kovop58 - stock.adobe.com
3Q（7-9月）決算速報（現地10/25引け後発表）
世界最大級のSNS運営企業で、「フェイスブック(Facebook)」、「インスタグラム（Instagram)」、「メッセンジャー(Messenger)」、「ワッツアップ(WhatsApp)」などを運営し、中国を除く世界のSNS市場で高いシェアを有しています。売上高の9割以上を広告事業が占めています。
●決算発表後の時間外取引（日本時間9:00時点）：289.50ドル（-3.35%）
●売上高：341.5億ドル（予想335.1億ドル）〇市場予想を上回った
●予想比較EPS：4.39ドル、前四半期は2.98ドル、前年同期は1.64ドル（予想3.60ドル）〇市場予想を大きく上回った
●10-12月期売上高見通し：365〜400億ドル（予想387.6億ドル）×中間値が市場予想を下回った
●2023/12期通期費用見通し：870〜890億ドル、従来予想880〜910億ドルからレンジ幅と数値を引下げた（予想897.6億ドル）〇中間値が市場予想より少なかった
●2023/12期通期資本的支出（CAPEX）：270〜290億ドル、従来予想の270〜300億ドルから上限を引下げた（予想293.1億ドル）中間値が市場予想より少なかった
●2024/12期通期費用見通し：940〜990億ドル（予想965.3億ドル）△中間値が市場予想とほぼ一致した
●2024/12期通期資本的支出（CAPEX）：300〜350億ドル（予想342.9億ドル）中間値が市場予想より少なかった
売上高が市場予想を上回りました。また予想比較EPSは市場予想を大きく上振れて着地。リストラが進み稼ぐ体質が強化されているようです。引け後の取引ではカンファレンスコールを受けて下落。リーCFOが「マクロ環境の変動に大きく左右される。24年収入見通しは不透明」とコメントしたことが影響したようです
引け後の時間外取引のチャート
決算のポイント
●Family of Apps（フェイスブック、インスタグラム、メッセンジャー、ワッツアップ、その他サービス）売上：339.4億ドル、前四半期は317.2億ドル（予想330.8億ドル）〇市場予想を大きく上回った
●その他収入：2.93億ドル（予想2.13億ドル）〇市場予想を上回った
●Reality Labs（VRサービス）売上：2.10億ドル（予想3.13億ドル）×市場予想を大きく下回った
●広告インプレッション回数（広告表示回数）前年比：31.0％、前四半期は34.0％（予想29.6％）〇市場予想を上回った
●予想比較資本的支出（CAPEX）：65.4億ドル（予想76.2億ドル）市場予想より少なかった
●営業費用合計：204.0億ドル（予想220.9億ドル）〇市場予想より少なかった
●従業員数：66,185名、前四半期は71,469名（予想70,615名）〇市場予想より大幅に少なかった
フェイスブックの会員動向
●デイリーアクティブユーザー（DAU）：20.9億人（予想20.7億人）〇市場予想を上回った
●マンスリーアクティブユーザー数（MAU）：30.5億人（予想30.5億人）△市場予想とほぼ一致した
●ユーザー当り平均収益：8.71ドル、前四半期は8.32ドル（予想8.56ドル）〇市場予想を上回った
経営陣の主なコメント
●今四半期の製品関連のニュースは、初の複合現実デバイスである「Quest 3」、当社初のスマート・グラスであるメタAI内臓・次世代型「Ray-Ban Metaスマート グラス」を発表したことだ
●AI関連では多くのイノベーションが行われている。イベント「Meta Connect」では今後数年間に実現が予想される新しい消費者向けAI エクスペリエンスをプレゼンテーションした
●「Meta AI」は、さまざまなメッセージング・エクスペリエンスをスマート グラスでアクセス、リアルタイムの情報にアクセス、フォトリアリスティックな画像を生成できる新しい機能だ
●24年の設備投資は、エンジニアリングとコンピューティング、両方のリソースにおいてAI向けが最大の投資分野と考えている。人員を適切に配分し、AI向け開発の優先順位を高めていく
●ショート動画の「Reels」は好調。リリース以来、Instagramで再生される時間は40% 以上増加したと推定している。また、収益化のマイルストーンも予想より早く進捗している
●「Llama 2：大規模言語モデル」は、先月 3,000 万件を超えるLlama のダウンロードがあり、現在では主要なオープンソースモデルとみている
●スレッズ（X（ツイッター）の対抗サービス）はリリース後現在3ヶ月が経過。現時点で月間アクティブ・ユーザーは1 億人弱
●4Qにおいて地政学的な影響、中東の紛争が当社ビジネスに与える影響を検証した。当社のサービスは重要なツールであると認識している。広告主の需要は強いが変化率も高く、不確実性は高いと言わざるを得ない
●地政学的リスクは来年の広告市場に大きな影響を与えるとみている。マクロ環境の変動に大きく左右される可能性がある
決算を受けたマーケットの反応
リストラの進捗から利益率の向上は目を見張るものがある。AI中心に積極的な投資を継続しつつも過剰な人員拡大を抑制、従業員数は昨年比で大幅に減少している。新製品の「Quest3」や「Ray-Ban Metaスマート グラス」は未知数だが、フェイスブックやインスタグラムなどコア・プロダクツの事業は順調と見られる。投資家は同社のAI向け投資が開花するか、見極めている
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均：374.51ドル
アナリスト・レーティングは5段階評価の4.64
最低投資金額：45,000円（10/25終値、1米ドル150円換算）
