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高値波乱でも押し目買いできる!?成長の信頼性が高いクラウドの注目銘柄

2021/7/28
投資情報部 榮 聡

今回はIT分野の中でも成長性、成長の信頼性とも高いと考えられるクラウドを取り上げます。クラウドの市場構造、シェアトップのアマゾンとマイクロソフト、クラウドのソフトウェア分野の注目企業をご紹介いたします。

図表1:注目銘柄リスト

銘柄 株価(7/27) 52週高値 52週安値
アマゾン ドットコム(AMZN) 3,626.39ドル 3,772.12ドル 2,873.39ドル
マイクロソフト(MSFT) 286.54ドル 289.99ドル 196.26ドル
セールスフォース ドットコム(CRM) 243.51ドル 284.50ドル 187.41ドル
ショッピファイ A(SHOP) 1,555.10ドル 1,650.00ドル 840.00ドル
ワークデイ A(WDAY) 230.66ドル 282.77ドル 174.56ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1「パブリッククラウド」の市場構造と成長見通し

今回はIT分野の中でも成長性が高いクラウドを取り上げます。

米国株式市場は高値の更新が続いていますが、今後は高値波乱となる可能性もありそうです。クラウドは、そのようなときにも押し目買いを検討する価値のある、成長の信頼性が高い産業分野として注目しています。

第1節でクラウド市場の全体像を整理し、第2節でクラウドの両雄であるアマゾンとマイクロソフトを比較、第3節ではソフトウェアの注目分野をご紹介いたします。

IT支出の20%を占める「パブリッククラウド」

株式市場で一般に「クラウド」と言うときは、正確には「パブリッククラウド」を指していることが多いようです。パブリッククラウドは「広く一般のユーザーや企業向けにクラウドコンピューティング環境をインターネット経由で提供するサービス」です。

2020年の世界のIT支出額は1.6兆ドルで、うち「パブリッククラウド」は3,170億ドル、20%を占めています。残りの80%は企業が自社のITシステムを構築するための支出で、20%をアウトソースしていることになります。

「パブリッククラウド」が株式市場で注目を集めるようになったのは、アマゾンがIBMに競り勝ってCIAのクラウド案件を獲得した、2013年の「CIAショック」からと思われます。8年が経過してシェアは20%まで高まりましたが、まだ20%とも言え、クラウド市場が成長する余地は大きいと言えるでしょう。

「パブリッククラウド」に3つの種類

パブリッククラウドには、インフラ(IaaS)、プラットフォーム(PaaS)、ソフトウェア(SaaS)の3種類があります。

インフラはクラウド事業者のデータセンターを利用すること、プラットフォームはハードウェア、ソフトウェアを含めてサービスを提供するための基盤を利用すること、ソフトウェアは従来手元のコンピュータで利用していたソフトウェアをネットワーク経由でサービスとして利用すること、です。

2020年市場規模は、インフラが684億ドル、プラットフォームが482億ドル、ソフトウェアが2,000億ドルとなっています。

「パブリッククラウド」の市場構造(図表2)

市場によってシェアの集中度が異なっています。性格が似ているインフラとプラットフォームでは、プレーヤーの数が少なく、市場の集中度が高くなっています。

インフラではアマゾンが46%と圧倒的なシェアを獲得している一方、マイクロソフトはアマゾンとの機能面の差を埋めて急速に追い上げています。アリババはアジア市場での売上拡大が期待され、グーグルはオラクルの元上級役員をトップに据えて攻勢をかけています。

プラットフォームではインフラにソフトウェアの要素が加わるため、ソフトウェアが本業のマイクロソフトがトップシェアを保持、アマゾンが追う形となっています。アマゾンはインフラ市場での高いシェアをテコにシェア獲得が進むと見込まれています。

幅広い分野を含むソフトウェアでは、トップのマイクロソフトでも9%と集中度は低く、数多くのプレーヤーが存在します。パブリッククラウド全体では、アマゾンとマイクロソフトが13%で並び、3位以下と差がついていることがわかります。

パブリッククラウドは年平均2割以上の成長見通し(図表3)

パブリッククラウドの市場は、2020年から2025年にかけて年平均成長率21%で成長すると見込まれています。市場が若いインフラおよびプラットフォームのほうが成長率が高くて同28%、クラウド化が早くから進んだソフトウェアは同15%の成長が見込まれています。いずれにしても高い成長で、投資先として注目されていることが頷けます。

図表2:パブリッククラウドの市場規模(2020年)と主要プレーヤー

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表3:パブリッククラウドの市場見通し

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

2パブリッククラウドの両雄、アマゾンとマイクロソフト

パブリッククラウド全体の市場シェアは、アマゾン ドットコム(AMZN)マイクロソフト(MSFT)とも13%で、3位の6%を引き離して両社とも良いポジションを確保しています。高い成長が期待される分野において、さらにシェアを拡大していける可能性が高く、両社とも投資対象として注目できるでしょう。

両社の違いは?

マイクロソフトはソフトウェアが主力事業であることから、クラウド売上に占めるソフトウェアの比率が45%、インフラとプラットフォームの比率が55%と、ソフトウェアの比重が高くなっています。

一方、アマゾンは自社所有のデータセンターで余裕ができた部分を他社に貸し出すことからクラウド市場に参入したため、クラウド売上はインフラに偏っているという違いがあります。

将来のトップはどちら?

2020年の市場シェアは両社とも13%で並んでいますが、今年、来年とトップを取るのはどちらでしょうか。

ここ数年の売上増加の勢いからするとマイクロソフトとなりそうです。2020年のアマゾンのクラウド売上増加率は前年比32%であったのに対して、マイクロソフトは同43%でした。

マイクロソフトはインフラ市場への参入が遅れましたが、ここ数年でアマゾンとの機能面の差を縮めて、競争力を高めてきたとされます。同社クラウド事業のコアである「Azure(アジュール)」の売上は直近2四半期とも前年同期比50%増以上と市場を上回る伸びが続いています。

ただし、一般に「クラウドの市場シェア」と言ったときには、ソフトウェアを含まず、インフラのみ、あるいは、インフラ+プラットフォームの市場を言う場合が多いため、この範囲では引き続きアマゾンがトップシェアを維持する見込みです。

クラウドに対するエクスポージャーは?

クラウドへのエクスポージャーは、どちらが高いでしょうか?

アマゾンに関しては、はっきりしています。アマゾンでクラウド事業を行っているAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の売上は2020年12月期に11.8%を占めるに過ぎませんが、営業利益では59.1%を占めています。ここ数年の利益成長もクラウドがけん引しており、ネット通販よりもクラウドの企業としてみたほうが妥当との見方もできるでしょう。

一方、マイクロソフトに関しては、はっきりしません。部門別では、「インテリジェント・クラウド」が営業利益の34.6%を占めています。ただ、これに加えて35.4%を占める「プロダクティビティ&ビジネス・プロセス」部門にOfficeなどのソフトウェアをクラウドで提供している事業が含まれています。

クラウドへのエクスポージャーがどちらが高いのかはっきりしませんが、両社とも営業利益では50%を超えている可能性が高く、両社ともクラウド拡大の波に乗って成長していけると考えられます。

3ソフトウェアの注目企業

ソフトウェア販売のクラウドへのシフトは早くから進んでいたためクラウド化は63%に達しており、「パブリッククラウド」の中では相対的に成熟した市場と言えます。それでも2020年から2025年にかけての年平均成長率は15%と想定され、十分に高い成長市場と言えるでしょう。

トップシェアのマイクロソフト

図表2の通り、ソフトウェアではマイクロソフトがトップシェアを保有します。これはビジネスソフトウェア「Office」のユーザーが、クラウドサービスの「Office365」にシフトしていることが主な背景です。マイクロソフトにとっては売上の純増ではないため、株式市場ではさほど注目されません。ただ、クラウド化によって事業効率は上がるため、利益への貢献は大きいと考えられます。

特に昨年はパンデミックによるリモートワークでコラボレーションソフトウェアの「Microsoft Teams」が使われるようになって、「Office365」へのシフトが加速したようです。便利さが認識されたと言われ、リモートワークが一段落する中でもクラウドシフトは継続すると見込まれています。

クラウドのソフトウェアには幅広い機能が含まれており、全体の市場シェアとともに、各機能分野でシェアの高い企業が注目されると考えられます。今回は市場規模が大きい2つの分野について、シェアが高い企業をご紹介いたします(図表4)。

顧客関係管理(CRM)

顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通して、売上の拡大と収益性の向上を目指すために利用されるソフトウェアで、セールス・プロダクティビティ、カスタマー・サービス、広告、マーケティング、デジタル・コマースなどのサブ・カテゴリーを含みます。

顧客関係管理(CRM)では、セールスフォース ドットコム(CRM)が26%のシェアを有し、圧倒的なトップ企業となっています。2位はシェア5%のマイクロソフト、3位はシェア4%のアドビ(ADBE)といった具合です。

セールスフォースドットコムは、セールス・プロダクティビティとカスタマー・サービスのサブ・カテゴリーで高いシェアをもつほか、積極的な買収によってマーケティングやデジタル・コマースにも展開しつつあります。

また、デジタル・コマースに限るとショッピファイ A(SHOP)がセールスフォースドットコム、SAPの大手を抑えてトップシェアを保有しており、注目できるでしょう。

同社はオンラインストアの構築、管理を行うプラットフォームを提供するカナダの企業で、世界175ヵ国で100万以上のアクティブストアを運営しています。小売企業によるeコマースへのシフトが加速する中、今後3〜5年間は30%以上の売上成長が期待されています。

企業資源管理(ERM)

企業資源計画(ERP)とも呼ばれ、企業全体を経営資源の有効活用の観点から統合的に管理し、経営の効率化を図るためのソフトウェアです。

この分野はクラウドへの移行が比較的遅れており、引き続きドイツのSAP(当社の取り扱いなし)や米国のオラクル(ORCL)といった伝統的なIT企業によるオン・プレミスのサービスが中心で、徐々にクラウド化が進みつつあるという状況です。

サブ・カテゴリーでは、人事労務管理で18%のトップシェアをもち、給与計算でもトップ級のシェアをもつワークデイ A(WDAY)が注目できるでしょう。

同社は、クラウドを活用して企業向けに財務・人事関連のソフトウェアを提供しています。コンサルタントのアクセンチュア、デロイト、IBMと提携することで、グローバル展開する大企業から中小企業まで幅広く市場開拓することができています。2018年8月に予算管理のアダプティブ・インサイツ、2021年1月に人事分析のPeakonを買収と、ERMの分野で事業領域を広げています。2021年2-4月期に営業利益段階で黒字化を達成しています。

図表4:ソフトウェア(SaaS)の機能別売上構成比

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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