今回は分配金利回りが高いETFをご紹介いたします。米国の長期金利は先週初の2.15％前後から2.3％台に上昇してきたことで、利回りが意識される証券には向かい風となっていますが、逆に投資のチャンスとなる可能性もあるでしょう。

取引	チャート	コード	銘柄
		HYG	iシェアーズ iBoxx USD Hイールド社債 ETF
		EMLC	ヴァンエックベクトルJPM新興国債券ETF
		RWX	SPDR ダウ インター リアル エステート ETF
		PFF	iシェアーズ 米国優先株式 ETF
		EWM	iシェアーズ MSCI マレーシア ETF

今回は「分配金利回り」が高い海外上場ETFをご紹介いたします。

ETF（上場投資信託）にも、通常の投資信託の「分配金」同様に、株式の「配当」にあたる「分配金」があります。コモディティ関連やブル・ベア型など「分配金」がないETFもありますが、「分配金」に注目して購入されるETFも多数存在します。

一般に海外では日本に比べて金利の水準が高いため（7/6（木）の10年国債利回りは日本では0.104％に対して米国では2.368％）、分配金利回りの水準も高いものが多くあります。

当社取扱の海外上場ETF295銘柄について、下掲の算式で計算した実績分配金利回りが5％以上の銘柄（7/5の出来高が2万株以上のものに絞っています）を抽出しました。

実績分配金利回り（％）　＝　過去1年間の分配金の合計　÷　基準価格（株価）　×　100

図表2の通り、ハイイールド債に投資するETF、不動産に投資するETF、優先株に投資するETF、マレーシア株に投資するETFなどがリストアップされました。

また、分配パターンは、債券に投資するETFは「毎月」分配するものが多く、不動産に投資するものは「四半期」、株式に投資するETFは「半期」ごとに分配するものが多くなっています（当社WEBサイトの銘柄情報のページで「分配金履歴」の項目を選んでいただきますと、過去の分配金について、いつ、いくら支払われたか確認できます）。

この中から、投資対象を分散して、比較的流動性が高い（出来高が多い）銘柄を5つ選んでご紹介いたします。

iシェアーズ iBoxx USD Hイールド社債 ETF（HYG）
「iBoxx米ドル建てリキッド・ハイイールド指数」へのパフォーマンス連動を目指します。米国のハイイールド債券市場に幅広く投資します。同ETFは流動性も非常に高く、「分配金利回りが高いETF」と言ったときに真っ先に取り上げられるETFと言えそうです。

ヴァンエックベクトルJPM新興国債券ETF（EMLC）
「JPモルガン国債指数　新興国市場グローバル・コア」へのパフォーマンス連動を目指します。国別の組入れ上位は、メキシコ、ポーランド、ブラジル、インドネシア、南アフリカなどです。

SPDR ダウ インター リアル エステート ETF(RWX)
米国を除く世界の代表的な不動産投資信託（REIT）や不動産株式に投資する「ダウ・ジョーンズ・グローバル(米国を除く)セレクト不動産証券指数」へのパフォーマンス連動を目指します。

iシェアーズ 米国優先株式 ETF(PFF)
「S&P米国優先株式インデックス」へのパフォーマンス連動を目指します。債券と株式の性質の両方を有する米国の優先証券（配当金の支払いが普通株に優先します）に投資します。

iシェアーズ MSCI マレーシア ETF(EWM)
「MSCIマレーシア指数」へのパフォーマンス連動を目指します。同指数はマレーシア市場の時価総額の85％を捉えることを目標としています。マレーシアの株式市場は、「クアラルンプール総合指数」ベースの配当利回りでも3.1％と比較的高くなっていることから、高い分配金利回りが実現していると見られます。

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