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2024-04-28 23:59:41

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中国株 ココがPOINT!  〜当局の「方針転換」でアリババやテンセントなどが急反発、今後の注目点は?〜

2022/3/18
投資情報部 李 燕

3/10-3/17の香港市場は反発しました。主な要因は、中国当局が3/16に金融市場の安定維持と景気を下支える方針を示したからです。特に「大手ネット企業の是正をできるだけ早く完了しなければならない」と表明したことが、ポジティブサプライズとなりました。それを受け、アリババやテンセントなどネット大手が3/16以降に急反発しました。

今回は、3/16に中国当局が示した具体的な方針、および過去の経験を確認したうえで、相場への影響を考察してみたいと思います。

図表1 ハンセン指数の一目均衡表(日足、3ヵ月)

注:3/17(木)までのチャートです。
※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成。

図表2 香港市場の業種別指数騰落率(3/17(木)までの騰落率)

注:業種別騰落率はハンセン総合指数が母集団です。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。

図表3 香港市場の個別銘柄の騰落率と関連ニュース等(3/17(木)までの騰落率)

ハンセン指数

騰落率上位
(5日)
銘柄名 騰落率
(5日)
騰落率
(1ヵ月)
騰落率
(3ヵ月)
関連ニュース等
00388 香港取引所 13.2% -12.5% -15.5% 香港証券取引所を運営。足元の株価変動に伴う売買代金の増加や中国当局による相場支援策への期待で買われた。傘下のロンドン金属取引所(LME)がニッケル取引を再開したことも、買い手掛かりとなった。
01997 九龍倉置業 [ワーフ・リアルエステート] 10.0% 2.9% -6.2% 香港地場の不動産会社。テクニカル要因のもよう。香港経済紙のテクニカルアナリストが、短期反発狙いのトップ銘柄として同社を挙げた。(SBI証券取り扱いなし)
03690 美団(Meituan) 9.0% -28.8% -30.4% 中国フードデリバリー最大手。中国当局が「大手ネット企業の是正をできるだけ早く完了しなければならない」と表明し、ネット関連株が買われた。
00241 阿里健康信息技術 [アリババ・ヘルス] 8.7% -22.0% -32.4% アリババ(09988)傘下のインターネットヘルス大手。中国当局が「大手ネット企業の是正をできるだけ早く完了しなければならない」と表明し、ネット関連株が買われた。政府紙の人民日報が、同社CEOのインタビューを掲載したことも好材料となった。ネット医療分野に対し、中国当局が前向きに評価する方向へ転換したと解釈された。
09618 JDドットコム 7.2% -13.9% -9.2% EC大手。中国当局が「大手ネット企業の是正をできるだけ早く完了しなければならない」と表明し、ネット関連株が買われた。
騰落率下位
(5日)
銘柄名 騰落率
(5日)
騰落率
(1ヵ月)
騰落率
(3ヵ月)
関連ニュース等
00762 中国聯通[チャイナ・ユニコム] -5.4% -10.9% -0.8% 通信キャリア。大手証券会社が投資判断と目標株価を引き下げた。2021年通期の業績は予想通りだが、配当性向は予想を下回るとした。
00857 中国石油天然気 [ペトロチャイナ] -5.5% -8.0% 8.0% 中国石油・天然ガス最大手。原油先物価格の下落を嫌気し、売られた。
00968 信義光能 [シンイー・ソーラー] -5.5% -3.3% 2.0% 太陽光発電ガラスメーカー。年初来高値が上値抵抗線となっているもよう。3/10に年初来高値を試したが、上抜けず、その後は軟調地合いもあり、調整した。
00883 中国海洋石油 [CNOOC] -5.7% -3.2% 20.8% 中国石油・天然ガス大手。原油先物価格の下落を嫌気し、売られた。
00288 万洲国際 [WHグループ] -9.2% -17.0% -2.9% 豚肉加工で世界最大手。一部生産工場の衛生問題が報じられ、売り材料となった。

ハンセンテック指数

騰落率上位
(5日)
銘柄名 騰落率
(5日)
騰落率
(1ヵ月)
騰落率
(3ヵ月)
関連ニュース等
00909 Ming Yuan Cloud Group 23.8% -31.4% -39.8% 不動産会社向けソフトウェア大手。中国当局が不動産市場に対して支援の意向を示し、買い材料となった。(SBI証券取り扱いなし)
09626 ビリビリ 12.5% -28.2% -45.7% 動画プラットフォーム大手。中国当局が「大手ネット企業の是正をできるだけ早く完了しなければならない」と表明し、ネット関連株が買われた。(SBI証券取り扱いなし。リンク先は米国上場のBILIとなっています。)
03690 美団(Meituan) 9.0% -28.8% -30.4% 中国フードデリバリー最大手。中国当局が「大手ネット企業の是正をできるだけ早く完了しなければならない」と表明し、ネット関連株が買われた。
00241 阿里健康信息技術 [アリババ・ヘルス] 8.7% -22.0% -32.4% アリババ(09988)傘下のインターネットヘルス大手。中国当局が「大手ネット企業の是正をできるだけ早く完了しなければならない」と表明し、ネット関連株が買われた。政府紙の人民日報が、同社CEOのインタビューを掲載したことも好材料となった。ネット医療分野に対し、中国当局が前向きに評価する方向へ転換したと解釈された。
09618 JDドットコム 7.2% -13.9% -9.2% EC大手。中国当局が「大手ネット企業の是正をできるだけ早く完了しなければならない」と表明し、ネット関連株が買われた。
騰落率下位
(5日)
銘柄名 騰落率
(5日)
騰落率
(1ヵ月)
騰落率
(3ヵ月)
関連ニュース等
02015 理想汽車 -5.4% -13.7% -13.3% 新興EVメーカー。EV大手各社が値上げを実施しているなか、原材料高による業績への影響が懸念された。(SBI証券取り扱いなし。リンク先は米国上場のLIとなっています。)
00981 中芯国際 [SMIC] -5.6% -15.8% -8.7% 半導体受託生産(ファウンドリー)大手。米国の制裁懸念や深センのロックダウンによるサプライチェーンへの影響が懸念され、売られた。
01833 平安健康医療 [ピンアン・ヘルスケア] -6.6% -22.9% -32.3% 平安保険(02318)傘下のインターネットヘルス大手。2021年通期の赤字幅が過去最大となり、売り材料となった。決算発表後、大手証券会社数社が目標株価を引き下げた。
09868 小鵬汽車 -7.6% -34.5% -38.4% 新興EVメーカー。現地紙によると、同社は原材料高を受け、値上げを実施する予定。EV大手各社が値上げを実施しているなか、原材料高による業績への影響が懸念された。
00772 閲文集団(China Literature) -14.8% -32.2% -40.7% オンライン文学プラットフォームを運営。大手証券会社が競争激化による業績悪化見通しを理由に目標株価を引き下げた。

注:銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergをもとにSBI証券が作成。

今週の中国株市況

3/10-3/17の香港市場は、ハンセン指数が2.9%上昇、ハンセンテック指数は3.1%上昇しました。米国上場のADRで構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数は、5.6%上昇しました。

主要指数はいずれも3/15まで前週の流れを引き継ぎ下落しましたが、3/16以降は急反発しました。主な要因は、中国当局が3/16に金融市場の安定維持と景気を下支える方針を示したからです。特に「大手ネット企業の是正をできるだけ早く完了しなければならない」と表明したことがポジティブサプライズとなりました。

業種別では、情報テクノロジー、金融、ヘルスケアが堅調でした。情報テクノロジーは、投資家にとって最大の懸念だった「規制リスク」が大幅に低下したことを受け、反発しました。米国上場の中国ADRの上場廃止リスクがやや後退したことも、買い安心感につながりました。美団(03690)やJDドットコム(09618)、アリババ(09988)、テンセント(00700)などのネット大手がそろって買い戻されました。

金融は、主に香港証券取引所(00388)が上昇をけん引しました。香港証券取引所は、足元の株価変動に伴う売買代金の増加や中国当局による相場支援策への期待で買われました。傘下のロンドン金属取引所(LME)がニッケル取引を再開したことも、買い手掛かりとなりました。英大手銀行のHSBC(00005)は、ロンドン市場での自社株買いが好材料となりました。アジア保険大手のAIA グループ(01299)も自社株買い計画の発表で上昇しました。

ヘルスケアは、米国上場の中国ADRの上場廃止リスクがやや後退したことを受け、バイオ関連を中心に買い戻されました。米国と香港で重複上場しているバイオ関連株のベイジーン(06160)やザイラボ(09688)をはじめ、香港のみに上場している薬明生物技術(02269)も買い戻されました。

一方、公益、エネルギー、素材は調整しました。公益の下落は、投資家のリスク回避志向の後退によるものです。エネルギーと素材は、原油をはじめとする商品先物価格の調整が響きました。ペトロチャイナ(00857)やCNOOC(00883)、中国アルミ(02600)など資源大手が利益確定売りに押されました。商品先物価格はウクライナ情勢や需給の動向(観測含む)などを受け、足元で変動幅が大きくなっています。資源株は当面、商品先物価格を睨みながらのボラティリティの高い状態が続きそうです。

今回のトピックス

ハンセン指数の動き(図表1)を確認してみると、2月中旬から3/15まで下落基調が続きました。その間、特に3/14-3/15の下げ幅は大きく、この2日間の動きを香港現地紙では"無差別な投げ売り"と表現しました。主な下落要因として、ウクライナ危機下の米中対立懸念に加え、中国ADRの上場廃止リスクの再燃が挙げられます。海外投資家による売りが報じられるなか、香港市場では「下値の目途が分からない」、「何らかの危機時の投げ売り状態だ」との声が増えました。

相場がほぼパニック状態に陥ったなか、3/16に中国当局が動き出しました。中国の劉鶴副首相は3/16に金融安定発展委員会の特別会議を主催しました。3/16午後には、国営の新華社通信が会議の内容として、金融市場の安定維持と景気を下支える方針を発表しました。中国当局の動きを受け、ハンセン指数は3/16以降、急反発しました。

会議の声明文には、具体的に以下の内容が含まれています。
1)マクロ経済の運営において、今年第1四半期(1-3月)の経済を喚起する必要がある。
2)金融政策については、積極的に対応しなければならず、新規融資の適切な増加を維持する必要がある。
3)不動産市場については、効果的なリスク防止策をタイムリーに導入しなければならず、それと同時に新たな開発モデルへの移行を促す施策を提示する必要がある。
4)中国ADR問題をめぐっては、米中双方の監督部門は良好なコミュニケーションを取っており、前向きな進展もみられている。具体的な協力計画の策定に向けて取り組んでいる。
5)各種の企業が海外に上場することを引き続き、支持する。
6)インターネットプラットフォーム業界のガバナンス強化に関しては、着実に進めると同時に、大手ネット企業の是正をできるだけ早く完了し、「赤信号」と「緑信号」をともに設定しなければならない。

上記のうち、1)-3)は景気支援措置や金融緩和を打ち出す意向と解釈できます。4)と5)は米中対立激化に対する市場の懸念を受けたものと思われます。特に中国ADRの上場廃止リスクについては、中国当局が前向きに対応しようとしている姿勢を示した格好です。6)は中国当局が初めてネット大手への規制強化をめぐり、完了の時期について言及したことになります。これは、市場にとってポジティブサプライズとなりました。ネット大手にとって重しとなっている「規制リスク」が間もなく消える可能性があることを示唆します。
全般的にみて、今回の中国当局の動きは明らかに相場の調整を意識したものといえそうです。中国本土や香港ではこれで相場の「政策底」が確認されたとの報道が目立ちました。「政策底」というのは、いわば中国当局がこれ以上の下落は容認しない意向を示すため、政策面での支援を表明し、それによって形成される相場の底を意味します。

実際、2018年第4四半期に米中対立の激化を受け、中国株の下落が止まらなかった時、中国当局は同様な手法で「政策底を作った」ことがあります。ただし、2018年の経験からすると、「政策底」が確認できたからといって、その後ハンセン指数が一本調子で上昇したわけではありませんでした。中国当局の支援表明を受け、ハンセン指数は急反発しましたが、その後は利益確定売りに押される場面もありました。ハンセン指数が本格的な上昇トレンドに入ったのは、より具体的な支援策や金融緩和が発表されてからでした。

過去の経験から、以下のことが言えそうです。
1)3/16の中国当局の意思表明で相場の「底割れ」懸念は後退したといえそうです。
2)一方、これからすぐ上昇トレンド入りと判断するのは時期尚早かもしれません。
3)他方、中国当局が宣言通りに具体策を打ち出し、金融緩和を実施すれば、景況感や企業業績見通しの改善につながり、株式市場の上昇トレンド入りも期待できそうです。

したがって、投資戦略としては買うタイミングを分散する手法が良さそうです。なお、中国株は3月中旬から下旬が決算発表のピークとなっています。その間、個別銘柄の株価変動は大きくなる傾向があります。ある程度個別銘柄の変動リスクを抑えたい場合は、ETF投資が有効といえます。3/16付のレポート「【中国株が急落、買いチャンスか?!】 ウクライナ危機下の米中対立、中国ADRの上場廃止リスクを点検」では、中国株関連ETFをご紹介しておりますので併せてご参照頂ければと思います。

図表4 香港市場の業種別パフォーマンス(年初来、2021年12月31日=100)

※BloombergをもとにSBI証券が作成。

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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  • 本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。
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