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7-9月期の好決算が目立った自動車関連!ワクチン開発進展で一段と物色強まる!?

2020/11/18
投資情報部 榮 聡

米国企業の7-9月期の決算発表では、自動車関連の決算が予想を上回ったことが目立っていました。足もとの米国株式市場はCOVID-19のワクチン開発進展によって景気敏感株対する物色の動きがみられますが、その代表的な銘柄群として注目できるのではないでしょうか。

図表1:注目銘柄

銘柄 株価(11/17) 52週高値 52週安値
ゼネラル モーターズ(GM) 41.98ドル 42.54ドル 14.33ドル
アプティブ(APTV) 114.44ドル 115.61ドル 29.22ドル
TE コネクティビティ(TEL) 111.18ドル 114.42ドル 48.62ドル
テキサス インスツルメンツ(TXN) 155.50ドル 164.63ドル 93.09ドル
オートゾーン(AZO) 1124.21ドル 1274.41ドル 684.91ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1自動車関連に注目する理由

今回の特集レポートで自動車関連を取り上げるのは、筆者が米国企業の7−9月期決算をチェックしていて、自動車販売の回復を受けて市場予想を上回る決算となった銘柄が目立ったためです。

今回の決算で好調だった分野には、巣ごもり消費関連、除菌需要の継続、ワクチン開発の検査機器など、COVID-19への対応を背景としたものが多かったのですが、その中で自動車関連はやや意外感があったため、取り上げることとしました。

好決算となった銘柄には、自動車向け半導体が回復して予想以上の決算となったテキサスインスツルメンツ、自動車向けコネクターの売上比率が高いTEコネクティビティに加え、自動車そのものを販売するGM、フォードなども市場予想を上回る決算となっていました。

日本ではトヨタ自動車の好決算も目立ちました。21年3月期の業績予想について売上は24兆円から26兆円へ、税引き前利益は8,900億円から1兆7,600億円へ、トヨタ・レクサスブランドの車両小売販売台数の見通しも830万台から860万台へ引き上げています。

自動車関連の決算が予想以上となったのは、米中の自動車販売回復が主因と言われています。自動車販売が予想以上となった理由として、(1)4-6月期に一時工場の操業が止まって在庫不足となっていた反動が7-9月期に出た、(2)COVID-19のパンデミックで公共交通機関への不安が生じ、「密」が避けられる自動車への需要が刺激されている、(3)海外旅行、外食などサービス消費が抑えられて、消費者の支出が耐久消費財に回っている、などが考えられます。

COVID-19のパンデミックが需要増に作用した面もあるとみられるため、ワクチンの開発の進展によって一時的な需要の盛り上がりが剥落する部分もありそうです。しかし、全般的な経済活動の回復は来年に向けて自動車需要をサポートすると見込まれます。

決算以外でも、(1)「CASE」(コネクテッド、自動化、シェアリング、電動化)とまとめられる中期的な変化が起こっており、関連する新興企業の株価が大きく動いていること、また、(2)米大統領選挙で環境政策を重視するバイデン氏の勝利が確実となってEVへの注目が高まっていることなども、注目できる要因です。

図表2:米中の月次自動車販売台数の推移

  • 注:米国はワーズ・オートモーティブ・グループのデータで年率換算値、中国は中国汽車工業信息網のデータで販売実数によります。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

2自動車関連の好決算銘柄

S&P500指数採用銘柄を対象に自動車販売の回復を背景に好決算となっている銘柄を図表3にリストアップしました。

まず、以下の条件を満たす銘柄から、好決算の要因が自動車市場の回復であるものをピックアップしました。
(1)7-9月期の売上が市場予想を5%以上、上回った
(2)7-9月期のEPSが市場予想を10%以上、上回った
(3)7-9月期の売上が前年同期比マイナス10%以上

さらに、自動車関連の銘柄で売上・EPSとも市場予想を上回っているものを加えています。

自動車メーカーに関しては月次の自動車販売台数が発表されているため、企業の外からでも売上予想がしやすく、市場予想との乖離はさほど大きくありません。しかし、GMの4-6月期の売上は前年同期比53%減、フォードは同50%減でしたので、それぞれトントンまたはプラスに転換したのは、当初の想定以上の回復と言えるでしょう。また、利益は予想を大幅に上回っています。

一方、自動車部品の各社については、自動車メーカーほど売上動向がつかみやすくないため、市場予想を大幅に上回ったものが多くなっています。抽出された銘柄はいずれも前年同期比で減収が予想されていましたが、10%以上市場予想を上回って、自動車市場が想定よりも強いという株式市場のサプライズ感はここに出ていると言えそうです。

自動車・部品販売も自動車部品ほどではないものの、比較的大きく市場予想を上回っています。自宅待機で車のメンテナンスの時間が増えて部品などの売上増につながったこと、政府による補助金で可処分所得が増えて自動車関連に向かったこと、公共交通機関への懸念などから車を追加で購入したこと、などが予想以上の売上につながったと言われています。

図表3:7-9月期が好決算となった自動車関連銘柄(S&P500指数採用銘柄対象)

    7-9月期
予想乖離(%)
7-9月期
前年同期比(%)
株価
(11/13)
(ドル)
来期予想
PER
(倍)
    売上 EPS 売上 EPS

自動車メーカー

GM

ゼネラル・モーターズ(GM)

2.3

122.8

0.0

64.5

41.2

7.4

F

フォード・モーター

2.1

247.6

2.4

91.2

8.5

8.8

自動車部品

APTV

アプティブ

17.6

53.2

3.1

-11.0

109.9

28.0

BWA

ボルグワーナー

11.5

27.9

1.7

-8.3

37.7

10.0

TEL

TEコネクティビティ

12.8

33.8

-1.2

-12.8

109.5

18.3

TXN

テキサス・インスツルメンツ

11.4

15.2

1.2

-2.7

156.7

25.8

自動車・部品販売

AZO

オートゾーン

9.5

22.6

14.0

47.6

1155.8

13.9

ORLY

オライリー・オートモーティブ

6.3

11.5

20.3

39.1

461.7

20.1

KMX

カーマックス

3.2

66.1

3.3

28.0

95.5

17.0

LKQ

LKQ

4.2

49.7

-3.2

23.0

36.0

13.3

AAP

アドバンス・オート・パーツ

2.6

4.7

9.9

33.8

154.0

16.3

  • 注:オートゾーンは6-8月期の決算によります。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

3注目銘柄をご紹介

図表3にリストアップした銘柄から、EV車への姿勢が高まっているゼネラルモーターズや、「自動車の電動化」から恩恵を受けている銘柄を中心に選んでご紹介いたします。

ゼネラル モーターズ(GM)

【独自開発のEVバッテリー「アルティウム」を擁する】

  • 米国最大、世界4位の自動車メーカーで、キャデラック、シボレー、ビュイック、GMCブランドの中・大型車、SUV、トラックを展開します。自動運転では、16年に買収したクルーズ社を核に開発を行っています。20年10月に公開したピックアップトラック「GMC ハマー EV」は21年後半から生産見通しです。
  • 注目点は、独自開発のパウチ型セルによるEVバッテリーのプラットフォーム「アルティウム」を擁することです。パウチ型セルは車両のデザインに応じてレイアウトできる柔軟さがあることから、EV車のプラットフォームとして2020年以降上記のすべてのブランドでEV車を発売していく計画です。ホンダとの提携では「アルティウム」を採用する次世代EVの共同開発を行っています。
  • 7-9月期の売上は、米中での自動車販売の回復を受けて売上は前年同期比トントンまで改善、調整後EBITは前年同期にあったストライキによる10億ドルのマイナスが剥落したことやコスト削減により、29.7億ドルから52.8億ドルへ78%の増加となっています。決算リリースでは、「米中の販売は多くの人が想定したよりも速く回復し、GMはフルサイズのピックアップトラックやSUVなどを中心とする新製品やサービスに対する顧客からの強い需要から恩恵を受けている」としています。

アプティブ(APTV)

【電装品主体の自動車部品メーカー】

  • GMの自動車部品部門を母体とするデルファイ・オートモーティブが2017年末にパワートレイン部門を分離して社名変更した会社で、ワイヤーハーネスやコネクター、制御システムなど電装品が主軸です。20年3月には、ヒュンダイ自動車とレベル4、レベル5の自動運転技術の開発を行う40億ドル規模の合弁事業を設立しています。
  • EV車の普及に伴って需要が縮小するパワートレイン部門を分離して電装品に集中したことから、自動車のEV化や電装化のトレンドに乗る事業内容を構築できています。19年の売上は、シグナル&パワーソリューション(ワイヤーハーネスや各種部品)が72%、アドバンストセーフティ&ユーザー・エクスペリエンス(アクティブ・セーフティ、情報システム、通信・セキュリティ)が28%を占め、それぞれ自動車販売台数の増加率に対して前者は4〜6%ポイント、後者は約10%ポイント上回ることを中期的な目標としています。
  • 7-9月期の売上は前年同期比3%増、調整後営業利益は同5%減と、世界の自動車販売台数が前年同期比4%減となる中、比較的堅調な業績と言えるでしょう。

TE コネクティビティ(TEL)

【自動車の電動化から恩恵を受ける】

  • スイスに本社を置くコネクターとセンサーを主力とする電子部品メーカーで、コネクターでは世界最大手です。2007年にコングロマリットのタイコから独立した企業が前身です。売上の約6割を運輸関連(乗用車と商用車)が占め、21年に世界の自動車生産は前年比10%以上の回復が見込まれていることから、同社はこの恩恵を受けると期待されます。自動車の電動化から恩恵を受ける企業としても注目されます。
  • 7-9月期の売上は前年同期比1%減にとどまりましたが、自動車生産の回復がけん引して市場予想を13%上回りました。運輸ソリューションの売上は4-6月期の前年同期比36%減から同2%減まで回復、同社CEOは「自動車生産の回復に加え、ハイブリッド車や電気自動車の技術で強いポジションを築いていることで市場平均を上回るパフォーマンスになった」としています。インダストリアルソリューションの売上は同5%減、コミュニケーションズソリューションは同12%増でした。

テキサス インスツルメンツ(TXN)

【業績回復を自動車分野がけん引】

  • 売上高世界7位(2019年)の半導体メーカーで、世界トップのアナログ半導体を主力に、組み込み半導体も手掛けます。顧客の産業別売上(2019年)は、産業機械が約36%、自動車が約21%、パーソナル電子機器が約23%、通信機器が約11%、企業向けシステム他が約9%と幅広いため、産業景気の「ベルウェザー」(先行指標)とされます。
  • 同社はIoT(モノのインターネット)の広がりから恩恵を受ける代表的企業ですが、今回は7-9月月期実績、10-12月期見通しとも自動車分野の回復がけん引していることから、「自動車関連」として取り上げました。7-9月期の売上は、自動車向けとパーソナル電子機器向けがけん引して、4-6月期から18%増と大幅に回復、前年同期比でも1%増としました。10-12月期の売上ガイダンスは34.1〜36.9億ドルで、市場予想の33.2億ドルを上回りましたが、これも自動車分野の回復がけん引しているようです。

オートゾーン(AZO)

【既存店売上が20%以上増加】

  • 北米最大の自動車用品販売チェーンで、店舗数は米国や中南米などに6,484店を展開します(20年5月)。傘下に2014年に買収した自動車部品卸のIMC社を擁し、地場の修理工場などへの部品配送も行っています。20年8月には配送業務などに2万人の新規雇用を発表しています。自社株買いに非常に熱心な会社で、債券を発行して買い戻しているため債務超過となっています。ただ、同社の安定したキャシュフローに信頼を置く債券投資家がいる限りにおいては、特に問題にはならないと考えられます。
  • 6-8月期決算は、売上が前年同期比14%増、EPSが同37%増と業績は好調です。営業日数を揃えた既存店売上の前年同期比は21.2%に達しています。COVID-19のパンデミックによる自宅待機で車のメンテナンスの時間が増えて部品などの売上増につながったと考えられ、既存店売上のこのような高い伸びは維持が難しいとみられます。しかし、米国の平均車齢の上昇を背景に自動車用品需要は中期的に堅調な増加が期待されます。
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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