米国の株式市場では1株から投資できるため、最低投資金額が小さく、株価が銘柄選択の制約になることは少ないと言えます。しかし、「定期買付サービス」を利用する場合には、制約となる場合もありそうです。そこで今回は、1万円以下で購入できる、資産クラスを代表するような海外ETFをご紹介いたします。
図表1:1万円以下で購入できる代表的なETF(上場投資信託)
取引 | チャート | コード | 銘柄 |
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VT | バンガード トータル ワールド ストックETF(VT) | ||
VYM | バンガード 米国高配当株式ETF(VYM) | ||
PFF | iシェアーズ 米国優先株式 ETF(PFF) | ||
EEM | iシェアーズ MSCI エマージング ETF(EEM) | ||
EPI | ウィズダムツリー インド株収益ファンド(EPI) | ||
HYG | iシェアーズ iBoxx USD Hイールド社債 ETF(HYG) | ||
BND | バンガード米国トータル債券市場ETF(BND) |
※当社WEBサイトをもとにSBI証券が作成
米国の株式市場では株式は1株から購入できます。このため1,000株や100株などの「売買単位」という制度がある日本株の市場に比べて最低投資金額は小さく、これが銘柄を選ぶ際の制約になることは少ないと言えます。
例えば、S&P500指数採用の500銘柄のうち9割近くは2万円以下で購入可能で、10万円で買えないのはブッキング ホールディングス(BKNG)の24.0万円、アマゾン ドットコム(AMZN)の17.5万円、アルファベット A(GOOGL)の11.5万円の3銘柄に過ぎません(5/9(水)時点)。500銘柄の最低投資金額の平均は約1.2万円と、少額から株式投資が可能となっています(図表2)。
一方、積立投資に利用できる「米国株式・ETF定期買付サービス」では、毎月あるいは毎週など定期的に買い付けていくため、最低投資金額がいくらかは銘柄を選ぶ上での制約になることもありそうです。
そこで、今回は1万円以下で買える海外上場ETFにどのようなものがあるか、ご紹介いたします。
当社が取り扱う海外ETF285銘柄のうち1万円以下で購入できるものは210銘柄ありました(5/9(水)時点)。その中で、1日の出来高が5万株を超えている80銘柄から、資産クラスを分散する形で代表的な銘柄をご紹介いたします。
〇グローバル株式
バンガード トータル ワールド ストックETF(VT)
「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」へのパフォーマンス連動を目指します。同インデックスは全世界の大型、中型、小型株の市場パフォーマンスを測定するもので、先進国や新興国市場を含む約47ヵ国の約8,000銘柄で構成されています。これ一つで世界の株式市場を網羅できることが魅力です。5/9(水)終値74.79ドル。
〇米国株式
バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)
「FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス」へのパフォーマンス連動を目指します。同指数は米国株で配当利回りが高い銘柄で構成されています。上位組入銘柄は、マイクロソフト、JPモルガンチェース、ジョンソン&ジョンソン、エクソンモービル、ウェルズファーゴなどです。5/9(水)終値83.28ドル。
iシェアーズ 米国優先株式 ETF(PFF)
「S&P米国優先株式インデックス」へのパフォーマンス連動を目指します。優先株式は配当金の支払いが普通株に優先する株式の種類で、債券と株式の両方の性質をもち、普通株に比べてリスクが低いと考えられます。5/9(水)終値36.97ドル。
尚、米国株への投資で代表的なS&P500指数に連動するETFは、残念ながら、いずれも2万円以上でした。
〇新興国株式
iシェアーズ MSCI エマージング ETF(EEM)
「MSCI・エマージング・マーケッツ指数」へのパフォーマンス連動を目指します。世界の新興国株式の代表的な銘柄が組入れられており、5/9(水)時点の上位組入銘柄は、テンセント、サムスン電子、アリババ、台湾セミコンダクター、ナスパーズなどです。5/9(水)終値46.51ドル。
ウィズダムツリー インド株収益ファンド(EPI)
「ウィズダムツリーインド・アーニングス・インデックス」へのパフォーマン連動を目指します。同指数は、組み入れ銘柄のウェイトを銘柄の利益額で決める、ファンダメンタル加重指数であることに特徴があります。5/9(水)終値26.23ドル。
〇債券
iシェアーズ iBoxx USD Hイールド社債 ETF(HYG)
「iBoxx米ドル建てリキッド・ハイイールド指数」へのパフォーマンス連動を目指します。米国のハイイールド債券市場に幅広く投資します。同ETFは流動性が高く、「分配利回りが高いETF」と言ったときに真っ先に取り上げられるETFと言えそうです5/9(水)終値85.51ドル。
バンガード 米国トータル債券市場ETF(BND)
「ブルームバーグ・バークレイズ米国総合浮動調整指数」に連動する投資成果を目指します。米国債、社債、米国以外の米ドル建て債券、モーゲージ債及びアセットバック証券など、米国の投資適格債券市場全体を投資対象としてます。5/9(水)終値78.69ドル。
時間分散を効かせて投資できる「米国株式・ETF定期買付サービス」、これらの銘柄で検討されてはいかがでしょうか。
図表2:最低投資金額が小さい米国株式市場
注:S&P500指数採用銘柄の5/9(水)時点のデータです。109.74円/ドルで円換算しています。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成