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4Q(10-12月期)決算速報(現地1/23寄り前発表)
Tモバイル、AT&Tと並ぶ米国で最大級の通信サービス企業。NYダウに採用される米国を代表する企業の一社です。顧客中心主義を掲げ、新料金プランの提供やネットフリックスと提携、割引プランを実施するなど、攻めの姿勢が目に付く。高配当利回りも魅力。
●決算発表当日の株価:42.23ドル(+6.70%)
●売上高:351.3億ドル(予想344.9億ドル)〇市場予想を上回った
●調整後EPS:1.08ドル(予想1.08ドル)△市場予想と一致した
●24/12月期通期調整後EPS見通し:4.50〜4.70ドル(予想4.58ドル)〇中間値が市場予想をわずかに上回った
●24/12月期通期ワイヤレス・サービス事業売上高の伸びは前年比+2.0〜+3.5%を見込む
●24/12月期通期資本的支出見通し(CAPEX):170〜175億ドル(予想174億ドル)23/12月期通期は187.7億ドル
個人向け携帯電話の契約数が回復、市場予想を大きく上回り好感した株価は大きく値を上げました
決算発表当日のチャート
決算のポイント
●コンシューマー(消費者)事業売上高:269.5億ドル(予想264.1)〇市場予想を上回った
●ビジネス(法人)事業売上高:76.2億ドル(予想77.3)×市場予想を下回った
●ワイヤレス後払い契約純増数:+146.0万件、前四半期は+58.1万件(予想+107.0万件)〇市場予想を大きく上回った
●後払い携帯電話純増数:+44.9万件、前四半期は+10.0万件(予想+22.9万件)〇市場予想を大きく上回った
●ワイヤレス小売り後払い契約携帯電話月間解約率:1.08%、前四半期は1.04%(予想1.07%)×市場予想を下回った
●サービス加入者数:1億4475万人(予想1億4093万人)〇市場予想を上回った
●23/12月期通期のフリーキャッシュフローは187億ドル
経営陣の主なコメント
●23年は好調な四半期で締めくくり、24年も素晴らしいスタートを切れた。23年、フリーキャッシュフローは187億ドルと目標の180億ドルを上回った
●財務体質良好。17年連続増配達成。フリーキャッシュフローに占める配当金の比率は59%と健全な水準にある。また、設備投資(CAPEX)も通常の水準に戻りつつある
●23年、特筆すべきは「*MyPlan」の導入だ。入念な顧客調査の上設計した柔軟なプランで、大きな成功を納めた
●顧客中心主義を掲げる当社は、大規模な顧客基盤と大手法人とのリレーションを活かしたサービスを提供。ネットフリックス、マックスのサービスを月額10ドルで利用できるプランをリリースした
●5Gを活用したネットワーク事業においては、港湾、自動車、重工業など大規模な物流/事業を運営する企業からの引合いが強まっている。スマート・カー開発におけるプライベート・ネットワーク構築契約を締結
●全米30カ所のNFL(アメリカン・フットボール)スタジアムすべてにベライゾンが提供する**5Gミリ波設備を設置。当社の評価向上に貢献している
*MyPlanはワイヤレス・サービス向けプラン。顧客が個別ニーズに応じて料金プランをカスタマイズ可能、かつ、いつでも変更できる。他社の包括的サービスとの差別化に効果を発揮。23年5月提供開始
**23年10月、高速5Gネットワークサービス「5G Ultra Wideband」を提供。同社ユーザーは契約の上、対応5Gスマホで高速大容量通信を体験可能。試合のハイライトや選手情報などの閲覧も可能になる
決算を受けたマーケットの反応
個人向け携帯電話の契約数が回復、市場予想を大きく上回りました。法人向けのビジネス事業はやや低調だが主力事業の回復を評価する声が多く、株価は大きく値を上げました。また、主力事業の回復はフリーキャッシュフローの創出にも貢献。財務内容の良さもあいまって、減配懸念の後退から配当利回りの高さが注目を集めます。
ワイヤレス・サービス向けの料金プラン「MyPlan」やネットフリックスとの提携など、顧客に寄り添った提案の実施や、5G技術を活用したNFLスタジアムでのサービス提供など、攻めの姿勢に転じるベライゾン。予想PERは9.24倍。高配当利回り狙いの資金に加えて、同社の成長を評価する声も高まれば、株価水準の切り上げも期待できそうです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:42.75ドル
アナリスト・レーティングは5段階評価の3.67
予想配当利回り:6.30%
最低投資金額:6,250円(1/23終値、1ドル148円換算)