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秘かに買われる「クリーン・エネルギー関連」、大相場に育つのか!?

2020/2/26
投資情報部 榮 聡

株価上昇が目立っていたIT関連をおさえてクリーン・エネルギーの関連ETFが年初来の騰落上位となっています。株式市場で環境関連への注目が高まっているほか、最近発表された決算も太陽光発電関連は良好なものが目立っています。そこで今回は、クリーン・エネルギー関連についてご報告いたします。

図表1:注目銘柄

銘柄 株価(2/25) 52週高値 52週安値
iシェアーズ Globalクリーンエナジー ETF(ICLN) 13.24ドル 14.27ドル 9.40ドル
インベ グローバルクリーンエネルギー ETF(PBD) 15.67ドル 17.10ドル 11.70ドル
エンフェーズ エナジー(ENPH) 50.90ドル 59.15ドル 7.71ドル
信義光能(00968) 6.52香港ドル 7.04香港ドル 3.28香港ドル
ソーラーエッジ テクノロジー(SEDG) 133.00ドル 143.73ドル 36.28ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1秘かに買われる「クリーン・エネルギー」

筆者は当社で取り扱っている米国上場ETFのパフォーマンスを毎週チェックしていますが、最近クリーン・エネルギーのETFがパフォーマンス上位に出てくることが多かったことから年初来の動向を確認すると、2/18(火)時点で1位、2位ともクリーン・エネルギーのETFとなっていました(図表2)。

その後、米国市場は大幅に調整していますが、2/25(火)時点でも年初来の騰落率はICLNが12.8%、PBDが9.6%とプラスを維持し、株式を組み入れたETFではそれぞれ2位と4位のパフォーマンスをあげています。

図表2の3位以下はIT関係となっており、マイクロソフト、アップル、アマゾンドットコムや半導体関連が強いのは広く報道されてきましたが、クリーン・エネルギーがトップとなっているのは意外ではないでしょうか。そこで今回はクリーン・エネルギー関連についてご報告いたします。

では、なぜ「クリーン・エネルギー」が買われているのでしょうか。理由として、2つ考えられるでしょう。

1つ目は、年初から環境問題が金融市場でホットな話題になっていることです。

毎年スイスで開催される世界経済フォーラム(通称ダボス会議)では、「年次総会2020、最大の焦点となったのは気候変動」とされ、環境関連の議論に多くの時間が費やされました。また、運用資産残高が約807兆円(2019/12末時点)と世界最大の米ブラックロック社は、銘柄選定で企業の環境対策を最重視すると発表して注目を集めました。

欧米ではESG投資(環境・社会・企業統治に配慮している企業を重視・選別して行なう投資)が広がっていますが、社業の合間に環境対策を行う企業が評価されるなら、本業自体が環境対策となるクリーン・エネルギー企業は当然評価が高くなると考えられます。

2つ目は、クリーン・エネルギーが投資テーマとして「枯れ切っていた」ことがあげられるでしょう。10年ほど前にクリーン・エネルギーは、「再生可能エネルギー」として世界的にホットな投資テーマとなっていた時期がありました。

しかし、投資対象として中心になっていた太陽光パネルは中国企業による大量供給で価格が低下して採算が悪化したり、風力発電では政府による補助金政策によって設置が急減したりして、投資先として安定しない時期が続き、市場の人気は徐々に離散していきました。

しかし、図表3の通り、クリーン・エネルギーの代表的なETFの出来高は昨年後半から徐々に増え、20年に入ってからは急増しています。株式市場での注目の高まりがうかがえます。

一方、クリーン・エネルギー関連が買われていることは、主要メディアのヘッドラインで見かけませんので、まだまだ注目できる投資テーマと考えられるのではないでしょうか。

図表2:米国上場ETFの年初来パフォーマンス(当社取り扱い銘柄対象)

コード 銘柄名 年初来
騰落率
(%)
1ヵ月
騰落率
(%)
ICLN iシェアーズ Globalクリーンエナジー ETF 20.3 13.2
PBD インベ グローバルクリーンエネルギー ETF 18.5 10.0
CLOU Global X Cloud Computing ETF 16.4 6.5
FINX Global X FinTech ETF 13.2 7.8
XLK テクノロジー・セレクト・セクターSPDRファンド 12.1 5.8
VGT バンガード 情報技術ETF 11.6 5.2
QQQ インベスコQQQトラスト・シリーズ1 11.5 6.1
MGK バンガード米国メガキャップ・グロースETF 11.3 5.5
VUG バンガード・グロースETF 10.7 5.0
EDV バンガード超長期米国債ETF 10.5 7.8
  • 注:2/18(火)時点のデータです。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成18-2518-25

図表3:「iシェアーズ Globalクリーンエナジー ETF(ICLN)」の株価チャート(週足、3年)

  • ※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成

2クリーン・エネルギー企業のファンダメンタルズは?

クリーン・エネルギーへの市場の注目は高まっていますが、ファンダメンタルズがどうなのか確認してみましょう。

図表4はクリーン・エネルギーの中心となる太陽光発電と風力発電について、各年の導入量の推移を示したものです。

太陽光発電に関しては、年間の導入量が安定して拡大していることがわかります。技術革新や供給の拡大、企業間の競争などにより太陽光発電モジュールの単価が低下傾向にあることが背景にあるとみられます。

モジュール単価が低下しているため、これを主力事業としている企業の利益が拡大しているかどうか分からないことには注意が必要でしょう。例えば、太陽光発電モジュールで世界トップの出荷量をもつ中国のジンコソーラー ADR(JKS)の業績は、ここ数年でも安定していません。

ただ、これだけ市場が拡大していると、モジュールの周辺機器や部材などで安定成長が期待できる企業もありそうです。

風力発電については、風車の構造が単純であるため画期的な技術革新は期待しづらく、また、陸上では設置に適した場所に制約もあるため、近年の導入量は頭打ちとなっています。

一方、個別企業では世界トップシェアのヴェスタス(当社の取り扱いなし)は比較的安定して業績を拡大しています。この分野は当社が扱っていない欧州企業が強いため、投資はしにくいのですが、米国企業ではゼネラル エレクトリック(GE)が再生エネルギー部門をもつ代表的な関連企業です。

クリーン・エネルギー需要の今後についてはどうでしょうか?

図表4はBloombergNEF社が公表している「New Energy Outlook 2019」から「2℃目標」(産業革命後の気温上昇を2℃以内に抑える)を前提としたときのエネルギー需要の推移を抜粋したものですが、「再生可能エネルギー」の拡大が見込まれています。

これによると化石燃料が横ばい圏からやや減少するに対して、エネルギー需要の拡大の多くが再生可能エネルギーによって賄われると見込まれています。

再生可能エネルギーは、18年から25年にかけて年率平均17%で拡大、18年から30年にかけても同9%で拡大する予想になっており、今後の見通しも明るいと言えそうです。

投資対象の企業としては、関連ETFの上位組み入れ銘柄が参考になるでしょう。クリーン・エネルギー関連のETFで時価総額が最も大きい「iシェアーズ Globalクリーンエナジー ETF」の組み入れ上位銘柄を図表6にリストアップしています。

オレンジでハイライトした当社で取り扱いのある銘柄から、次節でご紹介いたします。

図表4:太陽光発電と風力発電の導入量

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表5:「2℃目標」を前提としたエネルギー需要の予想

  • 注:「2℃目標」は、産業革命後の世界の平均気温上昇を2℃以内に抑えることです。第21回気候変動枠組条約締約国会議で15年に採択された「パリ協定」で目標になっています。
  • ※BloombergNEFの公表データをもとにSBI証券が作成

図表6:「iシェアーズ Globalクリーンエナジー ETF」の組み入れ上位銘柄(2/18(火)時点)

順位 銘柄 当社扱い 事業内容
1 エンフェーズ エナジー(ENPH) 米国の太陽光発電関連機器の会社
2 信義光能(00968) 中国の太陽光発電の会社
3 シーメンスガメサ・リニューアブル・エナジー なし ドイツの風力発電の会社
4 ヴェスタス なし デンマークの風力発電機の会社
5 ソーラーエッジ テクノロジー(SEDG) 米国の太陽光発電の会社
6 オーマットテクノロジーズ(ORA) 米国の地熱・回収エネルギーの会社
7 メリディアン・エナジー なし ニュージーランドの国営電力会社
8 パターン エナジー グループ A(PEGI) 米国の独立電力会社
9 ミナスジェライス電力 なし ブラジルの電力会社
10 フェアブント なし オーストラリアの電力会社
  • ※ETF資料よりSBI証券が作成

3クリーン・エネルギーの関連銘柄

当社が取り扱う2つのクリーン・エネルギー関連ETFと3つの太陽光発電関連銘柄をご紹介いたします。

iシェアーズ Globalクリーンエナジー ETF(ICLN)
その名称の通り、クリーンエネルギーに関連する銘柄を世界中から集めた米国ナスダック市場に上場するETFです。米国にはクリーン・エネルギーに関するETFが5つ上場していますが、同ETFの時価総額が2/24(月)時点で690百万ドルと最大です。組み入れられている銘柄は、図表6の通りです。

インベ グローバルクリーンエネルギー ETF(PBD)
クリーン・エネルギーに関連する企業にグローバルに投資するETFです。組み入れトップの銘柄でも比率は2%未満に抑えられ、幅広い銘柄に分散投資しているのが特徴です。2/24(月)時点の組み入れ上位銘柄は、米国のエンフェーズエナジー、米国のテスラ、カナダのバラードパワー、米国のプラグパワー、米国のブルームエナジーなどとなっています。時価総額は、2/24(月)時点で67百万ドルです。

エンフェーズ エナジー(ENPH)
2006年にカリフォルニアで創業した家庭用の太陽光発電向けに直流を交流に変換する「マイクロ・インバータ」を主力製品とする企業です。マイクロ・インバータは、小型化することで個々の太陽光パネルの裏に取り付けることができるインバータで、従来の複数の太陽光パネルを束ねて一つのインバータで変換する場合に比べて発電パフォーマンスを効率化できるものです。2008年の製品初出荷以来23百万個のマイクロ・インバータを出荷しています。300個以上の特許を保有しています。

19年12月期は売上が6.24億ドルで前年比97%増、営業利益が1.27億ドルで同6.2倍と拡大、純利益段階で初めて黒字化を達成しました。2/18(火)に発表された19年10-12月期決算、1-3月期の売上ガイダンスとも市場予想を上回り、株価が急騰しました。1-3月期の売上ガイダンスは2.0〜2.1億ドルで市場予想の1.74億ドルを上回りました。

信義光能(00968)
中国の太陽光発電用ガラスメーカー大手です。太陽光発電モジュール向けに、光の透過性が高い、熱の吸収が低い、光の反射が小さいなどの性質をもつガラスを生産しています。中国の安徽省蕪湖市と天津市、マレーシアに生産拠点を置き、19年末の溶融能力は日量7,800トンで太陽光発電用ガラスの世界需要の30%に相当する規模です。信義ガラス(00868)が親会社で、太陽光発電所を運営する子会社も19年5月から香港市場に上場しています。

19年1-6月期は中国政府の太陽光発電政策の発表前であったために設備の据え付けが停滞して、減収減益となりました。しかし、政策発表後に需要が出て19年12月期は売上が前年比21%増、営業利益が同30%増に急回復する見通しです。市場拡大への対応と市場シェアの獲得を目指して20年中に4,000トンの溶融能力増強が計画されています。3/2(月)に19年12月期の決算発表が見込まれています。

ソーラーエッジ テクノロジー(SEDG)
太陽光発電(PV)を最適化するためのソリューションを提供する企業です。直流の電圧を調整するDC-DCコンバータの「パワーオプティマイザ」、直流の電流を交流に変換するインバータの「パワーコンディショナ」が主力製品です。2006年にイスラエルで創業、2015年にナスダック市場に上場しています。2010年の製品出荷以来、133ヵ国で14.6ギガワットのシステム出荷実績があります。欧州市場が伸びているほか、隣接する蓄電池、EVのドライブ・トレイン、パワーバックアップなどにも多角化を図っています。

19年12月期は売上が14.3億ドルで前年比52%増、営業利益が1.9億ドルで同36%増と大幅に伸長しています。1,580万個のパワーオプティマイザ、66.6万個のインバータを出荷しています。2/19(水)に発表された19年10-12月期決算、1-3月期の売上見通しとも市場予想を上回って株価が急騰しました。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

免責事項・注意事項

  • 本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。
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