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米国の銀行株は再度買いチャンスを迎えている!?

2017/03/29
投資調査部 榮 聡

長期金利の低下とトランプ政権の政策実行能力への疑問から、トランプラリーを牽引した銀行株が反落しています。確かに政策具体化は市場が期待していたよりも時間がかかっていますが、結局は減税、インフラ投資などの政策が実現して、米国景気が浮揚し、長期金利も上昇に向かうと考えられます。銀行株は再度買いチャンスを迎えているのではないでしょうか。バンクオブアメリカ、JPモルガンチェース、USバンコープなどに注目できると考えられます。

図表1:米国の大手銀行

銘柄 株価(3/28) 52週高値 52週安値
バンク オブ アメリカ(BAC) 23.48ドル 125.80ドル 112.05ドル
JPモルガン チェース(JPM) 88.60ドル 193.98ドル 157.05ドル
シティグループ(C) 59.42ドル 162.53ドル 138.31ドル
ウェルズ ファーゴ(WFC) 55.96ドル 159.99ドル 143.55ドル
US バンコープ(USB) 52.71ドル 156.61ドル 138.48ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
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トランプ相場を牽引してきた銀行株が反落、再度買い場到来!?

トランプ相場を牽引してきた銀行株が足もとで反落しています。

3/16(木)から3/24(金)にかけて、銀行株指数(158業種分類)は-4.6%、バンクオブアメリカは-8.3%、JPモルガンチェースは-4.7%など市場平均のS&P500指数を上回る下落となって、1/20(金)の大統領就任演説後を契機とした「トランプ相場第2幕」で上昇した部分がほぼ剥げ落ちた形です。

下落した要因は、

(1)3/15(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)結果発表で、メンバーの17年末政策金利の予想中央値が「年3回」相当にとどまり、「年4回」相当への上昇を期待する向きもあったことから長期金利が低下したこと

(2)オバマケア代替法案の難航で(結局下院での採決は見送られました)、議会との関係の難しさが表面化して、
他の経済政策の実現性に疑問が出てきたこと

と見られます。

銀行株の相場は終わったのでしょうか?

3/24(金)にオバマケア代替法案の議会通過に失敗したことで、トランプ大統領の政策実現能力を疑問視する声も出ています。しかし、大統領が公約とした政策の中でも同法案の利害関係は複雑であったと言われ、これをもって減税やインフラ投資などの景気刺激策を懸念するのは悲観的過ぎるのではないでしょうか。

確かに期待されたほどスピーディに事は進まないものの、依然として減税やインフラ投資が決まり、米国の景気が浮揚して、長期金利が上昇するという経路を辿る蓋然性は高いと見られます。そうだとすれば、長期金利の低下を背景に下落している銀行株には押し目買いのチャンスが到来していると考えられるのではないでしょうか。

次節で、銀行株が買われる背景と現在の株価評価について確認してみましょう。

図表2:長期金利に沿って動いている銀行セクター指数

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
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銀行株の買いストーリーが実現するのはこれから、バリュエーションにもまだ上昇余地

トランプ大統領が決まって以降、銀行株が上昇した背景について確認しておきましょう。以下のようなロジックで上昇してきたと見られます。

(1)トランプ政権の唱える減税・インフラ投資による恩恵
a. 長期金利の上昇による貸出利鞘の拡大
b. 景気浮揚による信用コスト減少

(2)トランプ政権の唱える金融規制緩和
c. 自己ポジションが取りやすくなることによる収益機会の拡大
d. オバマ政権下の規制強化で増加してきた法令順守コストの低下

aについては、10年国債利回りが1.8%前後から2.4%前後へ上昇したことである程度実現していますが、今後も長期金利は上昇すると見込まれています(図表3)。bは15年末よりエネルギー産業向けローンで償却が増えましたがそれも一服しており、今後景気が浮揚してくれば、さらなる低下が期待されます(図表4)。c、dについてはまだ時間はかかりそうですが、その分銀行株が買われる余地があると言えるでしょう。

一方、トランプラリー第1幕の株価上昇分は残っていますが、株価評価の面で上昇余地はあるのでしょうか?確認してみましょう。

図表5は銀行株指数の予想PERをS&P500指数の予想PERで割ってその比率を計算したものです。例えば、3/28(火)時点で銀行セクターの予想PER13.2倍に対してS&P500指数は18.3倍ですから、この比率は72%と計算するといった具合です。

銀行セクターは全産業に比べて利益の変動性が高く、PERは低く評価される傾向があるため、通常この比率は100%を下回ります。金融危機で利益が落ち込んだためにPERが極端に上昇した08年〜11年前半の時期を除くと、70%〜80%台前半が通常のレンジと言えそうです。

一方、15年から16年にかけて60%台に低下していたのは、長期金利の想定を上回る低下と金融機関に対する規制強化を受けた例外的な現象であったと考えられます。

このため、長期金利の上昇を受けて相対的なPER水準は回復してきましたが、70%〜80%台前半を通常のレンジとすれば、72%の現在はまだ割安な位置にあると捉えることができるのではないでしょうか。

トランプ政権の経済政策が具体化すれば、相対的なバリュエーションが上昇する余地が大きいと言えそうです。

図表3:長期金利は来年にかけて3%超えへ

  • 注:予想はBloombergによります。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表4:銀行の信用コストは低下傾向が続いてきた

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表5:銀行セクターの相対PER(銀行PER÷全産業PER)には上昇余地を残す

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
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米銀行の主要銘柄をご紹介

S&P500指数には米国の「銀行」として17行が採用されていますが、ここでは時価総額上位5行をリストアップしてご紹介いたします(ゴールドマンサックスとモルガンスタンレーは「投資銀行業務」が主力のため、ここには含めていません。)

図表6でEPSの推移をみると、JPモルガンチェース、バンクオブアメリカ、USバンコープが15年から19年に向けて着実な成長が見込まれており、注目できるでしょう。利益の成長と質の両方を重視するならJPモルガンチェース、利益の変化率の高さを重視するならバンクオブアメリカ、安定成長を求めるならUSバンコープが良いでしょう。

一方、シティグループについては、海外部門の収益が悪化してここ数年リストラを進めていることから、相対的に伸び悩んでいると見られます。また、ウェルズファーゴは、昨年不正口座の開設が発覚して営業慣行の見直しを行っているため、足もとの業績推移が見劣りしています。

バンク オブ アメリカ(BAC)
・米国の預金額シェア1位、資産額3位の大手銀行です。全米と世界35以上の国々で消費者向け金融サービス、商業銀行、投資銀行、資産運用まで幅広い事業を展開しています。

・EPSは16年実績の1.58ドルから19年予想の2.40ドルへ52%の増加と、ここに取り上げた5行の中で最も高い成長が見込まれています。10-12月期のEPSは前年同期比48%増で市場予想も上回って好調でした。コンシューマー・バンキング部門では、預金額が10%増、貸出残高が8%増、預り証券残高が18%増など事業基盤は順調に拡大して、今後の成長に期待できるでしょう。

JPモルガン チェース(JPM)
・米国の資産額1位、貸出額シェア1位の大手銀行です。米国23州で銀行業務に従事するほか、世界約60カ国において金融事業を展開しています。「チェース・バンクUSA」はクレジットカード発行を手掛け、投資銀行の「JPモルガン・セキュリティーズ」は債券・株式ともに引受額はグローバルトップを誇ります(16年実績)。

・EPSの伸び率ではバンクオブアメリカに劣りますが、利益のクオリティの高さを求めるなら同行が良いでしょう。10-12月期のEPSは16%増益と好調で、市場予想も上回りました。預金額が11%増、貸出額が14%増と事業基盤の拡大が目立っており、他の銀行に比べて支店の閉鎖をあまり行わなかったことがここに来て効いていると言われています。

シティグループ(C)
・シティグループは個人と法人向けに世界160カ国以上で金融サービスを展開する米国の大手銀行持株会社です。クレジットカード「Citi」を含む一般消費者向け小売銀行業務、企業向け銀行業務、投資銀行、証券仲介、機関投資家向けのプライベートバンキングなどの業務、また資産運用・管理のほか、米国内外での住宅ローンや個人融資などの消費者金融も扱います。

・海外事業の縮小を進めてきたことで、一時70%近くあった海外収益の比率は16年に50%まで低下してきました。それでも他の大手行に比べて海外事業の比率は高く、海外経済が米国経済よりも良好な局面で注目されやすい銀行と言えます。

ウェルズ ファーゴ(WFC)
・3つの地方銀行が経営統合してきた銀行で、展開地域でのシェアが高く、良質の預金を確保していることが強みとされます。住宅ローンの組成に強いことが特徴で、同分野ではシェアトップです。ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャーハサウェイの主要投資先の一つであることでも有名です。

・昨年9月に不正口座開設が発覚して営業慣行の是正に努めており、10-12月期決算はその影響で純利益は5%減にとどまりました。ただ、預金額は前年比6%増加、9月末比でもプラスを維持しているため、顧客離れが顕著という訳ではないようです。徐々に正常化していくと期待されます。

US バンコープ(USB)
・ミネソタ州に本社を置く地方銀行大手で、主力の商業銀行「US Bank」は資産額で米国5位です。中西部、西部を中心に25州で銀行業を展開、3,000以上の支店と5,000近いATMをネットワークしています。食品雑貨店の一角などに設置されるインストアブランチのネットワークでも知られています。

・同行のROE(株主資本利益率)は、S&P500指数採用17行中で突出して高い13.6%を誇ります。これがPER、PBRなど株価評価の高さに繋がっています。銀行経営の水準が高い上に、同行収入の27%を占める「ペイメントサービス」(クレジット・デビットカードの加盟店管理業務をグローバルに展開する「Elavon」)の成長性・収益性が高いことも要因になっていると見られます。

図表6:JPモルガンチェース、バンクオブアメリカ、USバンコープなどが着実な利益成長

  • 注:EPSの実績およびBloomberg予想の推移です。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表7:主要銀行の事業別構成比(16年12月期)

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表8:主要銀行の投資指標

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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