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2024-04-29 00:01:36

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中国株 ココがPOINT!  〜再び「不動産苦境・ネット規制・ロックダウン」の3重苦?! 最新動向と「BYDの急落」〜

2022/7/15
投資情報部 李 燕

7/7-7/14の香港市場は続落しました。米利上げ加速への警戒感が強いなか、中国の不動産市場をめぐる不安やネット大手に対する罰金、ロックダウン懸念を受け、投資家はリスク回避の動きを強めました。ディフェンシブの電気通信や好材料が出た航空大手を除けば、ほぼ全面安の展開となりました。

今回は、再び浮上してきた「不動産苦境・ネット規制・ロックダウン」の3重苦懸念とBYD(01211)の急落について、最新動向と見通しを確認します。

図表1 ハンセン指数の一目均衡表(日足、3ヵ月)

注:7/14(木)までのチャートです。
※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成。

図表2 香港市場の業種別指数の推移(2021年12月31日=100として指数化)

注:業種別指数はハンセン総合指数のサブ指数です。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。

図表3 香港市場の個別銘柄の騰落率と関連ニュース等(7/14(木)までの騰落率)

ハンセン指数

騰落率上位
(5日)
銘柄名 騰落率
(5日)
騰落率
(1ヵ月)
騰落率
(3ヵ月)
関連ニュース等
01093 石薬集団 [CSPCファーマシュ-ティカル] 4.3% 16.6% -2.0% 医薬品大手。新薬の上市(市販されること)をめぐる進展が買い材料となった。
00316 東方海外 4.0% -3.2% 11.9% 海上貨物輸送を手掛ける。大手証券会社が投資判断「買い」でカバレッジ開始。目標株価が現在の株価水準を大きく上回り、買い材料となった。
00006 電能実業 [パワー・アセッツ] 2.0% -0.9% -3.3% 電力会社。リスク回避の動きが強まるなか、ディフェンシブ銘柄として買われた。
01044 恒安国際 [ハンアン・インターナショナル] 1.1% 0.8% 1.1% 衛生用品メーカー。リスク回避の動きが強まるなか、ディフェンシブ銘柄として買われた。
00066 香港鉄路[MTRコーポレーション] 1.1% 0.4% -0.2% 香港の公共交通サービス会社。テクニカル要因の模様。MACDが上向きの買いサインを示し、買い優勢となった。
騰落率下位
(5日)
銘柄名 騰落率
(5日)
騰落率
(1ヵ月)
騰落率
(3ヵ月)
関連ニュース等
01211 比亜迪 [BYD] -12.9% -6.9% 18.0% 中国EV最大手。大株主による保有株売却に対する懸念で売られた。(詳細は本文をご参照願います。)
00960 龍湖集団 [ロンフォー・グループ] -13.2% -8.0% -30.1% 中国不動産大手。不動産市場をめぐる懸念が売り材料となった。(詳細は本文をご参照願います。)
03968 招商銀行(CMB) -13.6% -10.5% -29.7% 大手商業銀行。不動産市場をめぐる懸念が売り材料となった。(詳細は本文をご参照願います。)
02007 碧桂園 [カントリー・ガーデン] -19.0% -13.6% -41.1% 中国不動産大手。不動産市場をめぐる懸念が売り材料となった。(詳細は本文をご参照願います。)
06098 CG SERVICES -22.7% -11.9% -36.1% 不動産大手カントリーガーデン(02007)傘下の不動産サービス会社。不動産市場をめぐる懸念が売り材料となった。(詳細は本文をご参照願います。)(SBI証券取り扱いなし)

ハンセンテック指数

騰落率上位
(5日)
銘柄名 騰落率
(5日)
騰落率
(1ヵ月)
騰落率
(3ヵ月)
関連ニュース等
09999 網易 [ネットイース] 1.0% -13.8% -6.6% ゲーム大手。中国当局が新しいゲームを認可。同社の作品は入っていないが、ゲーム業界に対する規制が一段と緩み、買い材料となった。
02018 瑞声科技 [AACテクノロジーズ] 0.7% -1.4% -2.7% 音響部品メーカー。子会社のスピンオフ上場計画が買い材料となった。
00992 聯想集団 [レノボ・グループ] 0.6% -5.0% -7.2% パソコン大手。特段材料はなく、需給要因とみられる。
09866 蔚来汽車 [ニオ] -0.8% 24.8% 2.9% 新興EVメーカー。ロックダウン懸念とEV関連銘柄への売り(※)は悪材料だが、中国当局が一段のEV支援を検討していることが支えとなり、下げ幅は限定的だった。(※詳細は本文をご参照願います。)
09961 携程旅行網 [トリップドットコム゚] -0.9% 18.8% 9.9% オンライン旅行サービス大手。ロックダウン懸念は悪材料だが、中国民用航空局が国際線をさらに増便すると表明し、買い戻された。(SBI証券取り扱いなし。リンク先は米国上場のTCOMとなっています。)
騰落率下位
(5日)
銘柄名 騰落率
(5日)
騰落率
(1ヵ月)
騰落率
(3ヵ月)
関連ニュース等
06690 海爾智家 [ハイアールスマートホーム] -7.5% 3.0% -4.9% 大手家電メーカー。不動産市場をめぐる懸念(※)を背景に、家電の需給減を警戒し売られた。(※詳細は本文をご参照願います。)
09626 ビリビリ -8.0% -2.2% -8.0% 動画プラットフォーム大手。中国当局が同社を含む28社に対し、過去のM&A案件の情報開示を巡り独占禁止法に違反したとして、罰金を科した。(SBI証券取り扱いなし。リンク先は米国上場のBILIとなっています。)
09698 万国数拠服務 -11.5% -1.8% -24.0% データセンターを運営。大手投資ファンドによる持ち株比率の引き下げがみられた。
00020 SenseTime Group Inc -11.9% -61.8% -56.5% AIソフトウェア大手。ロックアップ解除に伴う売り圧力が引き続き、重石となった。経営陣は保有株を売却していないと釈明したが、売り圧力への懸念は根強い。大手証券会社が目標株価を引き下げたことも嫌気された。
00909 Ming Yuan Cloud Group -24.0% -19.6% -15.8% 不動産会社向けソフトウェア大手。大手証券会社数社が投資判断と目標株価を引き下げ、急落した。(SBI証券取り扱いなし)

注:銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergをもとにSBI証券が作成。

今週の中国株市況

7/7-7/14の香港市場は、ハンセン指数が4.1%下落、ハンセンテック指数は4.0%下落しました。米国上場のADRで構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC指数)は、8.9%下落しました。

米国の6月の消費者物価指数(CPI)が一段と上昇し、米利上げ加速に対する警戒感が強いなか、投資家はリスク回避の姿勢を強めました。中国の不動産市場をめぐる不安やネット大手への締め付け強化の再燃、オミクロン派生株の感染拡大を受けたロックダウン懸念も追い打ちとなりました。

業種別は、不動産、一般消費財、情報テクノロジーが軟調でした。

不動産は、住宅ローンの返済をボイコットする動きを嫌気しました。不動産最大手のカントリーガーデン(02007)を筆頭に、中国海外発展(00688)や万科企業(02202)が大幅安となりました。不良債権の増加を警戒し、中国工商銀行(01398)や招商銀行(03968)など銀行大手もそろって売られました。

一般消費財は、主に自動車の調整によるものです。中国新エネルギー車最大手のBYD(01211)が大株主の売却を警戒し、大幅安となり、下げを主導しました。7/13に香港上場した中国リチウム大手の天斉リチウム(09696)をめぐる動きも、投資家心理に影を落としました。

香港上場を2日前に控えた7/11、天斉リチウムの深セン上場A株(銘柄コード:002466)は9.16%下落しました。きっかけは、中国本土市場である程度知名度のある人物が同社A株について、バリュエーションの高さを指摘したことです(詳細は「中国株式香港上場の天斉リチウム(09696)<香港市場上場初日>より取扱開始!(7/13〜)」をご参照願います)。

もっとも、天斉リチウム(002466)の株価は4月末から7/10まで2倍以上に急騰したことに加え、香港上場株の公開価格がA株より大幅に低め(約5割安)に設定されたことも、A株は利益確定売りに押されやすい状況にありました。ただし、天斉リチウムは電気自動車(EV)バッテリーに欠かせない原料であるリチウムの業界において代表的な銘柄として注目度が高いため、同社A株の下落は香港市場の自動車(EV含む)関連銘柄にも影響を及ぼしました。

情報テクノロジーは、アリババ(09988)やテンセント(00700)が調整しました。中国当局が過去のM&A案件の情報開示を巡り独占禁止法に違反したとしてアリババやテンセントに対し罰金を課し、ネット大手への締め付け強化懸念が再燃しました。

投資家のリスク回避志向の強まりでほぼ全面安となったなか、ディフェンシブのチャイナモバイル(00941)やチャイナテレコム(00728)が買われました。中国東方航空(00670)や中国南方航空(01055)、エアチャイナ(00753)など航空大手3社もそろって上昇しました。航空行政を管轄する中国民用航空局が国際線をさらに増便すると表明したほか、航空大手3社に対する増資を発表し、買い材料となりました。

国際線増便の動きは中国当局の意向を反映したものとみられます。オミクロン派生株の感染拡大を受け、足元で中国が再び大規模なロックダウンを実施するのではないかとの懸念が生じていますが、国際線増便の動きからすると、中国のコロナ対策は「コロナと共存」へシフトしているようにみえます。

背景として、上海のロックダウンが予想以上に経済へ打撃を与え、中国当局は景気支援への対応に追われていることが挙げられます。中国当局は2022年通年のGDP成長率目標(5.5%前後)達成を目指しており、足元で一段のインフラ支援策やEV販売促進策を検討しています。ロックダウン下では支援策の効果も薄れるため(不動産市場をめぐる不安再燃がその典型的な例と言える)、中国当局は重要都市での大規模なロックダウンはできる限り避けながらコロナ対策を実施していくと予想されます。

今回のトピックス

今回は、再び浮上してきた「不動産苦境・ネット規制・ロックダウン」の3重苦懸念とBYD(01211)の急落について、最新動向と見通しを確認します。なお、ロックダウン懸念については、「今週の中国株市況」の最後の部分をご参照ください。

住宅ローン返済のボイコット事件

先週、中国の一部都市で住宅ローンの返済をボイコットする動きが広がりました。ブルームバーグ報道によると、不動産開発会社の建設が遅れていることを理由に、約50都市の100プロジェクトの住宅購入者が住宅ローン返済をボイコットしました。住宅建設の遅れはロックダウンによる影響もあったとみられます。現時点で返済ボイコットにより生じ得る不良債権は、全国住宅ローン残高の1-2%を占めると試算されています。

今のところ規模は小さいものの、今後さらに拡大することを警戒し、不動産や銀行が先週大きく下落しました。株価急落を受け、中国工商銀行(01398)や中国銀行(03988)、中国農業銀行(01288)などは関連プロジェクトの情報開示を行いました。各社とも該当プロジェクトにかかわる住宅ローンの延滞額が住宅ローン全体に占める比率は低く(たとえば中国工商銀行が0.01%)、その影響は限定的だと説明しました。

中国当局も金融当局や大手銀行と緊急会合を開きました。中国銀行保険監督管理委員会(銀監会)の担当責任者は「この件に関して注視している。最も重要なのは「確実に住宅を購入者に引き渡す」ことであり、これに関して我々は非常に重視する」とコメントしました。中国国営中央テレビ(CCTV)の報道によると、銀監会は住宅都市農村建設部と中国人民銀行(中央銀行)の協働を強化し、「建物の引き渡し保証」を積極的に推し進めるため地方政府を支援すると表明しました。情勢が一段と悪化することを防ぐため、中国当局が介入の意向を示した格好です。

住宅ローンの延滞額の規模が比較的小さいことからすると、中国当局の介入で事態の悪化は回避できそうです。他方、今回の事件は、不動産市場の回復には時間がかかることが改めて意識されました。中国当局がさらなる不動産支援策を打ち出さない限り、不動産や銀行・家電など不動産関連業種にとっては株価抑制要因になりそうです。なお、7/15に発表された主要70都市の新築住宅平均価格は前月比で横ばいとなり、住宅価格の下げ止まりが示されました。上海のロックダウン解除に加え、これまで打ち出された不動産支援策がある程度功を奏したとみられます。

ネット大手への締め付け強化懸念

中国当局は7/10に、アリババ(09988)やテンセント(00700)などに対して、過去のM&A案件の情報開示を巡り独占禁止法に違反したとして、罰金を科しました。ネット大手への締め付け強化に対する懸念が再燃し、ネット大手がそろって調整しました。他方、罰金は大半が1件当たり50万元で、かつてアリババに課した182億元、美団に課した34億元と比べると少額です。したがって、締め付けが再び強化されたとは言い難く、過去の調査に対して独占禁止法を適応したことに当たります。

他方、ネット大手をめぐっては、アリババをめぐる新しい動向が投資家の心理に影を落としています。7/14の米国市場でアリババ(BABA)が下落しました。警察データベースの大規模な窃盗に関連し、上海当局が事情聴取のためアリババのクラウド部門の幹部を呼び出したと、ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたからです。

今月初めに、上海市の警察データベース(アリババクラウドにある)に侵入し、住民10億人分の個人情報を盗んだとハッカーが主張する事件が発生しました。アリババの内部調査ではまだ原因が特定できず、上海当局が事情聴取に動きました。今回の件はネット大手への締め付け強化というより、ハッカー侵入という突発事故に対する監督当局の通常業務と言えます。他方、アリババクラウドの管理に不備が発覚した場合、当局が規定に沿ってアリババに対して何らかの処分を下す可能性もあるため、今後の動向には留意が必要です。

アリババをはじめとするネット大手の年初来株価推移を確認してみると、データベースの大規模な窃盗事件が重なり、ネット大手の株価変動は足元で大きくなっています。他方、多くの銘柄は足元の調整を経ても3月中旬の年初来安値を大きく上回っており、上昇トレンドは維持されています。過去1-2年間のネット大手への締め付けを振り返ってみると、締め付けが緩んできていることは確かで、「規制強化の最悪期は過ぎた可能性が高い」ことに変わりはないと考えられます。短期的に株価変動に留意が必要ですが、中長期的には引き続きネット大手のバリュエーション修正に注目したいです。

【BYD(01211)の急落

7/12、BYD(01211)が12%下落しました。7/11に大株主のバークシャー・ハサウェイ(バフェット氏が会長、以下バークシャー)が保有する株数に相当する株式が香港の清算決済システム「中央結算系統(CCASS)」に反映され、バークシャーがBYD株を売却するのではないかとの観測が広がりました。BYDのIR部門の担当者は7/12に、バークシャーによる持ち分変動は今のところ確認できていないとコメントしました。

通常、5%を超える大株主に保有の変化があった場合、情報開示が行われます。7/14までの情報開示データに基づけば、バークシャーによる売却は確認できていません。ブルームバーグなどメディアの問い合わせに対し、バークシャー側は回答をしていないようです。他方、中国の中堅証券会社は7/12に、バークシャー側との情報交換によると、バークシャーは今のところBYD株を売却する予定はないと示したそうです。その情報源がどこまで信頼性が高いのかどうかは不明のため、バークシャーによる売却リスクは当面、消えない可能性があります。

なお、BYDは7/14に2022年上期の業績見通しを発表しました。それによると、純利益は前年同期比139%-207%増になる見通しです。会社側は、上期は新型コロナの感染拡大や半導体不足、原材料価格の上昇などに直面し厳しい事業環境でしたが、新エネルギー車の販売拡大が好業績を支えたと説明しました。好決算を受け、BYDの株価は持ち直しました。

新エネルギー車におけるBYDの強み(新エネルギー車のブランド力や高級車シフトの成果、車載半導体や車載電池などのコア技術も併せ持つこと)を考えると、BYDは今後も拡大が予想される新エネルギー車の市場においてベストポジションにあると言えます。他方、バークシャーによる売却リスクは需給要因としては大きいため、今後の動向には留意が必要です。

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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