17年も半ばに差し掛かってきましたので、今回は年初来の騰落率ランキングを確認してみました。その結果、パフォーマンストップはインドの小型株に投資するETFと判明しました。これを含む、騰落率上位のETFをご紹介いたします。
図表1 年初来騰落率上位のETF(上場投資信託)
取引 | チャート | コード | 銘柄 |
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SCIF | ヴァンエック ベクトル インド小型株ETF | ||
EWY | iシェアーズ MSCI 韓国キャップト ETF | ||
2801 | iシェアーズ MSCI チャイナ インデックス ETF | ||
EPOL | iシェアーズ MSCI ポーランド・キャップト ETF | ||
SMH | ヴァンエック ベクトル半導体ETF |
※SBI証券が作成
当社取扱の海外ETFについて年初来の騰落率でランキングにして、図表2に上位20銘柄をリストアップしています。
年初来の上昇率トップは、インドの小型株に投資する「ヴァンエック ベクトル インド小型株ETF」です。これを含む上位銘柄について、投資ストーリーをご紹介いたします。
○インド株のETF
モディ首相が主導する経済改革への期待からインド株市場は好調が続いています。インドの1-3月期実質GDP成長率は、高額紙幣廃止の影響が出て前年比6.1%増に落ち込みましたが、成長の鈍化は一時的と見られています。
経済改革の恩恵を享受する度合いは、国内企業が多い小型株銘柄に大きいと考えられることが、小型株に投資する「ヴァンエック ベクトル インド小型株ETF」が上昇率トップになった理由と見られます。
インド株の投資ストーリーについて詳しくは、4/7掲載の「雨降って地固まったインド、相場はまだ序の口!?」をご参照ください。
○韓国株のETF
韓国KOSPI指数の時価総額の2割超を占めるサムスン電子(005930)の業績好調が牽引しています。同社は半導体の好調に加え、有機EL市場が急速に立ち上がっていることから、電子デバイス部門の利益拡大が顕著です。
また、韓国の新大統領文氏が北朝鮮に対して融和的な姿勢を打ちだしていることも物色の背景となっている可能性があるでしょう。
韓国株の投資ストーリーについて詳しくは、5/12掲載の「上昇が目立つ韓国株、背景にはEPSの上方修正」をご参照ください。
○中国株のETF
香港ハンセン指数の年初来上昇率は18%です。リストアップされた銘柄はこれを大幅に上回っていますが、これらETFが連動を目指す株価指数は、組入れ銘柄数を主要銘柄に限っていることが要因と見られます。
「03040」と「02801」は、株価が大幅に上昇したアリババグループ(BABA)、テンセント(00700)の組入れ比率が高く、「03110」は高配当株銘柄に絞っていることが奏功しています。
さらに、6/20(火)にMSCIが発表予定の、中国本土A株がMSCI指数に組入れられる可能性にも注目が集まっています。
中国株の投資ストーリーについて詳しくは、6/2掲載の「香港株式市場が好調!!MSCI指数への組入れ期待!?」をご参照ください。
○ポーランド株のETF
ポーランドの主要株価指数「WIG指数」が年初来17%上昇、通貨ズロチが対ドルで同12%の上昇となっています。昨年後半よりユーロ圏経済の改善が顕著となっていますが、その恩恵が周辺新興国に波及しているものと見られます。同国の鉱工業生産指数(前年比)は、変動性が高いものの右肩上がりのトレンドを描いています。
○半導体株のETF
半導体業界は通常の好不況の波を超えて拡大を続ける「スーパーサイクル」に入っている可能性が注目を集めています。米国市場では、S&P500など主要指数が保ち合う局面でもフィラデルフィア半導体株指数が着実に上値追いとなる動きが目立っています。
投資ストーリーについて詳しくは、2/8掲載の外国株式特集レポート「半導体の大相場がくる!?」をご参照ください。
図表2 年初来騰落率上位のETF(ブル・ベア型を除いています)
注:当社が取り扱う295の海外上場ETFからブル・ベア型を除いたものが母集団です。年初来騰落率は17年6月7日までのデータによります。赤字のハイライトは、注目銘柄リストに取り上げたものです。
※当社WEBサイトのデータをもとにSBI証券が作成