年初の急落で不安定化の懸念が残る株式市場、世界経済の成長鈍化傾向、長期金利の低下などを受けて、株式市場では「配当」に対する注目が高まっています。そこで今回は、「25年以上連続して増配を実施している」銘柄からなる「S&P500配当貴族指数」をご紹介します。同指数のパフォーマンスは年初来好調です。同指数自体に投資することもできますが、同指数の構成銘柄には米国を代表する優良企業が含まれていると考えられるため、投資対象を考える際のユニバースとしても非常に有用です。構成50銘柄から高成長企業を厳選して、5つの「公爵」銘柄をご紹介いたします。
図表1:注目銘柄リスト
銘柄 | 株価(3/29) | 52週高値 | 52週安値 |
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ホーメル フーズ(HRL) | 44.40ドル | 45.72ドル | 27.08ドル |
ウォルグリーン ブーツ アライアンス(WBA) | 83.02ドル | 30.67ドル | 9.89ドル |
エアープロダクツ アンド ケミカルズ(APD) | 145.03ドル | 154.55ドル | 114.64ドル |
シャーウィン ウィリアムズ(SHW) | 285.60ドル | 294.35ドル | 218.27ドル |
マクドナルド(MCD) | 123.97ドル | 125.00ドル | 87.50ドル |
- ※当社WEBサイトをもとにSBI証券が作成
注目高まる「配当貴族指数」 |
年初の急落で不安定化の懸念が残る株式市場、世界経済の成長鈍化傾向、長期金利の低下などを受けて、株式市場では「配当」に対する注目が高まっています。
配当利回りが高い公益事業セクターの株価指数は年初来13%上昇して、横ばいにとどまるS&P500指数を大きく上回っています。また、米国株投資関連のWEBサイトでは、様々な切り口で配当に着目した投資アイデアが提案され、配当に対する投資家の興味の高まりが窺えます。
そこで今回注目したのが、「S&P500配当貴族指数」です。これは、米国の代表的な企業からなる「S&P500指数」の構成銘柄から、「25年以上連続して増配を実施している」銘柄を取り出した株価指数です。
「配当貴族指数」のパフォーマンスは、図表3の通り良好です。09年から12年にかけてS&P500指数をアウトパフォームした後、13年から15年にかけては同程度のパフォーマンスでしたが、16年に入って株式市場で配当への注目が高まる中で、再度アウトパフォームとなっています。
同指数自体にも注目できますが、その構成銘柄群は優良企業を探す場合に非常に便利なユニバースになると考えられます。
「25年以上連続して増配」している企業群ですので、
・必ずしも連続「増益」ではないわけですが、それにしても業績が長期に安定して拡大しているだろう
・25年間増配を続けているほどだから、株主還元に対するスタンスが高い会社だろう
ということが予想されます。同指数の構成銘柄を確認して投資を考えてみましょう。
尚、同指数自体に投資したい方には、同指数への連動を目指す「NEXT NOTES S&P500 配当貴族(ネットリターン) ETN(2044)」が利用できます。同ETNは東証上場で、邦貨で投資ができます。
図表2:S&P500指数を大きく上回る公益事業の株価指数
- 注:最後のデータは3/28です。
- ※ブルームバーグデータをもとにSBI証券が作成
図表3:S&P500指数を上回るS&P500配当貴族指数
- 注:両指数とも配当を含むトータルリターン指数によります。最後のデータは3/28です。
- ※ブルームバーグデータをもとにSBI証券が作成
「配当貴族指数」にはどんな銘柄が入っている? |
配当貴族指数は、3/28現在50銘柄からなります(図表4)。
(1)S&P500指数の構成銘柄である、(2)25年間以上連続して増配している、(3)選定時の時価総額が30億ドル以上、1日当たり売買代金平均が500万ドル以上、の条件で選定され、年1回入れ替えが行われます。
図表4の赤字で表示しているのは、時価総額300億ドル以上の大型企業で、コカ コーラ、マクドナルド、ペプシコ、3M、ウォルマート、エクソン モービルなど馴染み深い銘柄も含まれています。
これら50銘柄はいずれも投資対象として研究する価値のある銘柄群だと思われますが、今回は高成長企業を中心に見るという観点から、過去10年間でEPS、配当とも2倍以上になっている銘柄を図表5に抽出しています。
さらにこの中から、赤字で表示した今期予想EPS増加率の高い5銘柄を厳選「公爵」銘柄としてピックアップしています。
「SPAM」が有名な食肉加工大手でオーガニック食品への展開が注目されるホーメルフーズ(HRL)、ドラッグストアチェーンとして世界初のグローバル展開が注目されるウォルグリーン ブーツ アライアンス(WBA)、安定成長する企業が多い産業用ガスのエアープロダクツ アンド ケミカルズ(APD)、ペイント店舗の展開で成長、さらに同業の買収によってグローバルトップに躍り出ようとしているシャーウィン ウィリアムズ(SHW)、4年にわたった業績停滞から成長軌道に戻りつつあるマクドナルド(MCD)です。
図表4:「配当貴族指数」の構成銘柄
- ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
図表5:過去10年で1株当たり利益と配当が2倍以上になっている銘柄
- 注:ブラウン フォーマン(BF/B)は当社の取扱いがありません。
- ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
「配当貴族指数」から厳選の「公爵」銘柄はコレ!? |
銘柄名 | 株価 (3/29) |
44.40ドル | 予想PER (倍) |
28.6 | |
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ポイント |
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株価チャート(週足2年)EPSと配当の推移 |
銘柄名 | 株価 (3/29) |
83.02ドル | 予想PER (倍) |
18.5 | |
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ポイント |
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株価チャート(週足2年)EPSと配当の推移 |
銘柄名 | 株価 (3/29) |
145.03ドル | 予想PER (倍) |
19.5 | |
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ポイント |
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株価チャート(週足2年)EPSと配当の推移 |
銘柄名 | 株価 (3/29) |
285.60ドル | 予想PER (倍) |
23.0 | |
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ポイント |
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||||
株価チャート(週足2年)EPSと配当の推移 |
銘柄名 | 株価 (3/29) |
123.97ドル | 予想PER (倍) |
23.0 | |
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ポイント |
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株価チャート(週足2年)EPSと配当の推移 |
- ※株価チャートは当社WEBサイトを通じて、EPSと配当の推移のグラフはBloombergデータをもとにSBI証券が作成。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。