深刻な問題がなければ生産台数は200万台の達成も可能で、それくらいの需要もあろう」との見方を示しました。同氏の見方はやや楽観すぎるとの指摘もあるため、今後は販売の実績を確認する必要があります。他方、過去に中国で値下げを実施した際は販売拡大につながっていたため、その経験が経営陣の自信につながっている可能性もあります。


【利益率への影響】
テスラが1月に値下げを発表した後、アナリストたちはテスラの自動車事業の粗利益率を下方修正しました。値下げにより利益率の低下を見込んだためです。他方、他の自動車メーカー(EV事業)と比較した際、テスラの利益率は比較的高く、値下げの「余裕」があるとも言えます。

図表5 テスラの納車台数と自動車事業の粗利益率(2023年はブルームバーグのコンセンサス予想)

※BloombergデータをもとによりSBI証券が作成

テスラはEV産業が黎明期から成長期へ入るに伴い、競争に勝ち抜くためにある程度の利益を犠牲にする覚悟で規模とシェア獲得を優先する戦略に出た可能性があります。今後は、利益率への悪影響を抑えながら、販売拡大とシェア獲得を実現できるかどうかが注目されます。

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