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低調な米国の4-6月期決算の中で光る、決算好調の注目成長企業はコレ!?

2019/8/21
投資情報部 榮 聡

米国主要企業の4-6月期決算は、利益の伸びが前年同期比2%以下にとどまり、通期見通しも下方修正が続いており、全体としてはやや低調と言えるでしょう。ただ、このような状況を反映してPERに割高感はなく、銘柄を選べば十分に投資リターンが期待できそうです。4-6月期決算が光る注目成長企業をご紹介したします。

図表1:注目銘柄

銘柄 株価(8/20) 52週高値 52週安値
CFインダストリーズ ホールディングス(CF) 48.04ドル 56.51ドル 38.90ドル
DR ホートン(DHI) 48.91ドル 49.54ドル 32.39ドル
フォーティネット(FTNT) 79.67ドル 96.96ドル 64.41ドル
メルク(MRK) 85.65ドル 87.07ドル 66.10ドル
インテューイティブ サージカル(ISRG) 497.83ドル 589.32ドル 430.24ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1企業業績は低調な伸び、通期予想の下方修正傾向が続く

企業業績は低調な伸び

米国企業の4-6月期決算は先週までに大半が終了して、S&P500指数採用企業のうち8/16(金)までに決算発表を終えたのは461社に達しています。

Bloombergによる集計では、売上は前年同期比3.7%増、EPSは同1.8%増で、1-3月期に続いて低調な伸びとなっています(図表2)。S&P500指数は過去30年間に年率8%程度上昇していることから、EPSも8%程度伸びていると考えられ、2%以下というのは低調と言えます。

世界経済の減速、米中貿易摩擦による資本財企業などへのネガティブな影響、ドル高による売上・利益の目減り(ドル指数は4〜6月の平均で前年同期比4%のドル高)などが企業業績を押し下げていると見られます。

業種別に足を引っ張っているのは、利益額が大きい「情報技術」が半導体企業の落ち込みによって前年同期比7.2%減となっているほか、同2.0%減の「一般消費財・サービス」、同2.1%減の「エネルギー」、同8.2%減の「素材」などです。

一方、一般的にディフェンシブ(景気感応度が低い)と言われる「ヘルスケア」が同11.0%増、「コミュニケーション・サービス」が同9.7%増、「公益事業」が同3.5%増などと増益を保っています。

事前予想を上回るも、通期予想の上方修正にはつながらず

事前の市場予想との比較では、売上が0.5%、EPSは5.0%上回っています。四半期決算のパターンとして、決算発表前にアナリストが保守的に業績を見直すために、実績は市場予想を3〜4%程度上回ることが通例となっています。

これを基準とすると今回は5%上回っているため通例よりも好調と言えます。ただ、この上振れは通期見通しの上方修正にはつながっておらず、S&P500指数の19年と20年の通期予想EPSは下方修正が続いています(図表4)。

8/20(火)日経新聞が、「米主要企業で7〜9月期の収益見通しを下方修正したのは予想を公表した企業の7割近くに達した。下方修正した企業は上方修正の2.9倍に達した。」(調査会社リフィニティブ)と報じているのと整合的です。景気指標が低調に推移していることに加え、対中追加関税第4弾が影響していると見られます。

尚、2020年の予想EPSは、19年予想比10%増が見込まれていますが、足もとの状況から考えると楽観的過ぎる印象です。米国の企業アナリストの業績予想は楽観的なことが知られており、20年の予想EPSは下方修正が続く可能性が高いでしょう。バリュエーションを見るときには保守的に考えておく必要がありそうです。

図表2:S&P500指数採用企業の四半期業績(EPSの前年同期比増加率)

  • 注:19年3Q(7-9月期)以降はBloomberg集計によるコンセンサス予想によります。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表3:通期の予想EPSは下方修正が続く

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

24-6月期の業績好調銘柄をスクリーニングで探る

米国の企業業績は前節でみたように低調で、予想の下方修正も続いていることから、株式投資の環境としてはやや不安定な状態が続いていると言えるでしょう。

ただ、そのような状況を反映してS&P500指数の予想PER(20年予想基準)は16.0倍と割高感はなく、中庸な水準にあると言えるでしょう。

市場全体の上昇余地はさほど大きくない可能性はありますが、銘柄を選べば十分に投資リターンが期待できる状況と言えるのではないでしょうか。

そこでS&P500指数の採用企業について以下の条件でスクリーニングを行い、注目できそうな銘柄を探りました。
(1)4-6月期決算の売上が市場予想を1%以上、EPSが市場予想を5%以上上回った
(2)4-6月期決算が前年同期比増収増益
(3)通期の予想EPSが過去3ヵ月間に3%以上上方修正された
(4)アナリストの目標株価平均が現在値よりも5%以上乖離

抽出されたのは図表4の24銘柄になります。このうち、マイクロソフトについては、決算速報や「アメリカNOW」でご報告してきましたので今回ははずしています。オレンジ色でハイライトした2番手銘柄を中心に5銘柄を選びました。

世界的な肥料大手のCFインダストリーズ ホールディングス(CF)、米国の住宅建設大手のDR ホートン(DHI)、サイバーセキュリティ大手のフォーティネット(FTNT)、医薬品大手のメルク(MRK)、手術支援ロボットのインテューイティブ サージカル(ISRG)を次節でご紹介いたします。

図表4:4-6月期決算の好調銘柄をスクリーニング

コード 銘柄 4-6月期
売上
乖離率(%)
4-6月期
EPS
乖離率
(%)
4-6月期
売上
成長率
(%)
4-6月期
EPS
成長率
(%)
通期
EPS
修正率
(3ヵ月)
(%)
目標株価乖離率
(%)
CF CFインダストリーズ・ホールディングス 7.6 27.1 15.5 76.5 20.1 14.9
INCY インサイト 6.3 52.4 25.7 188.5 19.1 13.9
ARNC アーコニック 1.6 15.3 3.3 56.8 10.7 9.5
BIIB バイオジェン 4.1 21.6 7.8 57.8 9.0 14.5
FTI テクニップFMC 4.7 6.1 16.0 39.3 8.0 34.3
REGN リジェネロン・ファーマシューティカルズ 7.2 10.9 20.3 10.5 7.5 31.4
TTWO テイクツー・インタラクティブ・ソフトウエア 18.3 630.6 46.5 125.0 7.5 7.0
DHI DRホートン 8.6 19.4 10.6 6.8 7.3 7.6
TDG トランスダイム・グループ 4.9 14.9 69.1 23.4 6.3 7.6
ALL オールステート 7.6 43.7 10.1 14.7 5.6 9.0
AIG アメリカン・インターナショナル・グループ 4.5 23.4 8.0 36.2 5.3 13.0
VRTX バーテックス・ファーマシューティカルズ 6.2 18.0 25.3 34.0 5.0 18.3
HAS ハスブロ 2.7 55.3 8.9 63.4 4.5 6.8
ALXN アレクション・ファーマシューティカルズ 2.5 12.5 15.2 27.5 4.1 47.5
FTNT フォーティネット 2.1 15.5 18.2 41.5 3.9 17.5
KMX カーマックス 3.9 7.1 12.0 19.6 3.4 14.8
MRK メルク 7.3 12.2 12.4 22.6 3.4 14.5
MSFT マイクロソフト 2.9 12.7 12.1 21.2 3.3 16.1
ISRG インテュイティブサージカル 6.5 13.0 20.9 17.8 3.2 14.4
PFG プリンシパル・ファイナンシャル・グループ 10.9 9.4 24.8 12.6 3.1 13.1
HIG ハートフォード・フィナンシャル・サービス 2.3 17.0 6.3 17.7 3.0 11.8
  • 注:株価乖離率は8/14(水)時点の株価によります。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

3決算好調の注目成長企業はコレ!?

 業種: 肥料製造

決算期

売上高(百万ドル)

(前年比)

純利益(百万ドル)

(前年比)

EPS(ドル)

18.12

4,429

7%

294

黒字転換

1.26

19.12予

4,741

7%

530

80%

2.38

20.12予

4,949

4%

663

25%

2.94

株価(8/19): 48.72ドル

予想PER(19.12期): 20.5倍

  • 【米国の安価な天然ガスによりコスト競争力が高い】
  • 米国の肥料メーカーで、世界最大のカナダのニュートリエン(ポタッシュとアグリウムの合併会社)に次ぐ2番手グループです。2010年にテラを買収して基盤を強化、リン酸事業を売却する一方、ノルウェーのヤラとの合弁会社を完全子会社化して、硝安、尿素など窒素肥料で世界最大級となっています。米国売上が71%、海外売上が29%を占めます(18年12月期)。
  • 増設した生産設備は安価な米国の天然ガスを使用するため国際的にも競争力が高く、同社の収益を押し上げ、輸入品を代替しています。農家の財政状況はタイトとなっているものの、窒素肥料はリン酸、カリなど他の肥料に比べて必須度が高いことから、需要は相対的に安定しています。
  • 4-6月期の業績は、主に窒素肥料の価格上昇によって売上・利益とも大幅に増加しています。北米の天候要因で肥料の使用が1-3月期から4-6月期にシフトしたことも業績が強くでた要因です。事業環境は良好な状態が続く見通しです。米国の多くの地域で19年の作付け、生育ともに低調となっているため、今後の肥料需要は強いと想定されます。また、グローバルにも、インドとブラジルの需要が強い一方、中国の肥料企業による輸出は限定的と見込まれています。

 業種: 住宅建設

決算期

売上高(百万ドル)

(前年比)

純利益(百万ドル)

(前年比)

EPS(ドル)

18.9

16,068

14%

1,445.3

36%

3.77

19.9予

17,413

8%

1,576.3

9%

4.18

20.9予

18,580

7%

1,699.3

8%

4.60

株価(8/19): 48.17ドル

予想PER(20.9期): 10.5倍

  • 【長期金利の低下が住宅需要を刺激すると期待される】
  • 米国の大手住宅建設企業で、集合住宅を含む住宅売上でレナーに次ぐ2位、一戸建て住宅の売上ではトップです。初回購入者向けおよび買い替え用の一戸建て住宅の建設・販売を手掛け、米国の中西部、大西洋岸中部、南東・南西部および西部で事業を展開します。金融サービス部門を通して、住宅購入者に住宅ローンも提供します。
  • 同社は手頃な価格の住宅へのフォーカス、幅広い地域への事業展開、展開地域での高い市場シェア、アセットライトモデル(保有資産を軽くすること)へのシフトなどによって、継続的に高いリターンとキャッシュフローを生み出せる体制を築いていると考えられます。米国経済は鈍化が見込まれるもののリセッションは避けられるとの見方が優勢で、長期金利の低下が住宅市場を支えていくことが期待されます。
  • 4-6月期は図表4の通り、市場予想を大きく上回る好調となりました。販売戸数が前年同期比13%増、売上が同11%増、受注戸数は同6%増、受注額は同8%でした。また、新たに10億ドルの自社株買い計画を発表しています。20年9月期は、販売戸数、売上とも前年比一桁台の半ばから後半の伸びが想定されています。

 業種: ITサービス

決算期

売上高(百万ドル)

(前年比)

純利益(百万ドル)

(前年比)

EPS(ドル)

18.12

1,801

20%

184

91%

1.06

19.12予

2,112

17%

399

117%

2.23

20.12予

2,397

13%

457

14%

2.45

株価(8/19): 81.16ドル

予想PER(19.12期): 36.4倍

  • 【サイバーセキュリティ業界の平均を上回る伸び】
  • 米国のネットワーク用セキュリティー・ソリューションのプロバイダーで、ファイアウォール、次世代ファイアウォール、UTM(統合脅威管理)などネットワーク用のセキュリティー機器、関連ソフトウェア、保守サービスを提供します。地域別売上は、米州42%、欧州・中東・アフリカ38%、アジア太平洋20%とグローバルに事業展開しています(18年12月期)。サイバーセキュリティの専業企業では特許取得数が圧倒的に多く、この分野で重要な地位を占めていることがわかります。
  • 総合的なサイバーセキュリティサービスを提供している企業には、パロアルトネットワークス、ファイアアイなど最近の脅威(標的型のサーバー攻撃)への対応を中心に興ってきた会社と、旧来型のセキュリティサービスを中心に提供している会社があります。同社はチェックポイントソフトウェアテクノロジーズ、シスコシステムズ(セキュリティ部門)とともに後者の大手の1社で、その中では他社を上回る売上成長を遂げることができています。サイバーセキュリティに対する企業支出が良好なこと、同社の製品サイクルが良好なこと、価格の低いことなどが背景になっていると見られます。
  • 4-6月期の業績は図表4の通り、市場予想を上回る好調となりました。業績好調を受けて19年12月期のガイダンスを受注は24.7〜25.2億ドルから25.1〜25.4億ドルへ、売上は20.7〜21.0億ドルから21.0〜21.2億ドルへ、EPSは2.10〜2.15ドルから2.23〜2.26ドルへ引き上げています。

 業種: 医薬品

決算期

売上高(百万ドル)

(前年比)

純利益(百万ドル)

(前年比)

EPS(ドル)

18.12

42,294

5%

11,803

11%

4.40

19.12予

45,875

8%

12,659

7%

4.90

20.12予

48,281

5%

13,795

9%

5.44

株価(8/19): 86.19ドル

予想PER(19.12期): 17.6倍

  • 【がん免疫治療薬「キイトルーダ」が成長を牽引】
  • 米国の医薬品大手で、医薬品を中心にワクチン、動物用医薬品にも展開しています。業績はがん免疫治療薬「キイトルーダ」が牽引すると期待されます。同薬は非小細胞肺がんやホジキンリンパ腫などで承認されていますが、今後の適応拡大によって売上は17年の38億ドルから2022年に112億ドルへの拡大が見込まれています。
  • 「キイトルーダ」は相次ぐ臨床試験の成功により、ブリストルマイヤーズスクイブやロッシュの競合薬の中でも医師が最初に処方する薬になりつつあり、ポジションを確固たるものにしています。さらにエーザイから導入した抗がん剤の「レンビマ」、アストラゼネカから導入した卵巣がん治療薬「リムパーザ」の拡大や子宮頸がん予防ワクチン「ガーダシル」の成長可能性などにより、18年から22年にかけての平均EPS成長率は9%に高まったと考えられています。
  • 4-6月期決算は、「キイトルーダ」が前年同期比58%増、「ガーダシル」が同46%増などと牽引して売上が同12%増、EPSが同23%増となり、市場予想も大幅に上回りました。19年12月期のガイダンスを売上は43.9〜45.1億ドルから45.2〜46.2億ドルへ、EPSは4.67〜4.79ドルから4.84〜4.94ドルへ引き上げています。

 業種: 医療機器

決算期

売上高(百万ドル)

(前年比)

純利益(百万ドル)

(前年比)

EPS(ドル)

18.12

3,724

19%

1,243

24%

9.79

19.12予

4,339

17%

1,448

16%

12.10

20.12予

4,960

14%

1,654

14%

13.69

株価(8/19): 495.50ドル

予想PER(19.12期): 41.0倍

  • 【世界の手術支援ロボットの市場をほぼ独占】
  • 米軍の遠隔手術の研究開発から誕生した手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」を開発・販売する企業です。高倍率の3Dハイビジョンシステムと、人間の手より広い動作領域を持つ手振れ補正機能付きエンドリストを備えます。患者負担の軽減から手術件数は年々増加し、先行した婦人科や泌尿器科から一般手術にも浸透しつつあります。米国だけでなくアジアや欧州にも拡大、インドに続き、台湾、中国でも事業を開始しています。
  • 同社のシステムを用いる手術件数は、一般手術での浸透がまだ低いことと米国以外での拡大に加え、新製品の投入によって10%台後半の増加が続くと見込まれます。ロボット利用は米国以外での普及率は低く、18年実績の手術件数百万件に対して1〜2百万件の増加ポテンシャルがあると見られます。また、システム設置台数の増加によって機器およびアクセサリーの売上構成比が5割を超えて収益の安定性が増しています。
  • 4-6月期はシステムの売上が前年同期比39%増となったことが牽引して市場予想を上回る業績となりました。手術件数は、米国では一般手術、米国外では泌尿器科手術の増加が牽引して前年同期比17%増でした。システムの販売台数は前年同期比24%増、19年6月末の設置台数は5,270台で前年同期比13%増と順調に拡大しています。
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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