インドネシアの2月のインフレ率・ヘッドラインは前年比3.56%増と、前月の同3.65%増から鈍化しており、依然としてインフレ圧力の鈍化傾向は続いている。これで6ヶ月連続でヘッドラインは鈍化を続けたことになる。今回の結果は事前予想よりも鈍化した結果となっている。一方で、2月のコア・インフレ率は前年比4.31%増と前月の同4.29%増から加速しており、20ヶ月連続で4%台を超えている。コア・インフレ率の上昇傾向は一向に収まる気配がない。
ヘッドラインの鈍化は食品価格の下落が大きく寄与している。2月の同価格は前年比2.87%増と前月の同3.29%から大きく鈍化している。また、衣料品価格を除けば、構成項目の多くが鈍化しており、これもまたヘッドラインの押し下げ要因となっている。
インフレ率がここまで鈍化しているにも関わらず、私は引き続きインフレリスクは潜在していると考えている。同国政府が計画している燃料価格の引き上げが背景だ。この結果次第では、2012年通年のインフレ率は前年比で6%を超える可能性もあると見ている。政府の燃料価格の引き上げ計画の動向が明確になるまでは金融政策への影響は出にくいと考えるが、場合によっては利上げの必要性も出てくることを考慮しておくべきだろう。
図1:インドネシアのインフレ率(ヘッドラインとコアの推移)
コア・インフレ率の勢いは衰え知らずの状況