年初来、中国株式市場は大幅な下落となっています。経済減速に対する懸念に加えて人民元相場の動きが不安感を増幅、さらに株式需給の悪化懸念が背景にあったと見られます。
しかし、人民元相場は中国人民銀行の介入で「安定を維持する」との意思表示がなされ、大株主による株式売却制限も延長されました。マクロ経済指標では、製造業や固定資産投資の減速は続くものの、非製造業PMIや小売売上高などは堅調な動きとなっています。今後政府による経済テコ入れ策も期待されます。
株式市場は昨年8月の安値近辺まで調整しています。投資のチャンスではないでしょうか?
運用会社 | ティッカー | 名称 | 連動指標 | 経費率 | 株価(2016/1/20現在) | 売買単位 | 最低投資金額(円)※4 | 市場 |
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ミレーアセット (※1) |
03110 | ホライズン 高配当利回りETF | ハンセン高配当利回りインデックスの運用成績に概ね連動する投資成果を目指す。 | 0.50% | 19.76 | 100 | 29,640 | 香港市場 |
03127 | ホライズンCSI300 ETF | CSI300インデックスの運用成績に概ね連動する投資成果を目指す。 | 0.49% | 12.08 | 100 | 18,120 | 香港市場 | |
03040 | ホライズンMSCI 中国 ETF | MSCI中国インデックスの運用成績に概ね連動する投資成果を目指す。 | 0.25% | 18.96 | 100 | 28,440 | 香港市場 | |
ステート・ストリート (※2) |
02800 | トラッカーファンド オブ ホンコン | 香港ハンセン指数に連動。ハンセン指数は香港市場を代表する40銘柄で構成され、その時価総額の合計は香港取引所全体の6割強を占める | 0.10% | 19.1 | 500 | 143,250 | 香港市場 |
ブラックロック (※3) |
02801 | iシェアーズMSCI チャイナ インデックス ETF |
H株指数採用銘柄やハンセン指数採用銘柄を含んだMSCIチャイナ・インデックスへの連動を目指す。 | 0.59% | 16.1 | 200 | 48,300 | 香港市場 |
FXI | iシェアーズ中国大型株 ETF | FTSEチャイナ50インデックスに連動。香港市場の時価総額と流動性の面で上位50の中国企業から成る。 | 0.74% | 30.54 | 1 | 3,543 | NYSE Arca | |
02846 | iシェアーズCSI 300 中国A株インデックスETF |
CSI300指数の実績に概ね連動する投資成果を目指す。 | 0.99% | 22.65 | 100 | 33,975 | 香港市場 |
(※1)ミレーアセットは、1997年に設立されたアジアに本社を置く独立系の運用会社です。
新興国市場投資のプロたちからなる世界的なネットワークを築いています。グループの商品ラインナップをフル活用して、顧客の利益を最大化することを目指しています。
(※2)ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(略称SSGA)は、200年以上の歴史を持つ米国ステート・ストリート銀行の資産運用部門であり世界屈指の運用機関です。
1993年に米国初のETF SPDRS&P500ETF(ティッカー:SPY)を米国市場に上場し、今日のETF隆盛の礎を築いたパイオニアとしても知られています。
(※3)iシェアーズは、ブラックロック・グループが運用するETF(上場投資信託)ブランドです。
iシェアーズの品揃えは株式や債券、コモディティやREITなどの非伝統資産もカバーしており、各資産クラスにおいても地域別、セクター別など多様な商品を提供しています。
(※4)1HKD=15円/1USD=116円で試算(手数料等は考慮せず)
年初来大幅下落となった中国株式市場 |
【中国株式市場】
・中国本土株式市場は年初から大幅な下落となり、1/18には一時15年8月の安値を下回る水準まで調整しました。経済減速に対する懸念に加えて人民元相場の動きが不安感を増幅、さらに株式需給の悪化懸念が背景にあったと見られます。
・昨年7月に実施された大株主による売却制限の期限が1/8(金)であることを睨んで、1/4(月)にはCSI300指数(上海取引所と深セン取引所の主要銘柄による株価指数)の下落率が7%に達し、「サーキット・ブレーカー」が発動されて取引が停止しました。
・7日(木)にも「サーキット・ブレーカー」が発動されましたが、8日(金)には一転、同適用を停止するなど、中国証券監督管理委員会の行政スタンスのブレも市場の混乱に拍車をかけた可能性があります。
・大株主による株式売却制限の延長、金融監督行政機関の強化など、当局より株式市場の安定に向けた対策が発表されています。
【香港株式市場】
・香港ハンセン指数は、本土市場を上回る下落となっています。これは、昨年安値を下回る株価推移となっている銘柄が多い銀行・保険の構成比が高いことが要因です。
・中国市場が本格反転となって金融銘柄が戻る場合には、本土の指数よりも香港ハンセン指数のほうが戻りが大きくなると見込まれます。
図表1 上海総合指数と香港ハンセン指数(日足、1年)
- ※当社WEBサイトを通じて、SBI証券が作成
人民元相場とマクロ経済指標を確認 |
【中国人民元相場】
・昨年末から年初にかけてオフショア市場が主導して人民元安が進み、資本流出の加速かと懸念が広がりました。しかし、1/4の週に中国人民銀行によるオフショア市場での人民元買いの介入があった模様で、その後はオフショア市場と本土市場の乖離が縮小して落ち着きを取り戻しています。
・15年11月末にIMFがSDR(特別引き出し権)への採用を決めて、人民元には国際化へのプレッシャーがある中、介入はしにくいだろうとの点をついて、オフショア市場で投機筋による売り仕掛けがあったと見られます。これに対して当局は、介入により「人民元の安定を維持する」との意思を示しました。1/18には、預金準備率の適用対象銀行を拡大して投機筋の人民元調達コストを引き上げ、相場安定が図られました。
図表2 落ち着きを取り戻しつつある人民元相場
- ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
【マクロ経済指標】
・1/19発表のGDPは、15年通年が前年比6.9%増、10-12月期が同6.8%増となり、14年の同7.3%増、7-9月期の同6.9%増から減速が続いていることが確認されました。しかし、市場の一部にあるハードランディング論者には全く物足りない減速だったかもしれません。
・月次指標では図表3の通り、製造業PMIは減速が続く一方、非製造業PMIは横ばいから改善の動きとなっています。また、図表4の通り、固定資産投資の減速は続くものの、小売売上高は伸び率が改善する傾向、鉱工業生産もPMI指数が示唆するほど悪化しているわけではありません。
・貿易統計の輸出・輸入とも前年比のマイナス幅を縮小しつつあります(図表5参照)。12月の改善は香港との取引急増が一つの要因ですが、その他地域も悪化しているわけではなく、改善基調と見てよいと考えられます。
・15年12月に開催された中央経済工作会議では、「積極的な財政政策を強化し、穏健な金融政策を一段と柔軟にすることが必要」と表明され、今後具体的な政策が発表されることも期待されます。
図表3 減速続く製造業、落ち着きつつある非製造業
- ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
図表4 固定資産投資は減速ながら、小売売上高は堅調
- ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
図表5 改善の兆し?の貿易統計
- ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。