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「52週高値更新」のみならず「上場来高値更新」が期待される銘柄群

2022/11/30
投資情報部 榮 聡

今回は最近52週高値を更新した銘柄群をご紹介いたします。52週高値更新銘柄に注目するのは、ファンダメンタルズの見通しから来年にかけて米国株式市場が持続的に上昇する可能性は低く、もみ合いになる可能性が高いとみているためです。52週高値更新銘柄の中から、現在値が上場来高値に近く、上場来高値更新が期待される銘柄を注目銘柄としてご紹介いたします。

図表1 注目銘柄リスト

銘柄 株価(8/16) 52週高値 52週安値
アルタ ビューティ(ULTA) 449.88ドル 461.57ドル 330.80ドル
オライリー オートモーティブ(ORLY) 849.73ドル 861.50ドル 562.90ドル
ペプシコ(PEP) 182.59ドル 186.62ドル 153.37ドル
ディアー(DE) 440.97ドル 448.40ドル 283.81ドル
オートマチック データ プロセシング(ADP) 257.06ドル 264.94ドル 192.26ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1 52週高値更新銘柄を取り上げる理由

今回は最近52週高値を更新した銘柄群を取り上げます。市場平均のS&P500指数は、2022年1月4日に付けた52週高値4,818.62ポイントに対して17.9%下落した水準にありますので、相対的に株価が堅調に推移している銘柄群です。

〇52週高値更新銘柄に注目する理由

52週高値更新銘柄を取り上げるのは、来年は米国株式市場が持続的に上昇する可能性が低いとみているためです。

来年初にかけては、インフレピークアウト、FRBによる利上げ幅の縮小を織り込んでPERが回復して上昇基調を想定しています。一方、その先の半年程度を見渡すと、経済成長の鈍化、企業業績の下方修正が続くことが想定されます。一旦、PERの回復による株価回復が実現すると、EPSの下方修正リスクによって、相場の持続的な上昇は難しいのではないかと考えています。

このため年初から足もとまでの非常に不安定な相場環境の中でも高値を更新している銘柄に注目できると考えます。筆者が想定している来年初にかけての相場上昇局面でも上昇が期待でき、さらにその先のもみ合い局面でもじり高となる可能性があるとみています。

〇米国の実質GDP見通し

米国経済については、いまのところ浅い景気後退が想定されており、図表2で市場コンセンサスを確認すると、前期比では、23年1Q 、2Qにマイナス成長、前年比では23年3Qに0.1%まで低下する予想です。23年年間では、前年比0.4%増まで成長率が低下すると予想されています。

SBI証券のチーフ・エコノミスト松岡氏は、FRBの政策金利引き上げについて、「金融政策が対応できない供給ショックに利上げで対処した」「景気の遅行指標であるインフレ率に焦点を当てた金融引き締めを実施した」ことを理由に、「実態経済のオーバーキルは実現するだろう」と指摘しています。

深いリセッションは回避されるとみられますが、市場予想はどちらかというと下方修正の可能性のほうが高そうです。

〇S&P500指数の予想EPS

S&P500指数の予想EPSは、2022年、2023年とも下方修正基調となっています(図表3)。4-6月期決算が発表された7月に下方修正に転換、7-9月期決算が発表された10月から下方修正のピッチがあがっています。

ドル高進行による海外事業の売上・EPSの目減り、原材料・人件費高によるマージン圧迫などが主な要因とみられます。これまでのところ、景気鈍化による売上減速は、ネット広告の分野などで顕著になっているほかは、さほど目立っていませんが、上記のGDPの見通しを前提とすると、これから顕在化する可能性が高そうです。

いまのところ、2022年予想の221ポイントから2023年予想の235ポイントへ6%の増益が見込まれていますが、GDPの成長率見通しとの比較では、まだ伸び率は高すぎる可能性がありそうです。

以上の通り、GDP、EPSとも下方修正されるリスクが意識されるため、米国株式相場の持続的上昇は見込みづらいと言えそうです。

図表2 米国の実質GDP成長率は来年にかけて低下へ

※Bloombergおよび各種資料をもとにSBI証券が作成

図表3 企業業績の予想は下方修正が続いている

※Bloombergおよび各種資料をもとにSBI証券が作成

2 52週高値更新銘柄を吟味

S&P500指数の採用銘柄について、11/21(月)〜11/28(月)に52週高値を更新したことのほか、以下のような条件でスクリーニングを行い、図表4の19銘柄を抽出しました。

【スクリーニング条件】
1. 11/21(月)〜11/28(月)に52週高値を更新した
2. 今期予想EPSの修正(4週)が-3%以上
3. 来期EPSが増加予想
4. 時価総額が200億ドル以上

抽出された銘柄をざっと見渡しますと、事業にディフェンシブ性のある銘柄が多く入っている印象です。株式市場では、先行きの景気減速が意識されていますので、そのような環境でも利益を伸ばすと期待されている銘柄群と考えられます。

業種別のまとまりとして最も多いのは保険関連で、4銘柄がラインクインしています。保険契約は比較的景気動向に左右されず、一方、資産運用面では長期金利の上昇が恩恵となることが株価堅調の要因と考えられます。

典型的なディフェンシブ業種である、食品・飲料関連が3銘柄、医薬品・バイオテクノロジーが2銘柄ランクインしています。ディフェンシブ銘柄なら何でもという訳でなく、やはり個別に成長要因をもっている銘柄が抽出されているとみられます。

小売りでは自動車用品の販売チェーンが2銘柄とも入っており、業界として安定成長を遂げて株価も好調のようです。また、ジェニュインパーツは小売りではありませんが、自動車部品の流通が主力という点で共通しています。

このほか、インフレ環境下で消費者のダウントレード(同種の安いものにシフトする)の動きが恩恵となるアパレルのディスカウンター(ロス ストアーズ)、経済再開から恩恵を受けている化粧品販売チェーン(アルタビューティ)も入っています。

IT関係では、昨年末に事業の再編を行って売上の伸びを拡大しつつあるIBM、人事関連業務量の拡大から恩恵を受けるオートマチックデータプロセシングが入っています。

産業ガス大手のエアープロダクツアンドケミカルズは、製造業の生産過程で使用される消耗品を提供するため事業にはディフェンシブ性があります。農業機械大手のディアーは、農業サイクルが事業にとって順境にあるようです。

クアンタサービシズは、電力、通信、パイプラインなどインフラネットワークの特殊工事を請け負う会社です。売上に占める経常収入の比率を8割超に引き上げ、業績の変動性を抑えたことが評価されているようです。

図表4に抽出した銘柄から、株価が52週高値を更新するだけでなく、上場来高値も更新しつつある(現在値が上場来高値の近くにある)5銘柄を選んで、次節でご紹介いたします。

図表4 最近52週高値を更新した銘柄群(S&P500指数採用銘柄が対象)

コード 銘柄名 業種 52週高値
更新日
上場来
高値
(ドル)
株価
(11/28)
(ドル)
上場来
高値乖離
(%)
予想EPS
修正率
(4週)
(%)
来期
予想EPS
増加率
(%)
MRK メルク 医薬品 11/28 108.89 108.45 -0.4 -0.5 1.3
AZO オートゾーン 自動車小売り 11/28 2567.91 2545.98 -0.9 -0.6 15.3
ULTA アルタ・ビューティ 専門店 11/28 461.57 457.24 -0.9 -0.1 6.8
ORLY オライリー・オートモーティブ 自動車小売り 11/28 861.05 852.56 -1.0 0.3 12.6
GIS ゼネラル・ミルズ 包装食品・肉 11/28 83.79 82.93 -1.0 0.1 5.7
PEP ペプシコ 清涼飲料 11/22 186.57 183.89 -1.4 0.1 7.6
GPC ジェニュイン・パーツ 販売 11/25 186.10 183.23 -1.5 0.0 5.5
AJG アーサー・J・ギャラガー 保険ブローカー 11/25 199.55 196.43 -1.6 -0.6 12.3
DE ディア 農業機械 11/23 448.31 441.21 -1.6 2.6 6.3
TRV トラベラーズ 損害保険 11/25 189.40 186.32 -1.6 -1.7 12.9
AFL アフラック 生命保険・健康保険 11/25 72.70 70.99 -2.4 -0.6 3.6
MNST モンスター・ビバレッジ 清涼飲料 11/28 104.45 101.88 -2.5 -0.5 30.8
ADP オートマチック・データ・プロセシング 情報処理・外注サービス 11/25 264.86 258.33 -2.5 0.1 11.2
VRTX バーテックス・ファーマシューティカルズ バイオテクノロジー 11/23 323.48 315.30 -2.5 0.2 8.5
PWR クアンタ・サービシーズ 建設・土木 11/22 151.69 143.56 -5.4 2.5 10.1
APD エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ 工業用ガス 11/25 327.45 304.46 -7.0 -0.3 9.8
ROST ロス・ストアーズ 衣料小売り 11/23 134.16 116.37 -13.3 6.8 17.3
IBM IBM 情報技術コンサルティング 11/23 206.22 146.18 -29.1 -1.3 6.1
HIG ハートフォード・ファイナンシャル・サービシズ 総合保険 11/25 106.23 75.06 -29.3 -0.2 17.6
  • 注:銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

3 52週高値更新銘柄から注目銘柄をご紹介

アルタ ビューティ(ULTA)  時価総額: 234億ドル
決算期 売上高(百万ドル)  (前年比) 純利益(百万ドル)  (前年比) EPS(ドル)
22.1 8,631 40% 990.1 265% 18.06
23.1予 9,774 13% 1,108.4 12% 21.65
24.1予 10,423 7% 1,155.2 4% 23.12
株価(11/28): 457.24ドル 予想PER(24.1期): 19.8倍

【経済再開の恩恵を受ける】

・米国最大の化粧品小売チェーンです。化粧品、香水、スキンケア・ヘアケア製品を販売するほか、美容室を併設してワンストップで美容関連の需要を満たせることが特徴です。米50州に1,300店以上を展開しています(2022年7月末)。パンデミックで2021年1月期は前期比17%の減収となりましたが、2022年1月期は同40%増と落ち込みを取り返しています。経済再開の恩恵を受けて売上は堅調に拡大すると期待されます。

・売上は2-4月期が前年同期比21%増、5-7月期も同17%増と伸びています。両四半期決算とも市場予想を上回って、株価は上場来高値の更新が続いています。5-7月期の既存店売上は同14%増でした。パンデミックからの回復に加え、新製品群や製品イノベーションのインパクトが売上好調の背景にあると会社はコメントしています。8-10月期決算を12/1(木)に発表の予定です。

オライリー オートモーティブ(ORLY)  時価総額: 533億ドル
決算期 売上高(百万ドル)  (前年比) 純利益(百万ドル)  (前年比) EPS(ドル)
21.12 13,328 15% 2,164.7 24% 31.10
22.12予 14,258 7% 2,124.6 -2% 32.73
23.12予 15,054 6% 2,271.6 7% 36.86
株価(11/28): 852.56ドル 予想PER(23.12期): 23.1倍

【業界全体が安定成長を遂げる】

・補修用カー用品販売の大手。米国内で5,900店以上を展開(22年9月末)。売上の約6割が個人のDIY向け、約4割が自動車修理工場などのプロ向けです。新型コロナのパンデミックの環境で需要が拡大しましたが、その後も自動車価格が上昇したことで買い替えを遅らせる動きがあるとみられ、同業界への需要は好調が続いています。同業の大手オートゾーン(AZO)も図表4に抽出されており、業界全体が安定成長を遂げ、株価も高値更新が続いています。

・7-9月期決算は、売上が前年同期比9%増、EPSが同14%増と堅調です。既存店売上は前年同期比7.6%増で、4-6月期の同4.3%増から回復しました。158の新規店をオープンしています。同業のオートゾーンとともに自社株買いに非常に積極的です。キャッシュフローが安定している事業と市場で捉えられていることから、純資産がマイナス(債務超過)でも債券を発行できています。

ペプシコ(PEP)  時価総額: 2,533億ドル
決算期 売上高(百万ドル)  (前年比) 純利益(百万ドル)  (前年比) EPS(ドル)
21.12 79,474 13% 8,688.0 13% 6.26
22.12予 85,266 7% 9,403.2 8% 6.78
23.12予 88,272 4% 10,053.9 7% 7.30
株価(11/28): 183.89ドル 予想PER(23.12期): 25.2倍

【株主還元に強くコミットする】

・飲料大手の一角。スナック菓子と清涼飲料の2本柱で、2021年12月期の売上構成比は、それぞれ55%と45%です。スナックはFrito-Lay、飲料はPepsi、Gatoradeなど世界規模のブランドを複数有し、スナックは米国首位、清涼飲料も首位級です。2022年6月にはトロピカーナなどなどのブランドをファンドに売却する一方、同年8月にはルーマニアの高級飲料水メーカーの販売権を取得、無糖飲料に注力しています。よく認知された製品のポートフォリオによって売上の基調伸び率は一桁台の後半が期待されます。配当増と自社株買いに対する経営陣の強いコミットメントが投資家から評価されているとみられます。

・7-9月期業績は、売上が前年同期比9%増、調整後EPSは同14%増と堅調でした。北米のスナック菓子と南米の売上が好調です。海外売上が4割以上と高いものの、ドル高による業績へのマイナスインパクトは、売上・EPSとも3%ポイントにとどめています。堅調な業績を受けて、通期のオーガニック売上成長率を10%から12%へ、為替の影響を除くEPSの成長率を8%から10%に引き上げました。

ディアー(DE)  時価総額: 1,332億ドル
決算期 売上高(百万ドル)  (前年比) 純利益(百万ドル)  (前年比) EPS(ドル)
22.10 52,577 19% 7,025.1 18% 22.93
23.10予 52,741 0% 8,165.5 16% 27.19
24.10予 55,159 5% 8,497.7 4% 28.90
株価(11/28): 441.21ドル 予想PER(23.10期): 16.2倍

【農業サイクルが良好】

・世界最大級の老舗農機メーカー。コンバインやトラクターなどが主力で、ほかにフォークリフト、芝刈り機なども手掛けます。主力の農機では、高水準の農産物価格を背景とした農家財政の改善、使用されている農機の老朽化、低下したままの市中在庫などを受けて2023年の需要も好調が見込まれています。販売価格の上昇、生産効率の改善もあり、利益率の改善も継続すると期待されます。

・11/23(水)に発表された8-10月期決算は、売上が前年同期比37%増、EPSが同81%増と好調です。主力のプロダクション&プレシジョンアグリが同59%の増収、他の2部門も同20%以上の増収を記録しています。2023年10月期のガイダンスは、プロダクション&プレシジョンアグリが前年比15〜20%増(うち価格引き上げが11%ポイントの寄与)、スモールアグリ&ターフが同0〜5%増(うち価格引き上げが7%ポイントの寄与)、コンストラクション&フォレストリーが同0〜10%増(うち価格引き上げが8%ポイントの寄与)です。

オートマチック データ プロセシング(ADP)  時価総額: 1,072億ドル
決算期 売上高(百万ドル)  (前年比) 純利益(百万ドル)  (前年比) EPS(ドル)
22.6 16,498 10% 2,967.3 15% 7.04
23.6予 17,920 9% 3,368.5 14% 8.12
24.6予 19,214 7% 3,706.3 10% 9.03
株価(11/28): 258.33ドル 予想PER(23.6期): 31.8倍

【人事関連業務の複雑化を背景に成長】

・人事、給与、税、社会保険業務処理などのアウトソースを請け負う企業で、グローバルにあらゆるタイプ・規模の企業にサービスを提供、この分野では最大手です。世界的に就労形態や雇用契約が多様化していることに加え、様々な公的制度が複雑化する傾向があることから、人事関連業務が増加傾向にあることが安定成長の背景とみられます。

・7-9月期決算は、売上が前年同期比10%増、EPSが同11%増と堅調です。同四半期に顧客企業が100万社を超えるマイルストーンを達成しています。2023年6月期のガイダンスを、4-6月期決算発表時の前年比7〜9%増から同8〜10%増へ、調整後EPSを同13〜16%増から15〜17%増へそれぞれ引き上げています。業績好調を受けて株価は上場来高値の更新が続いています。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

免責事項・注意事項

  • 本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。
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