予測した通り(1月18日付レポート参照)、1月31日の火曜日にマレーシア中央銀行は翌日物政策金利(OPR)を3.00%に据え置いた。政策金利は2011年の5月から同水準に据え置かれ続けている。マレーシア中銀の声明はハト派的な内容となっており、世界経済の減速や財政状況の悪化が先行きの見通しを難しくさせているとしている。同国経済に関しては、内需が下支えとなり、更 に公共投資が追い風となるとするものの、外需は依然としてダウンサイドリスクを含んでいるとした。
インフレに関しては、コストプッシュ及びディマンドプルの要因は共に収まると想定しており、同国経済の脅威になる可能性は低いとマレーシア中銀は見ている。前回のレポートでも述べたように、ベース効果や世界経済の減速を考えると、2012年は通年で2.7%前後に落ち着くのではなかろうか。
マレーシア中銀は必要となれば、金利を引き下げる余地はあるとしているが、少なくとも今年の前半は3.00%に据え置き続けるのではないかと考えている。仮にマレーシア中銀が利下げをするとすれば、急激に経済環境が悪化したときのみだろう。むしろ、民間消費や公共投資が活性化しすぎることで、2012年の後半に0.25%金利を引き上げるというシナリオも考慮すべきだろう。
図1:政策金利とCPI(前年比)
今後の金融政策には外部要因が大きく影響