マレーシアの1月の輸出総額は前年比0.4%増と、事前予想に反して小幅上昇にとどまった。前月の同6.1%増に比べると上昇幅が大きく鈍化している。輸入総額は前年比3.3%増と、前月の同10.4%増から鈍化したものの、好調な資本財輸入(同30.8%増)と消費財輸入(同18.9%増)を背景に上昇した。貿易黒字は87.5億リンギと前月の83.1億リンギから増加した。
電気機械が1月は前年比5.5%減と前月の同2.2%減から更に減速したことが輸出全体の鈍化傾向に大きく影響している。船舶用燃料油(同6.4%減)、パーム油(同1.0%減)、機械装置(同4.3%減)、鉄鋼製品(同17.9%減)も輸出の鈍化に影響している。ただ、液化天然ガス(同56.2%増)や化学製品(同2.8%増)、精製油(同40.5%増)、光学器械(同3.7%増)が好調だったことにより、ヘッドラインの数字はそこまで落ち込んでいない。
年初の結果からつまずいたものの、マレーシアの輸出が弱いと結論付けるのは早計だろう。今年は1月に中国の春節があったことを考慮すべきである。ここ数ヶ月のうちにいくつかの業種には復調の兆しが出るだろう。なかでも、電気機械は在庫の積み増しと年後半の世界景気の復調が大きく寄与してくると考えている。更に、インフラプロジェクトのための政府支出の増加と現在検討中の最低賃金制度導入による民間消費の加速期待などを考慮すると、資本財と消費財の輸入はかなり強いものとなる可能性が高い。
図1:マレーシアの貿易関連指標の推移
そこまで悲観的な見通しを持つ必要はない