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米国株、決算後の3つのシナリオとは?1-3月期決算が好調な厳選5銘柄。

2016/05/11
投資調査部 榮 聡

米国企業の1-3月期決算はEPSが前年同期比8.7%減と低調ですが、株価は世界的な金融緩和の効果で比較的高いPERが維持されていると見られます。米国経済の先行きにより、米国株式市場について3つのシナリオを提示しました。3つのうち、景気回復の場合(ケースA)、景気減速が続く場合(ケースB)の可能性が高いと思われます。

今後の物色の方向性は市場がどちらのシナリオに沿った動きになるかで大きく異なると見込まれます。ただ、現状ではAになるかBになるかの見極めが難しくなっています。そこで今回はどちらか一方にベットするよりは、いずれのケースでもある程度の成果が期待できるよう、1-3月期決算が好調と考えられる以下の5銘柄をピックアップしてご紹介いたします。

図表1:注目銘柄リスト

銘柄 株価(5/10) 52週高値 52週安値
アマゾン ドットコム(AMZN) 703.07ドル 703.07ドル 418.36ドル
ファイザー(PFE) 33.80ドル 36.46ドル 28.25ドル
アルトリア グループ(MO) 64.60ドル 64.16ドル 47.31ドル
ブリストル マイヤーズ スクイブ(BMY) 71.53ドル 73.06ドル 51.82ドル
マクドナルド(MCD) 131.60ドル 131.50ドル 87.50ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
1

米国株、決算後の3つのシナリオ

終盤に近づいている米国企業の1-3月期決算は、EPSが前年同期比8.7%減(5/10時点)と過去2四半期よりも減少幅が拡大して低調でした。ドル高の影響が緩和したもののGDP成長率の鈍化で一部相殺されたと見られ、一気に回復とまでは至っていません。

米国株式市場の投資環境は、(1)世界・米国とも成長率が減速気味、(2)企業業績は停滞、(3)予想PERは17.8倍(5/10時点)で安くはなく、継続的に上値追いが期待できる状況ではなさそうです。

一方、米国を除く世界では強力な金融緩和が続いて投資資金は潤沢で市場センチメントは決して悪くなく、上記のような投資環境でもS&P500指数は最高値(2015/5/20の2,134.72ポイント)に近い位置をキープできていると考えられます。

米国株式相場の今後を考えてみると、相場の焦点になると考えられる米国経済の先行きによって、図表3に示したような3つのシナリオが考えられるでしょう。

「米国経済が回復」に向かうAのケースでは、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ期待が高まり、ドル高が進むことで一時的に株価は調整する可能性があるでしょう。その後は、景気回復を背景とした「業績相場」に移行して上昇すると見込まれます。景気敏感セクターやバリュー株が物色されやすいでしょう。

「減速傾向が続く」Bのケースは現状に近く、相場はもみ合いとなりやすいでしょう。ドル高修正が進む場合には、EPSが改善することでPERの割高感が解消、株価は上昇余地が出てくると見込まれます。物色はディフェンシブセクターが優位で成長株がアウトパフォームしやすいと見られます。

足元の経済指標の動きからはAまたはBの可能性が高いと見られますが、どちらに傾くかなかなか見極めがつかないというのが現状ではないでしょうか。そこで今回はどちらか一方にベットするよりは、いずれのケースでもある程度の成果が期待できるよう、16年1-3月期の決算動向がしっかりした銘柄をご紹介いたします。

図表2:S&P500指数の予想PERは緩和的な金融政策を背景に高水準が維持されています

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表3:米国株式市場の3つのシナリオ

ケース

米国の景気動向

FRBの利上げ動向

米国株式市場

株式物色動向

A

年初の減速から回復へ

年2〜3回

一旦反落?
その後業績相場へ

景気敏感
バリュー株

B

減速傾向が継続

年内0〜1回

もみ合い
ドル安なら上昇へ

ディフェンシブ
成長株

C

リセッション入りも懸念

年内0回
利下げも検討

株価は調整へ

高配当銘柄

  • ※各種資料をもとにSBI証券が作成
2

1-3月期決算が好調な厳選5銘柄

S&P500指数採用企業のうち5/9(月)までに16年1-3月期決算発表が終わった443社について、以下の条件でスクリーニングを行っています。

【スクリーニングの条件】
(1) 1-3月期決算の売上は1%以上、EPSは5%以上、市場予想を上回った
(2) 1-3月期決算の売上は1%以上、EPSは5%以上、10-12月期の増加率から加速した
(3) 通期予想EPSの過去4週間の修正率がプラス
(4) 通期予想EPSが増加予想

抽出された銘柄を時価総額の大きい順に並べたものが図表4になります。ここにあがってきた銘柄はすべて注目できると考えられますが、今回は比較的に知名度があり時価総額が大きい5銘柄(赤字で表示)を取り上げてご紹介いたします。

全体の傾向としては、医薬品、医療機器、食品・飲料、レストラン、小売など、大雑把に捉えて消費関連の企業が多く抽出されています。産業景気の低調を受けて同関連企業は少ないものの、その中でここにあがってくるということは、個別に良い材料をもった企業だと考えられ、ハネウェル インターナショナル(HON)、E.I デュポン(DD)など注目できるでしょう。また、目に付くのが建材大手の2社、バルカン マテリアルズ(VMC)、マーチンマリエッタ マテリアルズ(MLM)が入っていることで、米国のインフラ投資市場の改善が窺えます。

今回のスクリーニングでは、(2)の条件により抽出から漏れましたが、フェイスブック(FB)の1-3月期決算は好調が目立っていました。今年の米国株式市場を牽引する代表的な銘柄として引き続き注目できるでしょう。

尚、前回の四半期決算レビューレポート「続くか!?米国株の反発。決算が突出して良い企業とは?」(2016/2/17掲載)で取り上げた5銘柄の株価騰落率を検証したのが図表5です。S&P500指数の上昇率8.2%を上回ったのは3銘柄で2銘柄は下回り、出入りが大きくなりました。フェデックス、ハスブロ、フェイスブックが上昇して、5銘柄の平均では12.6%と大きく上回っています。

図表4:1-3月期決算が良好な銘柄群

  • 注:S&P500指数採用企業で5/9(月)までに決算を発表した443社が母集団です。「前期比変化(売上高)」は、{「1-3月期の売上増加率」-「10-12月期の売上増加率」}を計算したものです。「EPS修正率」「EPS増加率」は、通期予想EPSに関してです。表中の「黒転」は10-12月期の増益から、1-3月期は黒字転換していることを示します。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表5:前回(15年10-12月期)の決算レビューで取り上げた銘柄は平均でS&P500指数を凌駕

銘柄(コード)

株価(2/17)

株価(5/10)

騰落率

フェイスブック(FB)

105.20ドル

120.50ドル

14.5%

フェデックス(FDX)

133.09ドル

163.25ドル

22.7%

アルファベット(GOOG)

708.40ドル

723.18ドル

2.1%

ハスブロ(HAS)

72.05ドル

86.33ドル

19.8%

ウィンダムワールドワイド(WYN)

68.94ドル

71.72ドル

4.0%

5銘柄平均

-

-

12.6%

S&P500指数

1,926.82

2,084.39

8.2%

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
2

注目銘柄のポイント

銘柄名 株価
(5/10)
703.07ドル 予想PER
(倍)
68.2
ポイント
  • 15年10-12月期に利益が市場予想を下回って株価が下落しました。「アマゾン プライム」会員に対する無料配送やスピードアップのための配送コスト負担が要因でしたが、この費用負担は顧客囲い込みのための投資と捉えることもでき、その後株価は戻り歩調となりました。
  • 1-3月期決算は北米、海外ともネット通販売上の伸びが10-12月期から加速して売上・EPSとも市場予想を上回りました。販売促進投資が実を結びつつあると見られます。また、同社の海外売上は先進国の比重が高く、ドル高修正の効果が大きく出たと見られます。昨年株価の上昇を牽引したAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の売上は69%増と高い伸びを維持できています。
  • 株価は15年に2倍以上に上昇した後、15年末から調整し、戻ってきたところです。17年12月期の予想EPSは15.5ドルで、これをベースにすると予想PERは45倍まで低下します。
銘柄名 株価
(5/10)
33.80ドル 予想PER
(倍)
13.8
ポイント
  • 世界最大の製薬会社で、循環器系、中枢神経系、鎮痛・抗炎症系などで豊富な新薬実績をもちます。節税を目的としたアラガンとの合併は、米政府による税制改正の意向を受けて4/8に中止しています。
  • 1-3月期の売上のオーガニック成長は0.4%増で、10-12月期の2%減から改善しています。売上を牽引しているのは、乳がん治療薬「イブランス」、肺炎球菌ワクチン「プレベナー」、抗凝固薬「エリキュース」、疼痛治療薬「リリカ」、免疫抑制剤「ゼルヤンツ」などです。ホスピラ社(注射剤)の買収で11%ポイント、営業日数増(米国で5日、海外で4日)で8%ポイントの上乗せがあり、報告ベースの売上は20%増、営業利益は27%増でした。足元の業績好調を受けて16年のガイダンス中央値を売上で4%(510-530億ドルへ)、EPSで8%(2.38-2.48ドルへ)引き上げています。
  • アナリストによる目標株価平均は38.45ドル(5/10時点)で、上場来高値を更新して現値から1割以上の上値が見込まれています。
銘柄名 株価
(5/10)
64.60ドル 予想PER
(倍)
21.1
ポイント
  • マールボロ、ラークなどを擁する米国シェア最大のたばこ会社です。08年に海外のたばこ事業を手掛けるフィリップ モリスと分離しました。
  • たばこの出荷数量は、前年同期比1.2%増(主力ブランドのマールボロは1.0%増)と10-12月期の2.6%減から改善しています。うるう年による営業日数の増加、在庫の動き、小売市場でのシェアの拡大などが要因です。売上は5%増、値上げ効果も加わって調整後営業利益は9%増です。無煙たばこ部門も12%増収・17%増益と好調です。
  • 16年通年の調整後EPSガイダンスは、前年比7-9%増に相当する3.00-3.05ドルが維持されました。現在の四半期配当は0.565ドルで年率2.26ドル、現値に対して配当利回りは3.5%と魅力的な水準です。米国の長期金利の低下トレンドを受けて、ここ2年株価は緩やかな上昇が続いています。業績も堅調なことから、引き続き注目できるでしょう。
銘柄名 株価
(5/10)
71.53ドル 予想PER
(倍)
27.6
ポイント
  • バイオ医薬品の有力メーカーで、がん免疫治療薬「オプジーボ」による成長が期待されています。同薬は、がん細胞が免疫機能にブレーキをかけているタンパク質(PD-L1)の作用を阻害して、本来の免疫機能でがん細胞を攻撃できるようにするものです。薬が効く仕組みが根本的であるため幅広いがんに有効と考えられ、小野薬品工業と共同で現在20種類以上のがんに関する臨床試験が進められています。
  • 16年1-3月期はオプジーボの牽引によって売上は9%増、純利益は横ばいと、前四半期の業績モメンタムから改善しました。オプジーボの売上は7.0億ドルで10-12月期の4.8億ドルから拡大、売上構成比16%まで増加しています。通期のEPSガイダンスは2.50- 2.60ドル(従来は2.30-2.40ドル)へ引き上げられています。
  • 「オプジーボ」による業績拡大が期待できるとしても、足元の業績動向からすると予想PERの27.6倍はなかなか買いにくい水準です。しかし、コンセンサス予想によるEPSは16年12月期の2.59ドルから17年12月期には3.30ドルへの増加が見込まれています。17年12月期ベースの予想PERは21.7倍で、割高感はかなり和らぎます。加えて同じ材料をもつ小野薬品工業(4528)の株価に大きく出遅れています。
銘柄名 株価
(5/10)
131.60ドル 予想PER
(倍)
23.7
ポイント
  • 12年10-12月期から3年近くにわたり業績が低調となっていましたが、店舗の改装や食材の改善により、15年7-9月期から回復しています。世界の既存店売上は15年7-9月期4.0%増、15年10-12月期5.0増、16年1-3月期6.2%増と改善が続いています。
  • 4-6月期は「モノポリー」ゲームのプロモーション、7-9月期はオリンピックのスポンサーなどの効果により、16年中も堅調な既存店売上が期待されます。また、昨年10月に導入して米国での売上回復に貢献した「オールデイ・ブレックファスト」の国際展開はこれからです。また、海外売上比率が高いことから、ドル高による売上・利益の押し下げが緩和することが期待されます。
  • アナリストの目標株価は132.67ドル(5/10時点)と現値に近くなっています。ただ、アメリカのアナリストは四半期業績を確認しながら徐々に目標株価を引き上げていくことが多いようです。業績の改善が継続する可能性が高く、まだ上値はあると考えられます。
  • ※注目銘柄(5銘柄)の株価週足チャートは、当社のチャートツールを用いて作成(2016/5/9時点)。
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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